新築やリノベーションをされる方々の話を伺っていると、必ず「収納」の話題が出てきます。
特に、街中になると土地の価格は非常に高く、地域によってはもっと広い土地が欲しいけれどももう土地がない…ということもあります。
それほど、スペースには価値があるという事です。
そのため、私が住まいや店舗の設計をする時には、今後必要になる物の総量を確認しつつ、それよりも随分大きな容量が確保できるようにして提案をする様にしています。
ということも十分考えられますが、収納の仕方と生活とはかなり密接な関係があります。
どういうことか、実際に生活をされている方の様子も交えて解説します。
【前提】いつでもスッキリした生活を目指すなら、物の量＜収納量
空気がうまい家®︎
いつでも、部屋がスッキリとしていて気持ちがいいなぁ…という暮らしを目指すのであれば、収納に入る物の量より、物を多くしないことが大前提です。
この意識が薄れてしまうと、物が増えてしまったにも関わらず、便利な収納グッズを購入してなんとか対処しようとしてしまい、結局、
のダブルパンチを食らってしまう方もいらっしゃいます。
収納グッズは正しい使い方をすると非常に有効ですが、安易に利用すると物が増えるだけになってしまいますから、注意が必要です。
この様に理解して、古くなったもの、長く使っていないものを処分する様にしましょう。
ここまでは、当然の事の様に感じたかもしれませんが、この後は、あなたの時間を爆発的に増やすための収納の事例を紹介します。
収納スペースを上手に使って綺麗に収納できるのは大人！
大人は上手に収納スペースを活用できるが、子どもには難しい。
あなたの時間を大きく増やしたいのであれば、家事の一部をお子さんに任せていくことが必須です。
家事を子ども達が行えば、大人の心にも余裕が生まれる
例えば、
- お米を研ぐ
- 食器を片付ける
- 洗濯物を干し、取り入れて、片付ける
- 部屋に掃除機をかける（空気がうまい家®︎は箒の人が多い）
もし、あなたのお子さんが、これだけのことを日常的にやってくれたならどうでしょうか。
多分、体も楽になり、精神的にも余裕が生まれるはずです。
また、これらのスキルは、子ども達にとっても身に付けておきたいことのはずです。
子どもでも収納できるように収納に余裕をもたせる
私が一般的なご家族の住まいを設計する際には、収納容量を大きめにすると書きました。
スペースはとても価値あるものですが、だからと言って、収納スペースギリギリに物を詰め込むと出し入れが大変になります。
大人の場合、様々なことを考えて丁寧にものを片付けることができますが、子どもの場合はそうもいきません。
衣類などがその典型で、ぎゅうぎゅうに詰め込む様な風景をあなたも見たことがあるはずです。
そうなると、叱る材料が増えてしまいます。
ちゃんと服はたたんで綺麗にしまいなさい！
何度も言っているでしょ。
だって、綺麗にたたんだけれど、全然入らなかったから…。
では、どうすればいいのか？
こちらはもう10年以上生活をされていますが、衣類の管理はお子さんが小学校に入ってからは、ほとんど自分でされているそうです。
なぜ、自分でできるようになったのか？収納量と物の量とが関係しています。
生活をして10年以上経過・ご家族の衣類のほとんどがこの場所に集約されている（空気がうまい家®︎京都府宇治市）
ところが、
このくらい収納場所に余裕にあると、たたんだ服がぐちゃぐちゃになることはありません。
小学生のお子さんが自分で服をたたんで片付けている棚（空気がうまい家®︎京都府宇治市）
正面から見ても、子どもでも簡単に出し入れがしやすい程度の余裕があります。
子どもでも出し入れが苦にならない程度の余裕は必要
また、洗った食器を片付けておいて…とお願いしてもスペースに余裕がないと、子どもは無理やりスペースを作って置こうとしてしまいます。
でも、スペースに余裕があると綺麗に収まる様に置いてくれるものです。
手前の食器を置くスペースはかなり余裕がある（空気がうまい家®︎京都府・宇治市）
また、もう少し凝った造作家具として次の様なスタイルにすることもあります。
スタイルが変わっても日常的に使うものは余白がある状態で収納する
子どもが触れない物の収納は詰め込みでもOK
かと言って、全ての収納に余裕を持たせるとなると、相当なスペースが必要になります。
ですから、季節によって出し入れするもの
- 扇風機
- ファンヒーター・ストーブ
- 季節外れの服（衣替えで着ないと判断した服） など
は、通常大人が出し入れをするので、ある程度スペースに詰め込む形になっても問題ありません。
収納についても、この様に軽重をつけることが重要だということも考えながら、収納スペースについて提案をする様にしています。
住まいづくりは「住まいが人を育てる」という考え方を重視
近年は、住宅の表面的な性能が随分高くなってきた様に感じます。
これは、私たちにとっては、当然のことであり、敢えてアピールする程のことではないと思っています。
それよりも大切にしたいのは、優れた道具をどの様に使うのか？ どの様に付き合っていくのか？という視点だと思っています。
ですから、私たちが空気がうまい家®︎を施工した場合、床の木材や壁の漆喰などは家族の声をしっかりと聞いて、それぞれの家族のライフスタイルにあわせて変化していくことをお伝えしています。
本当の素晴らしい家づくりは、生活がスタートしてから始まるのです。
子ども達がのびのびと手伝いをし、あなたの時間が大きく増えるように、収納にある物を少し見直して、収納にも軽重をつけてみてはどうでしょうか。
私たちがどの様な住まいを作っているのか？住まいの基本的な考え方はこちらをご覧ください。