スーツを着て、革靴を履いて電車に乗って出勤。

そして、職場ではパソコンの画面を見つめ、電話やメールの対応に来客…。

仕事には様々なスタイルがあるものの、

私はある日、ふと気づいたのです。

そう言えば、今日も一日、土を踏んでないなぁ。

 

えっ!何を言っているの?それがどうしたの?

こんな事を思われる方もいらっしゃることでしょう。

私が言っている「土を踏む」というのは、特別なことではありません。

ただ、靴を履いた状態で「土を踏む」という行為ですから。

でも、こうして改めて考えて見ると、私たちの生活は「土を踏む」事さえ、

貴重な体験となってきているのではないでしょうか。

ところが、この行為にはとても大切な意味があるのです。

 

 

土から思い切り離れて感じた事とは?

私は、裸足でコンクリートの上を約6時間歩き回ったことがあります。

小学校の教諭をしていましたから、

水泳の大会の役員を務めた時に、

仕事としてプールサイドで子ども達に指導をし、

タイムを記録係に伝えに行くという仕事があったのです。

 

どうなるかお分かりでしょうか?

大会の終盤になるころには、膝が大変辛くなるのです。

一歩踏みだした時の衝撃が膝にくるのです。

(膝を痛めていたわけではありません)

 

 

なぜ、膝が辛くなってくるのか?

それは、コンクリートが固いために、

踏み出したエネルギーが全部、体に返ってくるのです。

畑ではボールが弾みにくいが、

コンクリートやアスファルトではよく弾むのと同じことです。

 

普段ならクッション性もある靴を履いているので、

コンクリートやアスファルトの上を歩き続けても、特に問題はありません。

ところが、裸足にコンクリートは、人間にとってミスマッチなのです。

それは、人類の歴史を見れば明確であります。

何千年という歴史の中で人々は生きてきましたが、

植物や土とともに生きてきたのです。

ですから、

コンクリートに対応できる体になっていないのは、当然のことなのです。

 

 

この話は体だけではなく心についても言えます。

カウンセリングの業界を見つめても、

自然とともにいる事はとても重要な事が分かります。

近年、残念なことに…

抗うつ剤の市場は拡大する一方です。

なんと、2008年の時点で約890億円にものぼっています。

 

もちろん、こうした薬での治療も必要なケースもあるのでしょうが、

こうした方々のカウンセリングに用いられる方法に一つに

動物や自然の草木と触れ合う体験というものがあります。

 

きっと、人はこうした活動に本能的に安らぐよう作られているのでしょう。

けれど、土さえ踏まなくなった人が増えた現在、

こうした症状が現れ、困っている人が増加しているのは、

私たちに生活のあり方を見つめなおせ!というメッセージではないでしょうか。

 

あなたはどこで本能的なリセットをしていますか?

都会のオフィスで働いていることを否定するわけではありません。

仕事として成り立っている以上、

その仕事に対して喜んでいる人がいるはずですから…。

ただ、人としての本能が求めるリラックスをすることが、

できていないのが現状でしょう。

実際、私も含めて土すら踏まない日があるのですから。

 

心も身体もくつろげる場所、「住まい」はどうなっていますか?

素敵な家に住みたい、明るいリビングがいいなぁ…

やっぱり駅に近い方がいいよね…、お値段はやっぱり安い方がいいし…。

住む場所を選ぶ、リフォームをするとなると、

ついこの部分にだけに目が行きがちです。

もちろん、こういった要素も重要です。私もこれを考慮して家を購入しています。

 

ただ、私たちは土すら触る事が減ってしまったのです。

ですから、あなたにも少し生活を振り返って欲しいのです。

あなたの住まいの中には、ホッとできる自然のままの部分か、

自然に近い状態の素材があるでしょうか。

 

抗うつ剤の市場の拡大子ども達の様々な病気や心の苦しみ…

そんな様子を見ていると、住まいの一部であっても、

人としての本能が喜ぶ空間が必要だと思うのです。

そういった、空間を手に入れる事ができれば、

あなたの体や心は、帰宅するだけでリセットされるという事です。

 

毎日、帰宅するとリセットできる人と…

帰宅すれば、余計に化学物質に触れ、体が疲労していく人…

この違いは、小さな差と言えるのでしょうか?

家は高価な買い物になるからこそ、

10年後、20年後も見据えてどんな家にするのか考えたい物です。