住宅に使われる木材は何がいいのか?杉、檜という種類よりも重要なこと。

知られざる住まいの真実
渋谷 浩一郎

住まいと人の成長は深い関わりがあるのか?そんなことを追求する元小学校教諭。住まいとアレルギーやアトピー、学力との関係にも注目している。現在、国内外の子ども達と関わりながら、住まいに関する書籍や冊子などの連載も行っている。要するに住まいのオタクである。

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マイホームを新築したり、リフォームをするとなると、どんな木材を使うのがいいのか気になるところでしょう。

巷ではパイン材が手頃な価格で見た目も綺麗だからいいだろうとか、

いやいや、秋田杉のような無垢材がいいだろうけれど、反りが心配だなぁ…。

など、様々な声を耳にします。

実は、そんな種類や見た目よりも重要なことがあるのです。

私たちは、杉や檜、栗、ケヤキ、パインなどと言った木の種類よりも、乾燥方法の方が重要だと言い切ります。

今日は、木材の乾燥方法を幾つか紹介します。

 

なぜ、建築に使う木材は乾燥させる必要があるのか?

木材の乾燥

住まいを新築しようと思い、工務店やハウスメーカーなどを訪れると、建築に使用する木材の含水率の話を耳にすることがあります。

含水率とは、木材に含まれる水分の割合のことです。

仮に今、山で木を切り倒したならば、木の幹にはたくさんの水分が含まれていますから含水率は高いということになるわけです。

場合によっては切り口から、水が川のように流れてくることもあるほどです。

 

これらの話からも想像できると思いますが、含水率が高いと、少しずつ水分が蒸発するために、木の大きさに変化が生じてきます。

この水分の蒸発量も当然、場所によって異なるために、木材は十分に乾かしてからでないと建材として使えません。

また、切り倒したばかりの木材を触ったことがある方は、想像できると思いますが、含水率が高いとヤスリなどをかけることができません。

表面のザラッとした部分も濡れていますとフニャっとなってしまうので、加工もしにくいという問題点もあります。

こうしたことも踏まえて、現代では、木材を建材として利用するなら木材をしっかりと乾燥させる!ということが常識となっているのです。

 

木材を乾燥させる主な3つの方法のメリット・デメリット

木材を乾燥させるには、幾つかの方法がありますが、大きく分けて機械乾燥と自然乾燥があります。

もうすでに、あなたは木材の機械乾燥や自然乾燥のメリット・デメリットがなんとなく想像つくかもしれませんが、もう少し詳しく見ていきましょう。

木材の機械乾燥の主な2種類

  • 加圧加熱蒸気乾燥

料理で使用する圧力鍋をイメージするといいかもしれません。

木材を乾燥させる際に、熱を加えながらさらに圧力をかけることによって、水分を飛ばしていく乾燥方法です。

100℃よりも高い温度で処理することが可能とされています。

圧力鍋の調理と同じように、非常に短時間で木材を乾燥させることができるのが大きなメリットです。

 

  • 蒸気式機械乾燥

現代、もっとも一般的に利用されている乾燥方法です。

蒸気を熱源として、木材を乾燥させる方法です。

設定温度は様々ですが、中温の場合は40〜90℃、高温の場合は100℃以上で処理されます。

 

機械乾燥のメリット・デメリット

  • 短時間で木材を乾燥させることができるためにコストが安い。
  • 処理条件が木材にとって厳しい場合、内部が割れてしまうというリスクがある。

 

木材の自然乾燥

自然乾燥と呼ばれたり、天然乾燥と呼ばれますが、現代では、自然乾燥と機械乾燥を抱き合わせた乾燥方法もあります。

例えば、先に紹介した機械乾燥方法もいきなり高温で処理をすると木材に大きなダメージを与えてしまうために、乾燥の初期に高温にならすような処理が行われています。

この高温にならす処理をしたのちに、自然乾燥をさせる木材も出てきているのです。

もちろん、薪のように最初から常温で乾燥させる自然乾燥の木材もあります。

 

自然乾燥のメリット・デメリット

  • 乾燥が完了するまでにかなりの期間を要する。
  • 乾燥期間も天候によって左右される。
  • ゆっくりと乾燥させるために木材の色艶がいい。
  • 木材にとって好条件のために内部が割れるリスクは低くなる。

 

自然乾燥のデメリットを軽減させたのが音響熟成木材

私たちが施工する住まいには、飫肥杉と呼ばれる杉を自然乾燥させた木材、音響熟成木材を使用しています。

音響熟成木材は、木も人間と同じく居心地のいい環境で乾燥させるべきだ!という発想で生まれた木材ですから、最初から特別な処理がされることなく、38℃以下で自然乾燥させた木材です。

木材の乾燥中に、クラシック音楽を流すことで水分が随分早く抜けるのです。

実際、音響熟成木材が作られている工場には、煙突が1本もなく、ただ倉庫に木が並べられ、クラシック音楽が流れているだけです。

木材の乾燥に何か特別な処理がなされている風景はありません。

実際にそんな工場に見学に行きたい!ということであれば、下のバナーからLINE@に登録していただき、メッセージをください。詳しい案内をさせていただきます。

 

木材の乾燥から私たちが学ぶべきこと

今日は木材の乾燥方法について紹介しました。

木材に水分が含まれていると、木材の大きさが変わる…。

だから、水分が少ない方がいい。

そんなことを考えて、私たち人間は木材から水分を抜くことにだけ注目していたのではないでしょうか。

実は、木材を高温状態にしてしまうと内部から破壊されることなんて、難しい勉強をしなくても私たちは知っているのです。

焚き火の時に、乾燥が不十分な木を入れるとどうなるでしょうか?

内部から、シューっと言って水分が出始め、そののちにパチン!と言って破裂が起きるのです。

 

木は長い歴史の中で、力強く行きていけるように自ら工夫をしてきました。

ところが、歴史の中で、気温が100度を超えるようなことは一度も起きていないのです。

つまり、100℃程度の温度で水分を飛ばすことはできても、木材そのものは高温に対応できないと考えてもいいのではないでしょうか。

本当に丈夫で、人にとってもいい住まいを求めるのであれば、人と同じように可愛がってもらった木材使いたいものです。

渋谷 浩一郎

住まいと人の成長は深い関わりがあるのか?そんなことを追求する元小学校教諭。住まいとアレルギーやアトピー、学力との関係にも注目している。現在、国内外の子ども達と関わりながら、住まいに関する書籍や冊子などの連載も行っている。要するに住まいのオタクである。

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