住まいの収納のコツ2つと収納が教えてくれたこと

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北村美千代

数々の店舗、住まい、文化財の新築・修繕のプランを行う。自由度が低く、制限があればあるほど建物のプランを考えるのが楽しくなってくるという習性がある。プランを考えている時間が至福の時間。

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お客様の住まいの悩みを伺っていると、多い話題が「収納」。

  • 収納スペースが足りなくて困っている。
  • 収納があるけれども、うまく活用できていない。
  • 生活をしていくとついついものが増えていってしまう

こんな悩みをたくさんの方からお聞きします。

きっとあなたも、すっきりとした部屋で生活をしたいと望まれているのでしょう。

その証拠に、マンションも「収納」はアピールポイントになっています。

では、どうすれば、

無駄がなく、たっぷりと収納スペースが設けられ、綺麗が持続する

のか見ていきましょう。

ほんの小さなアイディアで、あなたの出費も大きく抑えることができ、ものが増えていくことを防ぐことも可能になります。

なによりスッキリ部屋で過ごすと気持ちが良いものです。

この気持ち良さを私は大切にしたいと思っていつもプランをしています。

 

住まいの収納のコツ2つ

マンションの広告やハウスメーカーの建売物件にしても、収納たっぷり!なんて言葉が目につきます。

ところが、なんでもかんでも収納を増やせばいいというものではありません。

当然のことですが、

収納をたっぷりと設けるプランを立てれば、その分居住スペースは狭くなります。

カリスマ的な収納の達人の方が設計に関わってくれたとしても、この事実は絶対に変えることはできません。

それでも、多くの方が収納に関心を寄せているのは、

スッキリと生活ができると気持ちがいいから

だと思っています。

そこで、気持ちよく生活するために自宅でもできる工夫を紹介します。

 

その1 色の数を抑えることができれば、すっきりして見えるもの

例えば、無印良品は商品に使う色の数を限定しています。

商品の種類はとても豊富ですが、用いる色の数がかなり限定されているために統一感が出るのです。

ところが、実際に生活をするとなると、使用する物の色を限定するのは難しいものです。

ですから、色が多数あるものは扉の中に入れる習慣をつけてみましょう。

それだけで、視覚的に随分すっきりしたら印象が生まれ、広々した印象も得ることができるのです。

  • オープンになっている棚にものを置く場合は色の数を抑える。
  • 様々なものがあり、どうしても色の数が多いものは、扉のある収納にいれる。

 

大きな収納があれば、来客時などに超便利!

近年ではウォークインクローゼットと呼ぶことが多いですが、

要するに物置の様なスペースがあれば、

いざ来客!という時に、そこに物を詰め込んでしまえば、何とか凌げます。

来客があることは嫌じゃないけれど、片付けが嫌なのよね。なんていう方には強い味方になります。

ただ、常にこの大きな収納に頼っていると、いずれは、ここも満タンになってしまいます。

 

その2 収納方法を考える間があるなら捨てることも考える

少し、厳しい表現になりましたが、上手な収納方法を考える時間があるなら、捨てるという選択肢も、忘れたくありません。

「ものを捨てるのは、勿体無い」とついつい思ってしまいますが、詰め詰めにものを収納すると、結局出し入れに時間がかかってしまう…ということはよくあります。

特に衣類が多いという方が多い印象です。

 

捨てるに捨てられない…と言う場合は

捨てる捨てないの判断を感情で行うのではなく、ルールを基準に判断する

ことを意識してみてください。

例えば

  • 一年以上使わなかったもの
  • 壊れているものは捨てる
  • デジタル化できるものは、デジタル化してから捨てる

ここは、機械の様に淡々と作業を進めるに限ります。

最初は、少し心が痛みますが、忘れてはいけないのが、すっきりとした生活は気持ちが良いということです。

捨てられないからと言って、ごちゃごちゃした部屋でイライラしながら生活をし続けることが幸せなのでしょうか。

(株)ハウス工房で施工されたお客様は、お引っ越しの際にかなり荷物を整理されて新居に移られますが、「捨てすぎた!」という声は聞いたことがありません。

私たちは、生活するのに十分過ぎるほどのものに恵まれているのです。

収納の本当の意味とは?

物を減らすことが大切だとお伝えしましたが、当然、物を0にするわけにはいきません。

収納スペースはとても大切だと考えています。

ところが、日本はとにかく土地の価格が高いですから、住まいをプランするなら1㎠も無駄な場所は作りたくありません。

だから、新築・リノベーションをするのであれば、施工をしながら収納を作って行く様に

します。

 

例えば、次の写真も素敵ですが、ちょっとした無駄なスペースが出来てしまっています。

ところが、新築やリノベーションをする時に合わせて、棚や収納を施工してしまえば、こういうことも可能になります。

また、空気がうまい住空間としてフルリノベーションをしたマンションは、こうしてテレビボードを作りましたので、一切の隙間がありません。

10年間使われてきた音響熟成木材で作られた椅子

施工の際に、こうした工夫を取り入れるだけで、次の様な問題を回避することができます。

  • 机を買ってきたけれど…微妙な隙間ができてしまった。
  • 無駄なスペースが嫌だから、サイズを考えて収納グッズの購入を考えたけれど、サイズがぴったりな物は色が気に入らない。
  • サイズも色もバッチリ!よっしゃ!と思ったけれども、予算が足りない…。

施工に限らず、何かを買う時に安さばかりを追い求めると、結局、なんとなく不満が残ってしまうものです。

そして早々とゴミになってしまう…。

それでは、結果として気持ち良い暮らしができないのではないでしょうか?

私たちは、住まいに関して、一切不満なく生活をして欲しいと考えていますから、こうした収納に関する問題も妥協することなく提案をしているのです。

 

少し黒く見えるかもしれませんが、上の写真の大きな椅子は10年間、お客様が使われてきた椅子です。

今でも大事に使われていることが、写真を通して伝わるといいなぁ…と思います。

 

こうして、収納と物の量、住まいの関係を見ると、

物が多くて困るというのはとても贅沢な悩みだと思います。
その反面、物を大切に使うという視点が薄れてきている様に感じます。
本当は、いいものを大切に使うと気持ちいい、ということも忘れたくありません。

私は、そんなことも家づくりをしながら伝えたいのです。

 

幾つかの収納をギャラリーにまとめました。

 

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