2020年11月現在、京都市内で戸建住宅のフルリノベーションを行っています。
10月に解体を行い、完成が12月中旬の予定ですから、一般的なリノベーションと比較すると施工期間が長い印象をもたれるかもしれません。
もちろん、お客様のためにも早く仕上げたいのですが、どうしても時間がかかるものです。
今回は、どの様な作業を行っているのか、解体後の様子と比較しながら作業の内容を解説します。
特に注目して欲しいのは、
です。
京都市の戸建住宅フルリノベーションの様子
戸建住宅を解体をして、上の様な住まいにするリノベーションの作業中です。
フルリノベーションは、かなり大雑把に言うと次の工程で作業が進んでいきます。
- 解体作業(内壁・床・キッチン・バス・外壁などの撤去)
- 新しい間取りになる様に壁・新しいサッシなどを設置
- 電気・ガス・水道等の配管・配線
- 住設機器の設置
- 床材(音響熟成木材)を貼る
- 断熱材を入れてボードや腰板を貼る
- 造作家具を作る
- 幻の漆喰®︎を塗る
- 外壁塗装
現在は、解体直後はこの様な様子だったところが…
この様に変化した状態です。
作業としては、ボードや腰板を貼りながら、造作家具を作っているという状態です。
また、別の部屋は次のような状態になっています。
なんとなく、リノベーションはこんな風に進んでいくのか…と感じていただけたら嬉しいです。
解体直後の更に詳しい様子は、戸建て物件の解体後の様子【京都リノベーション完成までの道】で紹介しています。
無垢材の大きなメリット【現場をあなた自身が思い切り楽しめる】
施工をしていると、細い部分ですが、
と思う箇所が出てくるものです。
お客様自身が変更を希望されることもあれば、設計をしている私がこう思うこともあります。
また、大工がこの様にした方が綺麗に納まるのではないか?と言うこともあります。
私もこれまで数多くの建物の設計に関わってきましたが、そんな時に、やっぱり無垢材をメインに扱っていて良かったなぁ…と改めて実感します。
その理由は、こだわった住まいを建てたいというあなたにも参考になるはずです。
一般的な建材(新建材)は自由が効かないために変更が難しい
一般的な建材(新建材)は、木材の表面に化粧板と呼ばれているものが貼られています。
そのため、微調整のために材料をカットすることができません。
カットしてしまえば、切断面が表に出てしまい、化粧板のない部分が目立ってしまいます。
あなたが自分の家の施工現場を見て、ちょっとここだけ○○して欲しいなぁ…と言っても、業者がいい顔をしないというのはこの為です。
小さな変更であっても、また、変更後のサイズにあった材料を取り寄せないといけない…ということが起きてしまいます。
当然、新建材を扱う業者さんは、こうした問題が起きない様に、入念に設計を確認されるはずです。
ところが、空間ができあがるにつれて○○しておいた方が良かったなぁ…ということを経験された方も多いだろうなぁと思います。
ただし、新建材にもメリットはあります。
- カラーバリエーションが豊富
- 価格が無垢材よりも安価
私たちの場合は、見た目や価格の観点からではなく、せっかく新築したのに…、リノベーションをしたのに生活ができないという方に出会ってきたという理由で、新建材をほぼ使用しない住まいづくりをするようにしています。詳しくは、私たちについて【PROFILE】をご覧ください。
無垢材の場合、小さな変更は容易であり現場で検討することも
無垢材の場合、当然、どこを切り取っても表面が変になるということはありません。
もちろん、小さなお子さんがいる住まいであれば、角をしっかり落とそう…と思うこともあります。
こちらは、過去にリノベーションをした戸建の梁(キッチンの上部)ですが、この梁は構造上、どうしても外すことができませんでした。
何もせず表面に漆喰だけを塗って仕上げると、邪魔な存在に見えてしまうだけなので、写真の様に板を貼ることにしました。
ところが、ただ板を貼ると言っても、
- 物が載せられる程の板を貼るのか?
- 見た目だけを意識して板を貼るのか?
当然、板の大きさが変わってきます。
ところが、無垢材であれば自由自在に現場でカットすることができるので、イメージを写真にとってお客様に確認することも簡単にできます。
物が載せられる程の板を貼るつもりしていたけれども、幅を狭くして欲しい…と言われれば、その場でカットするだけですから、時間もかかりません。
みんなで作る住まいが楽しい家となり愛される家になる
一般的な建材(新建材)で作る住まいと無垢材で作る住まいの細かな作業の違いを紹介しました。
住まい全体から見れば、この様な部分はほんの小さなことかもしれませんが、ものの良し悪しと同時に、家づくりに関わる人全員の気持ちが反映されるという事も大切だと思います。
- 新しい住まいができるまでの過程を楽しむお客様
- 現場で様々なものを作る大工や職人の経験
- 設計に関わる私の想い
- 建材を作っているメーカーの人
当然、プラン設計の段階で入念な打ち合わせ・確認はしますが、見えない所も注意深く作るのが大工【リノベーション現場・京都市】でも紹介した通り、図面には表現しきれない部分がどうしても出てくるものです。
そんな細部を家づくりに関わる全員で考えを出していく…こうしてできた家だからこそ、愛着が湧くのではないでしょうか。
子どたちは、自分で野菜を育てると嫌いだった野菜も突然好きになるという事がよくあります。
家づくりもきっと同じだと思うのです。