リビングに階段を設けても違和感のないスケルトン階段(ストリップ階段などとも言う)には、様々なメリットがありますが、デメリットではないか?と言われるのがスペースの問題。
というものです。
そこで、この様なスケルトン階段下のスペースが気になると方とは、次の様な話をしながら、最善の解決策を探っていく作業を行っています。
結 論
- 住まい全体の収納量を見る
- 半分オープンな形のひな壇式の階段も考慮に入れる
- スケルトン階段の良さを壊さない程度に造作家具を提案
スケルトン階段の下のスペースは本当に重要なのか?
そもそも、
ここを見る必要があります。
もちろん、スペースを有効に活用したいという想いは私も同じですが、有効活用ばかり考えてしまうと、ちょっとした高級感や気持ちの余裕の様なものが損なわれてしまいます。
私の場合、文化財などの修繕のプランや京都の有名店のプランも立ててきたために、「余白」の重要性も経験上強く感じています。
一見、無駄に見えるスペースがあるからこそ満足感が高くなる事例
日常生活の中でも、無駄なスペースがあるからこそ気持ちに余裕が感じられる場面は多々あります。
例えば、高級ブランドショップとディスカウントショップの雰囲気を見比べても一目瞭然です。
高級ブランドショップは店内の面積に対して、品数を少なくし、高級感を演出しています。
心理的には、これほどゆったりとした空間にあったものを自分が手に入れた…という満足感も大切にしたいために、店内は空間を贅沢に使います。
また、料理も同様なことが言えそうです。
写真のように大きな皿を使い、無駄を多く取り入れることで贅沢な気分を味わうことができます。
建築物でいうと「床の間」がこの感覚と近いかもしれません。
忙しい現代人からすると「床の間」は無用なスペースに見えるかもしれませんが、もし、あなたの自宅に床の間があり、そこに生き生きとした生け花が添えられていたらどうでしょう。
つまり、機能を重視しつつ、何もない空間を少し意図的に確保することも大切なのです。
住まい全体の収納量や暮らし方をトータルに見て判断
こちらのお住まいの場合、すでにお子様は大きく、あと数年もすればご夫婦だけの生活になるだろうということでした。
二階には大きなウォークインクローゼットもあり、荷物も多くを所有されていない方でしたので、敢えて何も置かない空間にすることにしました。
この階段下の空間に、大きめの生け花などを置く事で、少し贅沢な気分が味わるものです。
生活をトータルに見て、スペースに少し余裕があるのならば、詰め込み過ぎないのもいいでしょう。
では、オープンな感じの階段がいいけれども、収納場所も欲しいという場合について考えましょう。
スケルトン階段と一般的な階段の中間点・ひな壇階段を活用する
ひな壇階段というのは、両脇が壁に囲まれたような階段ではないけれども、階段の下はオープンになっていない形の階段のことを言います。
スケルトン階段ほど、光を通さないために、間取り・階段の位置は注意する必要がありますが、十分、オープンな雰囲気を出すことはできます。
上の写真では、小さな収納があるだけに見えますが、反対側から物が出し入れできるようにし、階段下のスペース活用しています。
また、こちらの住まいでもひな壇階段を使いました。
このひな壇階段下のスペースはかなり大きく、間取りで言えば、以下の部分になります。
家族構成・土地の広さなどの問題があり、スケルトン階段がいいけれども、階段下のスペースももったいない…という場合、ひな壇階段も一つの選択肢になるのではないでしょうか。
ただ、大きな壁が一つ追加になるイメージなので、間取りには注意が必要です。
スケルトン階段がいいけど階段下が無駄なスペースになるのは嫌!
何がなんでもスケルトン階段がいい!でも、スペースも活用したい…というのが、最も難しいことかもしれません。
ところが、造作家具を活用することで、目障りにならない程度にスケルトン階段下を活用することもできます。
造作家具で対応するために、階段下の活用は自由です。
とは言っても、階段下に多くを詰め込みすぎるとスケルトン階段の良さが損なわれてしまうので注意が必要です。
参考までに、一般的な住まいの階段下の活用の例を紹介します。
引用元:フリーダムな暮らし 引用日2020年8月31日
大容量収納とまではいきませんが、この程度であれば、スケルトン階段の良さを損なわず、スペースも有効に活用することができます。
今回は、スケルトン階段下のスペースについて考えをまとめてみました。
もちろん、スペースの有効活用はとても重要ですが、それらを考えるにしても、階段としての機能がしっかりと果たせるかどうか?という視点はとても重要です。
階段の良し悪しを見るには、踏み面・蹴上げがとても大切です。
後悔する前に!階段のデザインを見る視点【新築・リノベの事例】を読んで、踏み面・蹴上げについて理解して欲しいと思います。
また、小さいお子様・お年寄りになってから階段が心配…と言う方は、スケルトン階段は子どもがいると怖い?【後悔しないための知識】も参考になるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございます。