わたしたちは、土・海・川などと共に生きてきました。
けれども、近年は、こうした「なじんできたもの」となかなか触れることができません。
「川の近くでは遊んではいけません!」
学校でもこんな注意が子どもたちにされています。
確かに、川や海での事故がありますから、そう言われるのも無理はありません。
そして、ずっと「なじんできたもの」と触れることができないとなると、
その代わりとなるようなものを求めるようになるのかもしれません。
近年、スマホが「なじんできたもの」の代わりの役割を
果たそうとしているように思います。
ただ、妊婦の方や小さい子どもがいらっしゃる方は、
と気にされる方も多くみられます。
確かに、スマホのライトや電磁波は自然とはかけ離れた印象があります。
これらは、人体、特にアレルギーやアトピーと深い関わりがあるのでしょうか。
スマホのライトや電磁波の大きな影響を受けている人もいる
わたしは、電磁波を感じて辛くなることは特にありません。
けれど、やはり新幹線や電車に長時間乗ると
大して何もしていないのに疲労を感じます。
それが電磁波によるものかは分かりませんが…
その一方で、電磁波の影響で辛いと言われる方もいらっしゃいます。
電磁波が身体に辛いと言っても、はぁ?電磁波が辛いなんて言ったら この世の中生きていけないじゃない…と言われたわ。
そうね、理解してもらうのは難しいね。理解してほしいけどそれが無理なら放っておいて。
嫌味のように電磁波きちゃうよ~なんて、やめて。— やよい姫 (@cathime0316) 2019年4月24日
また、スマホやPCのブルーライトが辛いとか疲労の原因かもしれない
と言われる方も多く見られます。
乱視もブルーライトの眼精疲労もほんとに辛いからメガネデビューかな...😇視力自信あったのに。。
— ゆかりちゃん (@10lily02) 2019年4月23日
現代、スマホやPCは、ほぼ必需品。
となると、なんとしてでも「なじまなければならない」のかもしれません。
もしかすると、
電磁波やブルーライトが辛いと言われる方は、
このなんとしてでも「なじまなければならない」ってことに対する疑問を
社会に投げかけてくれているのかもしれません。
電磁波やブルーライトがアトピーやアレルギーにも関係があった!
私の息子も大変お世話になったアトピー性皮膚炎の研究者であり、
アレルギーの臨床研究者でもある木俣肇(きまた・はじめ)先生は、
講演で次の様なことを言われていました。
- 大人の10人に1人 子どもの5人に1人がアトピー
- アレルギー反応を増強させる「ITストレス」
もちろん、アレルギーやアトピーの要因について、他の話もされていましたが、
ここでは「ITストレス」について、もう少し詳しくみていきましょう。
急激に普及したパソコン、携帯電話を使用することで受ける心身のストレスのこと
アトピー性皮膚炎の患者の方が、2時間パソコンを使うと…?
アトピー性皮膚炎の患者の方が、
2時間パソコンを使うとアレルギー反応が明らかに増強し、
テレビゲーム、携帯電話でも同じ反応が見られたそうです。
また、これらの結果に対して、
海外の反応は強かったけれども、国内は反応が弱かった
というのも大きな特徴だったようです。
詳しくは
「アトピー性皮膚炎における、携帯電話の電磁波によるアレルギー反応の増強」
に掲載されていますが、ここでは、簡単に実験結果を紹介します。
・アトピー性皮膚炎の方がコンピュータで難しい文章を入力すると…
アトピー性皮膚炎の方がコンピュータで、
法律・経済に関する文章を2時間タイプしてもらった後に採血すると、
杉花粉に対する膨疹反応が強くなった。
なお、健常人とアレルギー性鼻炎の人は、大きな変化が見られなかった。
・テレビゲームStreetFighterⅡを2時間プレイすると…
アトピー性皮膚炎の方がテレビゲームStreetFighterⅡを2時間プレイをしたのち、
採血をするとハウスダストに対する膨疹反応が強くなった。
・携帯電話の電波の影響はどうか?
健常人・アレルギー性鼻炎の人・アトピー性皮膚炎の人に
携帯電話を1時間首にかけた後に、ダニ抗原による膨疹反応を測定すると…
アトピー性皮膚炎の方は、ダニに対する膨疹反応が強くなった。
たった、1時間・2時間程度の調査でこの様な変化があったということは…
毎日、こうしたものに触れながら生きている私たちは、どんな影響を受けるのだろうか?
と考えさせられます。
だからと言って、こうした新しい道具を使うな!という話がしたい訳ではありません。
今、こうして記事を書いているのもコンピュータを用いています。
仕事の関係で
スマホ・携帯電話が手放せないという方もたくさんいらっしゃることでしょう。
だからこそ、
これまで人類が「なじんできたもの」に触れる時間を大切にする必要があると思うのです。
先人たちも、お正月の豪華な食事やお酒を楽しんだ後に、
身体を休ませるという意味で、七草粥を食べる文化を作ってきました。
お正月の特別な雰囲気が続き「なじんできたもの」が消えつつあるからこそ、
時には「七草粥」を食べるような時間を意識して作ることが必要なのかなぁと思います。
こんな話をしていると、香りの強い芹(セリ)が食べたくなってきました。
次回は、「頑張り続けるのは大変だから…」というテーマで、
「やわらかせなか」の著者山本たか子さんに
いつでも「なじんできたもの」に触れられる話を伺います。
〜頑張り続けるのは大変だから〜
アレルギー・アトピーをちゃんと考えるの