これまで、柱がむき出しだったところに、
ボードが貼られていくと一気に部屋らしい雰囲気になっていきます。
さらに、部屋の隅には、どんどん細い木の板のようなものが取り付けられていきます。
これは、巾木・幅木(はばき)というもので、空気がうまい家®︎に関わらず、ほとんどの家につけられているはずです。
あなたの部屋も、天井や床をみると、上の写真の様なものが取り付けられているのが分かると思います。
些細なことかもしれませんが、こうした事を知ると、やはり先人の知恵・工夫は凄いものだと感じられます。
長年、様々な方がよりよい住まいにしようと考えて来られた知恵を借りて、現代の住まいがあるということは忘れたくありません。
実は重要!巾木・幅木の3つの役割
巾木は身を削ってでも壁を守る役割を果たしている!
施工が終わり、通常の生活が始まる、掃除もされることでしょう。
掃除機は、隅々まで綺麗にしようと壁にコンコンと当てられます。
子どもがおもちゃを転がして遊ぶこともあるでしょう。
こうして見ると、壁と床の境目というのは、とても衝撃が多い場所なのです。
もし、巾木がなければ、掃除機などは壁に直接当たり、壁を痛めてしまうことになります。
ですから、巾木は、身を削ってでも壁をお守りしている…
そんな存在なのです。
壁と床、壁と天井の境目を綺麗に隠す
大工さんは、施工をする際に、壁と床にわずかな隙間を作ります。
これは、どんなものも僅かに膨張したり、収縮したりするために、少しの隙間を作って余裕をもたせているのです。
もちろん、そのままにしておくと見た目も悪くなってしまいます。
また、この僅かな隙間にゴミが溜まってしまうことも考えられます。
こうした問題を防ぐためにも、巾木は使われているのです。
空間の印象が大きく変わる
巾木が変わると空間のイメージも大きく変わります。
ですから、様々な色が塗装されたものや、プラスチック製のものなど種類は豊富です。
ただし、空気がうまい家では、室内の空気をよりよいものにするために、当然、塗装したものは用いません。
上の写真の様な巾木で施工を行っています。
こうして巾木は、どんどん取り付けられていきます。
大切な役割を果たす巾木は、現場では次の様にして取り付けられていきます。
- 巾木の必要な長さを計測する。
- 巾木を必要な長さにカットする。
- 巾木を所定の位置に取り付ける。
当たり前の工程なのですが、これがテンポよく行われる様子を見るのは気持ちがいいものです。
一連の流れはこちらの動画にしています。
これには注意!建築基準法にもちょっとした抜け道がある!
シックハウスが国民的な問題となった後に、建築基準法は改正されました。
いくつか改正のポイントはありますが、
化学物質(ホルムアルデヒド)の発散量が多い建材は使用量に制限を設けるという点も重要な改正のポイントです。
そして、ホルムアルデヒドの発散量がまずまず少ないものはF☆☆☆☆という肩書きをもらい、無制限に使用しても良いということになりました。
ところが、
という事になっています。
つまり、法では、巾木や腰板からどれだけ化学物質が発散していても問題にしないということになります。
この法律が、正しい・間違っている…いろいろ考えはあるかもしれませんが、次の様に理解していただけら嬉しいです。
改正された建築基準法の条件をクリアする事は当然のことであり、この基準をクリアしているから素晴らしい空気環境の住まいになる訳ではありません。
街を歩けば様々な飲食店が目につきます。
どの飲食店もきちんと法に準じて営業許可を得ているはずです。
それでも、料理の質・価格・サービスなどの質は当然まちまちです。
つまり、大切なのは、あなた自身がどんな住まいを求めるのか?を明確にして、目的に応じた住まいかどうかを、ご自身の目と身体で確かめることだと思います。