家を新築したり、リフォーム・リノベーションをしたりするとなると、どんな間取りがいいのか、あなたも真剣に考えることでしょう。
特に、一戸建ての場合は、階段をどこに設置するのかもとても重要なポイントになります。
また、最近、オシャレな住まいを紹介する雑誌などでは、リビングに階段があるものも多く見られるようになりました。
ですから、この機会にリビングに階段があるメリット・デメリットを紹介しましょう。
実際に、今プランを行っているお客様は、
リビングに階段がある風景に憧れるそうですが、デメリットも心配なようです。
同じ敷地内なら少しでも広々した空間で生活がしたい
交通の便がいい都会では、多くの人が集まるために土地が非常に高価になってしまいます。
「本当はもっと広い家がいいけれど、どうしても土地が…」
と言われるお客様はたくさんいらっしゃいます。
ですから、私たちは、限られたスペースの中であっても少しでも広々、快適に過ごせるプランを考えていきます。
実は、階段をリビングに設けるというのも、広々した空間を作るための工夫なのです。
よく見られる玄関に階段がある場合
この階段が多くなった背景は、誰かが来てもリビングが見られる心配がない。
ということです。
また、リビングと階段それぞれ独立していますから、リビングの冷暖房がしっかりと効くというメリットがあります。
ところが、幾つかのデメリットもあります。
- 階段を独立させているために、階段だけのための面積が必要となる。
- 子どもがいつ帰宅したのかさえ分かりにくい。
- 二階の声や気配を感じにくい。
子育て中の世代の方からすれば、これは大きなデメリットとなってしまいます。
リビングに階段がある場合
子どもが帰宅した場合にも、誰か来客があって二階に上がる場合には、必ずリビングを通過しなくてはいけません。
ただ、写真を見ても分かる通り、階段だけとして独立していないために、階段もリビングの一部かのように見せています。
その分、階段だけのスペースを設けなくてもよくなり、リビングをより大きくとることができるようになります。
反対にこの様なデメリットもあります。
- 空間が広々した印象を受けるが、エアコンなどを使用した際の光熱費が心配。
- 子どもの友達が遊びに来た際にもリビングが見られてしまう。
では、このデメリットを回避することはできないのでしょうか。
本当にリビングに階段があると光熱費は高くなるのだろうか?
リビングに階段を設けた場合、冬場の光熱費が特に気になるかもしれません。
1階と2階の境目は、階段があることによって曖昧になりますから、当然、暖房の効果が心配になります。
せっかく暖房を入れたのに、暖かい空気はどんどん2階へ上がり、2階の冷たい空気がどんどん降りてくる…。
確かにそういったデメリットはあるのですが、断熱性が高い家の場合だと、すぐに部屋が温まるので暖房はあまり使わないという方もたくさんいらっしゃいます。
また、空気がうまい家では、床には分厚い無垢材を貼っていますので、床暖房の施工すらすることはありません。
生きた無垢材は、しっかりと空気を含んでいるために、保温性が高いのです。
実際、断熱にこだわった家がいい!という方は、下の画像の中でエアコンを見つけたのちに、クリックして断熱に関する記事をお読みください。
(この部屋の広さに対して、あまりにも小さいエアコンが1台)
機能や見栄え、快適さより私が思う大切なこと
広さや見栄え、室内での快適さについて書いてきました。
どれもとても重要なことだと思います。
では、なぜ広さや見栄え、快適さが重要なのでしょうか。
もちろん、そこで暮らす家族が心地よく過ごすためです。
さらに言えば、あなたの身の周りの方々も心地よく過ごすためだと思っています。
時には「挨拶をしなさい!」と言い、言われることも大切
リビングに階段を設けることで、子どもの友達は二階の部屋へ上がるのにリビングを通過しなくてはいけません。
あなたが休日であれば、必ず顔を合わすことになります。
「こんにちは。お邪魔しまーす」
「………」
「あら、挨拶しなさい!」
こんな会話が生まれます。
遊びに来た子どもにとっては、少し口うるさい会話かもしれませんが、こうしたちょっとした会話を繰り返す中で、子ども達は大人の世界を知っていくのです。
あなたも、子どもの頃、友達のお父さんにカブトムシがたくさん集まる木を教わったり、友達のお母さんが試しに作ったおやつの味見をさせてもらったことがあるはずです。
こうした経験の繰り返しの中で、子どもたちは新しいことを見つけていくのではないでしょうか。
そして、自分のしたいことに自分で挑戦するようになっていく…。
これは、家族が心地よく過ごすために最も重要なことだと思っています。
そんな事まで、想像をしながらプランを練っていくと、機能ばかりに目を向けるのはもったいない気さえして来ます。
人は見られるからどんどん綺麗になるものです。
女性アナウンサーはどうして綺麗な人が多いのですか?
という質問にあるアナウンサーはこう答えていました。
確かに全国レベルの放送局のアナウンサーは綺麗だから採用されるということもありますが、地方のアナウンサーは、そうではありません。
1年目なんて多くの人に芋っぽいって言われて落ち込んだのですが、今キラキラに輝いている先輩方も1年目は誰もが芋っぽいと言われたそうです。
見られるという仕事をしているから、少しずつ意識が変わって、だんだん皆綺麗になって行かれるのです。
リビングも同じではないでしょうか。
リビングが見られるのが嫌だから見えない様にする…
これも間取りを考える上で必要な場合もありますが、そうしてしまうと、リビングが荒れてしまいます。
いつもリビングを綺麗に維持することは、一手間かかりますが、家族が集う場所ですから家族のみんなで綺麗を維持する。この考え方もまた重要だと思うのです。
間取りは施工をすれば、調整ができます。
けれど、住まいから生まれる住んでいる方々の習慣は、どんな住まいで生活するかによって大きく変わります。
私たちは、その習慣の部分までも見て空気がうまい家の施工プランを考えているのです。