あなたの周りにも魅力的なものはどっさり!日本の四季から感じられたこと

【読み物】自然の営み
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Yuko Imura

日常の何気ない風景の中にも発見はたくさんある。そんな発見を唄にする詠み人。住まいや生活について考えることも多く、これまで感じてきたことを鋭く、面白い視点でブログ記事を書いている。趣味は料理。

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例年になく暑かった今年の夏。

連日続く猛暑日を前に「今年は本当に秋がくるのかしら」なんてことを思わずにはいられませんでした。9月に入ってからは、まだ暑い日もありましたが、朝晩を中心にすっかり秋の気配に包まれるようになりました。

心配することはありませんね。季節はちゃんと巡ってくるのです。

 

街を歩いてみれば、いつの間にかお店のディスプレイはハロウィン一色になっています。

ここ数年、日本でも盛り上がりを見せている秋のイベントです。

我が家の娘も毎年ハロウィンにかぼちゃや魔女に変身しておやつをもらうのを楽しみにしています

10月末のハロウィンが終われば今度はクリスマス。

街は一瞬にして赤や緑、金色に彩られ、子供達が指折り数えてその日を待つ季節となります。

 

一方、自然へ目を向けると、こちらも着実に季節が前へと進んでいることが分かります。

北の地では山の紅葉も始まっています。

この夏は地震・大雨・台風と自然にとっては厳しい夏となりました。

そんな中でも力強く生き抜いている自然の姿は、人間が毎年凝らす街の飾りよりも色鮮やかに季節の訪れを教えてくれるものです。

 

今年も鮭が帰ってきた!

今年の4月まで私が住んでいた岩手県盛岡市の秋の風物詩をご存知ですか?

盛岡市街地には中津川という川が流れていて、この川にはいくつもの橋が架かっています。

9月の中頃になると、橋の上から川を覗きこむ人の姿があちらこちらで見られるようになります。

盛岡に住み始めて最初の9月を迎えた当初は、その理由が分からず訝しく思ったものでした。

橋の上から川を覗き込んでいる人々の様子を観察していると「今年はまだ来てないね」なんていう台詞が聞こえてきたりします。

もうお分かりですね。

この中津川には毎年鮭が産卵のために遡上して来るのです。

鮭が遡上する河口からの距離は日本最長級の約200キロメートル。

生まれた場所で産卵するために川の流れに逆らって上ってきた鮭は、最後の力を振り絞って川の底を掘り産卵場所を作ります。

そして、卵を産み落とししばらくその卵を守った後、力尽きてその命を終えるのです。

盛岡の人々の努力と愛情のおかげで中津川はとてもきれいな状態が保たれています。

ですから、橋の上から透き通った川の中で繰り広げられる生命の営みを目撃することが出来るのです。

懸命に川を上る鮭の姿は何度見ても感動的です。

他の鮭より一回り体の小さな鮭が懸命に闘っている場面に出くわしたりしたら、思わず応援するこちらの手にも力が入ってしまうほどです。

盛岡に秋の訪れを告げる鮭の遡上。

今年も始まったようです。

今年は見に行くことができませんが心の中で「がんばれ」と応援したい気持ちです。

 

白鳥も羽を休めにやってきた!

鮭が産卵を終える11月の終わり頃、ぐっと寒さが厳しくなった盛岡に、今度は冬の訪れを告げる生き物がやって来ます。

ロシアやシベリア方面から越冬のために飛来する白鳥の群れです。

盛岡市内の池や湖、川岸で羽を休める優雅な姿は盛岡の冬に欠かせない風景の一部となっています。

私が住んでいたのは中津川からほど近い場所だったため、家にいても白鳥の鳴き声がよく聞こえてきました。

今年の冬はあの白鳥の鳴き声と、V字型に連帯を組んで空高く飛んでいく姿を間近で感じることが出来ないのかと思うとちょっと寂しい気がします。

 

長い冬の後に待ち焦がれた春がやってくる

白鳥が北の地へと帰っていき、全国ニュースで桜の開花が取り上げられるようになる3月になっても東北の厳しい冬はまだ終わりません。

日中の最高気温が氷点下になることもある盛岡では冬の間、洗濯物はもちろんのこと布団を日に当てて干すことが出来ません。

夜、布団に潜り込んだら嗅ぐことのできるお日さまの匂い。

この匂いを思い切り吸い込むことができるようになる頃、長い盛岡の冬は終りを告げます。

桜の花が開き、薄桃色の花びらが街を明るく照らし始めると、街に人々の活気が戻ってきます。

小さな子供からお年寄りまで、盛岡に住んでいる人は皆、春の訪れに心弾ませてしまうものです。

寒さに震え縮こまっていた体をほぐし、お日さまの光をおもいきり吸う。

長く厳しい冬を乗り越えた北の国の人々だからこそ味わえる温かい味がそこにはありました。

 

短くて熱い夏!

東北のお祭りと言えば、みなさんは何を思い浮かべますか?

青森の「青森ねぶた祭り」仙台の「仙台七夕祭り」秋田の「秋田竿燈祭り」山形の「山形花笠祭り」福島の「福島わらじ祭り」、そして盛岡の「盛岡さんさ踊り」。

 

4年前、夫の転勤で山梨県から盛岡へ引っ越した日が、ちょうど「盛岡さんさ踊り」の日でした。

このお祭りが開催される毎年8月1日から4日までの4日間は、盛岡が力強り和太鼓の響きと軽快な踊り手の掛け声に包まれます。

盛岡駅に初めて降り立ったときは、街全体が一体となって盛り上がっているお祭りの空気に圧倒されました。

夜になって始まったメイン通りでのパレード。

空高く打ち鳴らされる太鼓の音に誘われて、初めてお祭りを見に行った瞬間から、私はこのさんさ踊りが大好きになりました。

太鼓を叩く人、踊る人、笛を吹く人、そしてそれを沿道から見守る人。

その場にいる人みんなが楽しそうで目が輝いていたのです。

心からお祭りを楽しんでいる盛岡の人たちに混じって過ごした数分の間に、すっかり私は盛岡に魅せられました。

後に友達となった人の中に毎年このさんさ踊りで太鼓を叩いている人がいます。

彼女曰く「盛岡の夏は短い。だからおもいっきり楽しみたい。お祭りで太鼓を叩き続けているのは、その瞬間が一番夏を感じることが出来るからだよ。」

私も夏を思い切り感じるため、去年からは娘と一緒に踊り手として参加しています。

引っ越してしまった今年の夏も、関西から飛行機に乗って参加しに行ってきました。

今年は特に暑くて熱いお祭りでした。

 

日本の地図を眺めていたらワクワクしてきた!

盛岡で過ごした3年半の時間は、私に盛岡の魅力を教えてくれました。

今では第二の故郷と呼べるほど愛着のある街です。

なぜそんなに私がこの街を好きになったのか改めて考えてみました。

温かい人々との出会いや豊かな自然環境が大きな理由ではありますが、もうひとつ忘れてはならない要素がありました。それは、「その街にしかない魅力があった」ということです。

 

秋に出会う鮭の遡上。

厳しい冬に見られる優雅な白鳥の姿。

長い冬の終を告げる桜の開花。

短い夏を駆け抜ける祭りの熱気。

 

これらは、日本中どこへ行っても見ることができるハロウィンやクリスマスのディスプレイからは感じられない季節の豊かさを教えてくれます。

その土地でしか味わうことができない季節の移ろい。

これ以上の贅沢なカレンダーは見当たらないでしょう。

 

そう考えてみると、日本とはなんと豊かな国なんだろうと感じずにはいられません。

北は北海道から南は沖縄まで、きっとその土地でしか味わうことができない季節の移り変わりがあるはずです。

 

だから、私は日本の地図を見ているとワクワクしてくるのです。

盛岡から引っ越してきて現在住んでいる関西の地はもちろんのこと、まだ行ったことのない日本の至るところに「その街にしかない魅力がある」ということを知っているからです。

たまたま我が家は転勤族という引っ越しの多い家庭です。

天気予報で出てくる日本地図を見るとついつい、今住んでいる所だけでなく以前住んでいた土地の天気や気温も気になってしまいます。

こちらは晴れているのに雨が降っていたり、あちらはもう寒くなっているのにこちらはまだ汗ばむ陽気だったりと。

 

そんな風に日本地図を見ながら、私が心から思うことは「日本に生まれて本当に良かったな」ということなのです。

春夏秋冬を感じて一年を過ごせる国に生まれた幸運をこれからも忘れずに生きていきたいものです。

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