【超重要】人類の長い歴史を考慮して住まいづくりを考える

私たちは、便利で快適だと感じるものが大好きです。私自身も日々、自動車に乗り、コンピュータやスマホを仕事でも利用し、現代技術の凄さを日々痛感しています。

では、目標を果たすために手軽で便利であれば何でもいいのでしょうか。

例えば…

  • インターネットが普及して買い物に行かなくてもよいことが増えた。
  • (子ども)分からない問題を写真にとれば、答案を見ることができる。

これらは共に、便利なことですが、もちろん問題となる点も残されています。

  • 買い物に行く手間が減ったが、買い物を楽しむという機会も減った。
  • 便利になった分、身体を動かす機会が減ってしまい、体力が落ちた。
  • 分からないことについてじっくりと考え、「やっと分かった!」と心から喜べる機会が減った。

こうした見方を住まいづくりを考える際にも取り入れていく必要があると私は考えています。つまり、何でも便利・快適なものに飛びつくのではなく、一歩立ち止まって、長い目で見るとどうだろうか?と考えてみて欲しいのです。

京都先端科学大学教授の川上浩司教授は、便利な社会を見つめなおし、不便の中にもメリットがあるといった上記の様な考え方を追求されています。

さらに、歴史という長い目で「生命」を見ると、

チェック

私たちの身体も自然の一部であって、環境に適したつくりをしている

ということが見えてきます。この事を踏まえて住まいづくりをすることが「心地いい住まい」にするために必要な条件だと考えています。どういうことか、わかりやす事例を挙げながら解説します。

目次

マゴチの肋骨(ろっこつ)は非常に細い【内臓を守らなくてもいいの?】

あまり有名ではないですが「マゴチ」と呼ばれる魚がいます。とても美味しい魚で、高級です。魚釣りをされる方は、「マゴチを捌いて食べた」という経験があるかもしれません。

実際に捌いて見ると分かるのですが、

内臓の周りにある肋骨がかなり細い(糸に近い太さ)

のです。本来、生物にとって内臓はとても重要な臓器であるために、しっかりとした肋骨があるにも関わらず、なぜマゴチの肋骨は糸の様に細いのでしょうか。

はっきりとしたことまだ分かっていないそうですが、マゴチは常にお腹を海底スレスレにつけて生活をしているために、内臓が危険にさらされるリスクが低いために、長い年月をかけて退化していったと考えられています。

生活環境にあわせて無駄を省いた面白い事例の一つだと思います。

実は、こうした変化は、私たち人間にも見られます。

北国の人は鼻が高い

寒さが厳しい地域にお住まいの方は、鼻がとても高いです。一方で、南国の方々は全体的に鼻が低い傾向が見られます。こうした傾向が見られるのは、

冷たい空気を吸う時に少しでも鼻で温めて肺に入れた方が体温が奪われない

ためです。

もちろん、現代では、暖房設備が充実してきていますから、鼻の高さが生きる上でとても重要になってくるという場面は減ってきていますが、こうした工夫を私たちの祖先は、100万年以上もかけて行ってきたのです。

ここで挙げた例はほんの一例ですが、私たちの身体は、長い年月をかけて環境に合った状態に変化してきたということは知っておきたいものです。

鼻が高い方がいいからと言って、あなたがアラスカに引っ越しても鼻が高くなることはありません。高くなるのは、何世代も後になると考えられます。

日本人はお風呂・温泉好き!

温泉・スーパー銭湯などに行くと、

今日は、時間があったから5時から来ているねん。
そろそろ2時間経つし、帰る準備をするわ。

こんな言葉を耳にするのも珍しくありません。ところが、海外の方は、「日本人はどうしてそんなにお風呂すきなの?」と思うそうです。

これも長い歴史の中で、培われてきたもので、知らず知らずの間に私たちにしっかりとしみ込んでいるのです。

私たち日本人がお風呂が大好きな理由は、

  • 夏は非常に暑く・湿度もかなり高いために汗を流したい。
  • 冬は冷え込みが強いので、身体を温めたい。
  • 火山の多い地域であり、温泉が古くから各地にあった。

こうした条件が見事に揃っていたために、お風呂でリラックスする文化が根付いていったと考えられています。

私たちの暮らし方と歴史は深い関係にある

空気がうまい家

こうして見ると、私たちの暮らしと身体は歴史(これまでのライフスタイル)と大きく関わっていることが分かります。つまり、「心地いい暮らし」をしたいと考えるのであれば、これまでの日本人はどんな暮らしをしていたのか?ということを知ることがとても大切になってきます。

こうした歴史的なことも踏まえて、私が考える心地いい住まいの条件は、

  • 木や畳など極めて自然に近い素材で住まいを作ること。
  • 戸建の場合は、内と外のつながりをなめらかにすることを意識する。
  • 太陽の通り道、光の入り方を考慮する。

もちろん、予算・間取り・収納・家具・住設機器などをそうするか?と言った問題も重要ですが、まずは上記の3点をどうクリアするのかが、重要なポイントだと考えています。

また、近年ブームになっているキャンプについて考えてみましょう。

なぜ、キャンプがブームになっているのか?

https://ontheroad.toyotires.jp/topics/9742/より引用

「自然との対話」を求める人が圧倒的に多いことが分かります。なぜ、「自然との対話」を求める人が多いのか?ここまで読まれてきたあなたならもうお分かりだと思います。

Check

人は数万年もの間、自然とともに生きてきた

ためです。

ですから、株式会社ハウス工房では、地味ですが、便利な〇〇などの機能を備えた住宅というよりも、まず、自然が存分に感じられる住まい作りを最優先にしています。

もちろん、便利な住設機器を導入することも予算が許すのであれば、賛成します。

ただ、便利で高機能な機器を導入したいからフローリングは安いプリントがされたものを使うという発想は、いつまでも心地いい住まいの実現からは遠のいてしまうのではないかと考えています。

こうした機会に長年、人間がどういったものと付き合ってきたのか?に目を向けていただけると嬉しいです。

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この記事を書いた人

株式会社ハウス工房・代表
ハウスメーカーに勤務している時に、「本当に良い住まいとは?」という疑問をもち始め、独立。予算と住まいのコストの調整・バランスをとるのが得意。ジムで汗を流すことが趣味。

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