【無垢材の床の防音】マンションリノベーションの現場から【京都】

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北村美千代

数々の店舗、住まい、文化財の新築・修繕のプランを行う。自由度が低く、制限があればあるほど建物のプランを考えるのが楽しくなってくるという習性がある。プランを考えている時間が至福の時間。

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マンションでは、防音がとても大切になります。

歩くたびに、足音が下のフロアに響くようでは、苦情の原因になります。

ですから、マンションの場合、リフォームをするなら、防音対策がされているフローリングを使用するように義務付けられている場合があります。

その為、

無垢材を使いたいけれども防音対策はできるのでしょうか?

という質問をいただくことがあります。

今回、私たちが京都でフルリノベーションをするマンションで使用する床材も無垢材。

つまり、余計なものが一切ついていないシンプルなものですから防音をどうするかは、一つの課題となります。

そこで、

床を少し持ち上げて防音対策

を行いました。

具体的にどの様な施工をしたのか解説します。

もとは、コンクリートにフローリングが貼られていた!

マンションを解体した現場のコンクリートの部分

解体前は、上の写真のコンクリート部分の上に薄いシートが敷かれており、その上に防音対策がされたフローリングが貼られていました。

この様なクッションがついたフローリングですが、コンクリートとフローリングの間に空気層がありませんから、冬は相当寒かったのではないかと思います。

防音のためのクッションがついているフローロング材

学校のプールを思い出してみてください。

真夏は、歩くもの大変なくらいプールサイドが熱くなっていたと思います。

先生方が一生懸命に水を撒いてプールサイドを冷やそうとしてくれたにも関わらず、まさに焼け石に水の状態だったはずです。

もちろん、真冬にコンクリートの上を裸足で歩くなんてことはできません。

熱しやすく、冷めやすい性質のコンクリートの上に直接フローリングが貼られていたということは、夏や冬…かなり厳しい環境だったことは、想像できそうです。

ちなみに、クロスはコンクリートに直接貼られていました。

コンクリートに直接貼られたクロス

マンションが建てられた時期にもよりますが、この様にコンクリートに直接内装が貼られた物件は、現在も多数存在します。

空気がうまい家®︎で使うフローリングはシンプル!

無垢材(音響熟成木材)の38mmが搬入

床に敷かれるフローリング材(音響熟成木材)が搬入されました。

一般的によく用いられるフローリング材だと厚みは、12mm・15mmですから、音響熟成木材は、相当な分厚さになります。

これだけ分厚いとコンクリートの熱の影響は随分和らげることができます。

ところが、マンションのリノベーションのために、絶対に防音対策をしないといけません。

そこで、今回はこの様に全体を少し底上げして、その上から床材を貼っていきます。

これで、防音の問題もクリアできる上に、

さらに断熱効果も期待できるということになります。

防音のために床を少し持ち上げる

通常、私たちが施工する空気がうまい家®︎では、

この様な人工的な材を多く用いることはいたしません。

ただ、今回は、マンションの管理組合が定める防音の問題をクリアするための策ですから、ここに予算をかけるよりも、直接肌が触れる部分をより大切にした方がいいだろうと考えて、この様な形で作業を進めることになりました。

下の写真のように、室内全体の床が少し持ち上げられていきます。

天井も少しだけ隙間を作っていきます。

天井を少し下げてケーブルが通る隙間を作る

今回、間取りも大きく変更されます。

当然、電気の配線もガラリと変わることになるため、天井に小さな空間を作って、そこに電気の配線を通していきます。

こうして、照明の差込口などもできてきますから、照明の位置も概ね自由がききます。

また、天井からプロジェクターを吊ったり、スピーカーを設置したいという場合も、先にご希望を言っていただければ、ケーブル類を全て隠すことができるということです。

天井プロジェクターの設置も可能

こうして、施工現場を見ると、普段目にすることができない部分も見ることができます。

建物の見えない部分について、少し知っていただくだけでも、あなたが理想とする住まいの可能性が広がるのではないでしょうか。

この記事が、理想となる住まいのイメージのヒントになれば嬉しいです。

ただいま、この様なところまで作業が進んでいますが、マンションの中の森の完成には、もう少し時間が必要そうです。

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