ノンワックスフローリングの構造とトラブル【無垢材とは別物】

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北村美千代

数々の店舗、住まい、文化財の新築・修繕のプランを行う。自由度が低く、制限があればあるほど建物のプランを考えるのが楽しくなってくるという習性がある。プランを考えている時間が至福の時間。

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最近、新築や賃貸物件を探す時に、ノンワックスフローリングかどうかを意識される方も増えてきています。

また、ワックスを使わないために小さい子どもでも安心ですか?という質問もいただくことがあります。

そこで、今回は、

  • ノンワックスフローリングの構造
  • よくあるノンワックスフローリングのトラブルと回避方法
  • 小さい子どもにも安心か?(無垢材との違い)

これらについて解説します。

 

ノンワックスフローリングって?その構造を紹介

フローリングと一言で言っても、様々な種類があります。

見た目が様々というだけではなく、構造も種類によって異なります。

大きく分けると次の2種類に大別することができます。

  • 無垢フローリング(一枚板のフローリング)
  • 複合フローリング(複数の板を重ねて作ったフローリング)

この詳細は、無垢材のフローリングにワックスは必要か?【本物の無垢材であれば不要】を参照してください。

 

ノンワックスフローリングは、複合フローリングの一つの種類で、名前の通り、ワックスをかける必要のないフローリングです。

なぜ、ワックスをかける必要がないのか、構造をみていきましょう。

ノンワックスフローリングの基本的な構造

ノンワックスフローリングの基本的な構造

メーカーによって若干構造の違いはありますが、概ね上記のようになっています。

  • グラビア印刷層・・・・薄いシートに見せたい柄が印刷されている部分
  • 防カビ樹脂クリア層・・グラビア印刷層を守るための透明な層
  • UVコーティング層・・紫外線による劣化を抑えるための透明な層
樹脂とは?
ここでは、化学的に作られたプラスチックという理解でも問題ありません。詳細はまた改めて別記事を作成します。

要するに、耐久性の高い透明なプラスチックの層を作ることができるようになったために、従来、一般的なフローリングにワックスをかけるような作業が不要になったというものです。

これまで手間や費用をかけて行っていたワックスがけが不要になるというのは大きなメリットです。

ところが、扱い方を誤まるとトラブルにもなります。

 

ノンワックスフローリングのトラブルと回避方法

ノンワックスフローリングのトラブル事例と原因

多いトラブルが、

  • ワックスをかけると、ボロボロとワックスが剥がれてくる
  • 水をこぼした後が変になる
  • 足跡のようなものが残る

と言うようなトラブルです。

 

いくら丈夫な樹脂とは言え、経年とともに劣化してくるもの。

そこに水が落ちると、グラビア印刷層に入ってしまうことがあります。

グラビア印刷層はとても薄いために、水分を吸うと雨で濡れてしまった教科書の様にボコボコになってしまいます。

ですから、大抵のノンワックスフローリングは水拭きも推奨されていません。

もしくは、水拭きをしたらすぐに乾いた布で水分を取らないといけません。

ところが、この辺りのことがお客様に伝わっていないケースも多い様です。

 

また、ワックスについては、樹脂との相性のようなものがあります。

相性が悪い場合は、ワックスの乗りが悪く、剥がれてしまうことがあります。

 

ノンワックスフローリングのトラブル回避方法

透明な樹脂の部分とどう付き合うかが重要です。

これまでの私の経験では、やはり次のことに注意する必要があると思います。

  • ノンワックスフローリング用のワックスを塗る(要メーカーに確認)
  • 専門家に頼んでフロアコーティングをする
  • 水拭きをする場合には、かなり硬く絞った雑巾を使う
  • 化学雑巾は使った後は必ず片付ける(床が変色する恐れがあります)
フロアコーティングとは?
ワックスよりも強力なコーティングのことで、ガラスコーティング・ウレタンコーティングなどの種類があります。

 

ノンワックスだから小さい子どもにとって安全か?

空気環境的には少々課題があるかも

最近は、室内の空気環境を気にされる方が増え、「赤ちゃんがいるのでワックスを使用しないフローリング」が魅力的だと言われます。

確かに、ワックスを塗る必要がないために、空気が綺麗な印象があるかもしれませんが、いろいろなものが重なり合ってできているのがノンワックスフローリングです。

接着剤・防カビ剤などから化学物質が揮発していきますので、出来るだけ自然な環境で子育てをしたいという視点で見ると疑問が残ります。

また、表面に樹脂が使われていますので、アレルギー体質の方は、反応が出てしまうかもしれません。

いずれにしても、ノンワックスフローリングを考えている方は、施工前に、その部屋で過ごしても問題ないのか、一晩、ご家族で体感をされることをおすすめします。

室内の空気環境が気になる方は、
ホルムアルデヒド等の匂いの強さ【住まいによって当たり外れあり】をも参考にしてください。研究機関が調査したデータも掲載しています。

 

子どもの生活に制限がかかりやすい

特に小さな子どもは、生活をしていると様々な失敗をおこすものです。

  • お茶や味噌汁などをこぼしてしまう
  • 積み木のような尖ったものを落としてしまう
  • 重たいものを引きずってしまう

床にとっては大敵とも言える行動を次から次へとするものです。

この時に、床に大きな影響を与えてしまったら、ついついキツく叱ってしまうのではないでしょうか。

これが行きすぎると、「あれもダメ・これもダメ」と子どもの行動に制限をかけてしまうことになりかねません。

 

この様に見ると、ノンワックスフローリングはデメリットが目立ちますが、大きなメリットも2つあります。

 

ノンワックスフローリングの大きなメリット2つ!

ノンワックスフローリングのメリットは2つ!

  • とにかく安い
  • デザインバリエーションが豊富

 

構造みるとこの2点がメリットだと分かります。

土台にグラビア印刷層(とても薄いシート)を貼って、樹脂でコーティングをしていますから、生産コストも安いというのは想像できると思います。

また、グラビア印刷層は印刷によって作られていますから、どんな模様(柄)のフローリングを作ることが可能です。

 

ノンワックスフローリングのまとめ

ノンワックスフローリングの構造をもとに、メリット・デメリットを紹介しました。

少し、デメリットが大きい印象がありますが、事務所的に使用する空間をコストを抑えて作りたいという場合には向いているかもしれません。

メリットデメリット
  • とにかく安い
  • 色・柄のバリエーションが豊富
  • 水に弱い
  • ワックスをかけるならメーカーに確認をとる必要がある
  • 子どもがいる家庭には不向き
  • 自然な空気環境ではない

このデメリットをカバーするには、専門業者によるコーティングという方法がありますが、費用がかかるために、安さのメリットが弱く感じられるかもしれません。

 

空気がうまい家®︎のフローング

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私たちは、室内の空気環境にこだわった空気がうまい家®︎を施工しています。

空気がうまい家®︎でもちいているフローリングは、無垢のものであり、オイル塗装・ワックスの使用を禁止しています。

本来、木にはすぐれた油分が含まれているために、その力を上手に使うことができれば、水に強く、ワックスもその他のメンテナンスも不要になります。

 

本当にそんなことが可能なのか?

無垢材のフローリングにワックスは必要か?【本物の無垢材であれば不要】

も参考にしてください。

 

木がもっている力は偉大という話。
様々な研究機関のデータも掲載しています。
疲れを感じたら近くで森林浴をしよう【少し歩くだけで効果は絶大】

 

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