赤ちゃんがいるからホルムアルデヒドが心配【見えない裏側の話】

住まいと健康
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数々の店舗、住まい、文化財の新築・修繕のプランを行う。自由度が低く、制限があればあるほど建物のプランを考えるのが楽しくなってくるという習性がある。プランを考えている時間が至福の時間。

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赤ちゃんが生まれる、または生まれたことを機に身の回りの環境を考える方がたくさんいらっしゃいます。

特に赤ちゃんはデリケートですから、できることはベストを尽くしたいと思われて当然のことだと思います。

そこで、ここでは、よく質問を受けるホルムアルデヒドについてお伝えします。

  • ホルムアルデヒドとはどんなもので、どんな害があるのか?
  • ホルムアルデヒドはどんなものに含まれているのか?
  • 【見えない裏側の話】ホルムアルデヒド以外のものは?
  • 今からできる!害を軽減させる工夫

私は工務店で、空気がうまい家®︎(住まい・店舗)のプランをこれまでに数多く作成してきました。

これまでにも、アトピー・アレルギーなどの悩みを抱えた方やより健康的に過ごしたいから住まいにもこだわりたいという方の住まいのプランをしてきました。

もちろん、そうした方々の経年的な変化も実際に見てきています。

この様な経験を踏まえながら、建物以外の観点でもホルムアルデヒドについて解説していきます。

 

ホルムアルデヒドとはどんなものか?

以前は、学校の理科準備室にあった動物などの「ホルマリン漬け」。

簡単に言うと、ホルムアルデヒドは、あのホルマリンが気化したものです。

 

ホルムアルデヒドがもつ問題点は?

ホルムアルデヒドは、化合物で、毒性が強いために、建築基準法でも使用に規制が設けられているほどです。

具体的には、

  • 目・鼻・皮膚などに炎症が発生する
  • 液体の状態で触れた場合には、激しい痛みを感じ炎症が起きる
  • 発ガン性が強い など

 

実際に起きている問題は無数にありますが、そのうち2つを紹介します。

最近、中国製の服を購入した人たちから、「服がセメントくさい」「着たら肌がかぶれた」といった声が続出している。なかには、激しく肌がただれるという事案もある。

 シャツやパンツなどを着て汗をかくことで、布に含まれていた有害物質が溶け出して肌に害をもたらしていると考えられる。

https://biz-journal.jp/2015/09/post_11545.html より抜粋

 

また、多額の資金を投入して作られた議員会館も皮肉なことに「シック会館」と呼ばれる様な事態もありました。

 

こんな問題点があると言われながらも、ホルムアルデヒドが完全使用禁止にはならずに、現在(2020年)でも使われているのは、メリットも大きいためです。

 

ホルムアルデヒドが様々なところで使われる理由(メリット)

ホルムアルデヒドを使用するメリットは

  • 強い殺菌作用をもっている
  • 樹脂と反応させることで硬化する(形が維持できる)
  • 安い

 

特に、形が維持できるということは、素晴らしいことです。

衣類などの場合、シワが寄ったり、縮んだりしてしまうと実用性に問題が生じますが、この問題を避ける役割をホルムアルデヒドが担っています。

また、硬化する性質を利用して接着剤として使われたり、殺菌能力を活かして防腐剤としても幅広く利用されてきました。

さらに、具体物を挙げながらホルムアルデヒドが使われているものを紹介します。

 

ホルムアルデヒドが使われているのはカラーボックスなど

身の回りを見た時、殺菌能力を期待した使われ方よりも硬化能力を期待して利用されているものが圧倒的に多いです。

現在(2020年)もホームセンターに行くと、ホルムアルデヒドが含まれた接着剤もたくさん売られています。

ということは、上の写真の様なリビングの場合

  • テレビボード
  • カラーボックス
  • ダイニングテーブル
  • フローリング
  • ビニルクロス など

にホルムアルデヒドが含まれている可能性が十分にあるということです。

また、日常生活で使うもので言えば、

  • カーテン
  • ノーアイロン、形状記憶カッターシャツ
  • シーツ・布団カバー など

にもホルムアルデヒドが含まれている可能性が高いと言えます。

全ての商品にホルムアルデヒドが含まれているとは言えませんが、素材にこだわったものでない限り、含まれているものが多いのが現状です。

それでは、マズイんじゃない?

きっと、あなたもそんなことを感じたのではないでしょうか。

だからある程度、法で規制制限はされています。

どんな法で、どの程度制限されているのか解説します。

 

気休め程度に法で制限されているホルムアルデヒド

建物と乳幼児が利用する衣類については法で制限されています。

有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律

生後24ヶ月以下の乳幼児が使う布製品に規制がされています。

  • おしめ
  • おしめカバー
  • よだれ掛け
  • 下着
  • 寝衣
  • くつした
  • 寝具 など

が規制の対象になっています。

また、年齢に関係なく次の様な製品にも基準が設けられています。

  • 下着
  • 寝衣
  • 手袋
  • くつした
  • つけまつげ
  • くつしたどめに使用される接着剤 など

そのため、状況によっては商品を自主回収ということが行われます。

ライブドアニュースより

一見素晴らしい取り組みに見えますが、規制は一切検出されないようにしなさい!というものではなく、基準値以下にしなさいという点が課題です。

 

建築基準法

シックハウスが国民的な課題と言われるようになってから、建築基準法も改正され、現在は、ホルムアルデヒドの使用量に制限が架せられています。

簡単にいうと、

合板や施工する際に使用する接着剤などの建材から発散するホルムアルデヒドを計測し、数値に応じて使用量を制限する

というものです。

建材をホルムアルデヒドの発散量に応じて格付けし、一番発散量が少ないものをF☆☆☆☆(フォースター)と呼び、制限なく使用することができます。

ですから、最高ランクのF☆☆☆☆(フォースター)だから安心!という声も建設関係者から聞くこともありますが、全く問題の解決になっていません。

何が問題なのか、さらに詳しく解説します。

 

ホルムアルデヒドの濃度が薄ければ問題はない?

ホルムアルデヒドに限らず、様々な化学物質に関する資料を読んできました。

「人的影響が考えられない濃度」などという表現がありますが、それは、個別に該当のものと付き合った時の考え方です。

これまで紹介してきた通り、個別的にはホルムアルデヒドの濃度が薄いものでぐるりと囲まれている状態です。

例えるなら、

薄いウィスキーの水割りなら無制限に飲んでも酔わない

と言っているような状態です。

 

私の経験上の話になりますが、

アレルギー・花粉症・アトピー等で悩んだ方が、ホルムアルデヒドやその他の化学物質も分解する空気がうまい家®︎に宿泊したり、生活をすると100%の方が体がいい状態になったと言われます。

と、いうことはホルムアルデヒドの濃度に関わらず、ホルムアルデヒドは私たちになんらかの影響を与えていると言えそうです。

この問題は、もちろん住まいを変えると大きく改善することができますが、費用・時間・条件など様々なハードルがあるために、少しでも問題を軽減させる方法を紹介します。

 

すぐにできる!ホルムアルデヒドを軽減させる3つの方法

空気がうまい家

見出しに「すぐにできる!」と書きましたが、ホルムアルデヒドの性質上、やれることはすぐにできても、なかなか実感を伴う効果は得られないのが現状です。

それでも、少しでもいい環境で子育てをしたいという方は、週1回でも実践してみてください。

窓を大きくあけて換気をする

今は、24時間換気システムが義務付けられていますので、換気を意識する機会は少ないかもしれません。

ところが、換気システムでは空気が入れ替わりにくい部分が生じる場合もあります。

いずれにしても、時々、家中の窓を開けて空気を手動で入れ替えることは気持ちがいいものです。

 

買ってきた布製品はすぐに洗濯する

ホルムアルデヒドは、水に溶けやすい性質をもっているために、新しく購入してきた衣類は、すぐに洗濯するようにしましょう。

ホルムアルデヒドは、移染と言って他のものに吸着されやすい性質をもっています。

BBQをしたら、服が炭臭くなるのと似た状態です。

こうなる前に、サッサと洗濯することをオススメします。

 

カラーボックスなど小さな家具から良質のものに交換する

安い家具には、合板が使われています。

表面にも見栄えのための化粧板が貼られています。

ということは、ホルムアルデヒドやその他の化学物質が使用されています。

これらの家具を少しずつ、良質のものに変えていくことで、改善することができます。

実は家具にはホルムアルデヒドなどの化学物質を規制する法が定められていいません。そのため、家具が最も大きな影響を与えている可能性も考えられます。

無垢材(音響熟成®︎木材)で作った子ども用の机と椅子

私たちはこの様なものから、ベッド・ダイニングテーブルなども制作しておりますので、資料などご希望の方は、お問い合わせよりメッセージをください。

アマゾンなどで家具を調べてみましたが、低ホルムアルデヒドのものが多く、0の家具はそう多くはありませんでした。

 

気をつけたい改善方法

ホルムアルデヒドや化学物質が多い環境を改善するのに、

  • ベイクアウト(意図的に揮発させてしまう方法)
  • 空気清浄機
  • スプレー

などを利用する方法も考えられます。

ところが、私がこれまで関わったお客様の中には、これらの方法を試したけれども効果が感じられなかったために、空気がうまい家®︎にリフォーム・新築を決意したという方もたくさん見られました。

これらの3つについては、改めて記事を書こうと思いますが、例えば、空気清浄機で除去するにしても、部屋中からホルムアルデヒドは揮発していることも理解した上で利用することが大切です。

 

ベイクアウトについてはこちらの記事を参照してください。

ホルムアルデヒドの症状を軽減させるために【住まいベイクアウト】
シックハウス やアレルギー・アトピーの原因とも考えられるホルムアルデヒド。一般的な住まいには、その他たくさんの化学物質が使われていますが、それを追い出す方法としてベイクアウトという方法があります。その方法は有効なのか?実際の経験と資料をもとに解説しています。

 

本当は自然の力は偉大で、その力をお借りすることを大切にすると、多少の化学物質は綺麗に分解し、空気清浄機すら必要のない住まいを作ることができます。リンクにデーター等も掲載していますので、ご覧ください。

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私たちが施工している空気がうまい家の施工事例の一部をこちらで紹介しています。

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