大人も学生の方からも
ということを聞くことが増えてきました。
私は、これまでに相当数の住まい・店舗のプランなどを考えてきましたが、その経験からも次のような事が言えます。
具体的には、
- 照明の色や強さ
- 室内の気温・湿度
- 室内の空気の質(二酸化炭素濃度) など
こんな些細なことでも、私たちの集中力に大きく影響することも様々な研究でも明らかになっています。
ここでは、これらについて詳しく解説すると同時に、仕事場として私たちが作っている「空気がうまい家®︎」を利用されている方の声も紹介します。
さらに、すぐに実践できる集中できる環境作りも紹介します。
なぜ、人は勉強や仕事に集中しにくいのか?
「集中できない」と悩まれる方もたくさんいますが、集中できないのは、人として当然のことです。
その理由を解説します。
人は生きていくために集中できないようになっている
性格や特徴は人それぞれですから、一概に〜だ!と決めることはできませんが、人は生きていくために集中できないように作られています。
狩猟によって生きてきた頃、美味しそうな獲物が目の前を走って行ったとします。
この時に、あまりにも必死になり過ぎていると、横から襲ってくる猛獣の存在に気づかなければ、命落とす可能性が高まってしまいます。
ゲームやスマホを触っているとき、集中しているじゃないか?
けれど、子どもも大人もゲームやスマホを触っている時は集中しているじゃないか?という声も挙がりそうです。
ゲームやスマホには、様々な機能が設けられていて、注意散漫な人がゲームやスマホ内の様々なところに注意が向くように設計されいます。
YouTubeも同じことが言えます。
動画を見ていても人は注意散漫なので、関連動画が気になってしまうのです。
結果として長時間YouTube内に滞在していることになっているのです。
スマホと集中力との関係については、次の記事も参考に!
仕事や勉強に集中できる部屋の作り方【部屋の環境】
仕事や勉強に集中しにくい…と言う時、あなたはどうしますか?
最近では、カフェなどで作業をされている方をたくさん見かけますが、それは効果的なのでしょうか。
一般的な人が感じている印象から紹介します。
一般的な人が感じる暮らしと集中力との関係
やはり、多くの人が部屋の環境と集中力とは深い関係にある…ということは直感的に感じているようです。
確かに物が散乱した部屋では、集中しにくいのもよくわかります。
さらに、近年の研究をもとに集中と環境との関係を見ていきましょう。
空気環境と仕事の生産性を追求した調査・研究から
環境と仕事や勉強効率を調べる調査は様々な行われています。
ここでは、
- 気温(室内温度)
- 湿度
- 二酸化炭素濃度
- 照明
について調査・研究の結果を紹介します。
室内温度と仕事の生産性(集中力)
2005年、コーネル大学のAlan Hedge教授、Wafa Sakr教授らが、保険会社でパソコンを使って働く女性を対象とした面白い調査を行っています。
室温と生産性との関係を15分毎・16日間連続で調査しました。
その結果は?
室温を20度から25度に上げることで、
- 従業員のタイピングミスが44%減少
- タイプする文字量も150%増加した
たった室温を5度高くするだけで、仕事の生産性はかなり向上しています。
150%の増加ということは、仕事量が2.5倍になったということです。
他の調査の結果からも、
ことが分かっています。
湿度と仕事の生産性
早稲田大学理工学総合研究センターの堤仁美氏の実験は、かなり細部にまでこだわった実験です。
まとめられたもの「低湿度環境が在室者の快適性・知的生産性に与える影響に関する研究」は膨大な量がありますが、かなり興味深いものでした。
仕事の生産性を調べるタスクは、二桁の数字を入力する作業と、ストーリー性のある日本語の文章で行われています。
この研究から分かることはたくさんありますが、以下の2点を挙げておきます。
- 湿度が35%以下になると、乾燥による不快感を感じる
- 湿度が70%を超えてくると疲労感を感じやすくなる
- 湿度だけではなく、壁などが放出される化学物質(VOC)の濃度によって作業効率は変化する
ということです。
まだまだ他にもこの調査から見えてきたことがありますので、それらは後日、別記事を書こうと思います。
勉強や仕事に集中したい時は、およそ
このくらいの室内環境が良いということになります。
二酸化炭素濃度は低い方が集中しやすそう
二酸化炭素濃度と集中との関係は、あなたも体験的に十分理解しているはず。
冬、暖房をつけた教室を締め切っていると、室温とともに二酸化炭素濃度も上昇していきます。
そして、なんだかボーッとするなぁ…と感じる。
実は、この状況に対しても、調査が行われていてどのくらい集中・生産性に影響があるのか、ある程度明らかになっています。
室内環境・生体情報による複数のセンサを用いた非接触集中度推定測定システムの研究は、まばたきによって集中力を見るというのが基本的な考え方です。
それに基づいて、集中度を見ると、
照明と勉強の集中力との関係
リラックスする時の照明と集中したい時に使う照明は変えた方が良いという話を何度か聞いたことがあると思います。
最近では、リビングで学習をした方がいいという風潮も強くなったことも踏まえて、リビング学習の適正な環境に関する研究−照明による環境設定の試み−という研究が行われています。
面白いのは、スポットライトの有効性まで検証された点です。
結論だけまとめると次のようになります。
- 照明は、高色温度・高照度のものが最も学習に対して効果が高い。
- スポットライトに適応させるとさらに集中力を高めることができる。
難しい用語が出てきましたので、解説します。
人類はもともと真昼間に活動をし、生きてきた動物ですから、色温度が高い方が集中しやすのも十分納得できます。
集中しやすい部屋の環境のまとめ
ここまでの結果をまとめると、
ということになります。
ただ、住まいを作るという視点で見ると、リラックスする場所というのも必要なので、私がプランを立てる場合には、この様な話をもとに、リラックス・集中のバランスも考えるようにしています。
と同時に
私たちはちょっとした温度変化や湿度光さえにも敏感に察知することができ、影響を大きく受ける生き物であるということです。
さらに、この様な人の性質をもとに設計されたファーストフード店の秘密もあわせて参考にしてみてください。
簡単にできる!集中できる部屋作りの方法3選+1つ
大きな費用をかけずに、より集中できるような部屋にする方法3つを紹介します。
空調を適度に利用する
最近は、エコの風潮が高まり、エアコンを入れない、設定温度をかなり高い状態にする家や会社が多くなりました。
この様な取り組みの大切ですが、集中して何かをやらないといけない場面では、空調の力を借りてでも、快適な環境を作った方が効率的です。
エアコンもこまめにオンオフをするとかえって多くの電気を消費してしまいます。
30分程度、一旦エアコンを止めるなどといった使い方は消費電力が大きくなってしまいます。
一見、贅沢に感じるかもしれませんが、一度エアコンをいれるとしばらくの間は、自動運転モードを使って、快適な室温・湿度にすることをオススメします。
照明を意識する
先ほど紹介した研究で、色温度が高く、高照度の方が集中できるとお伝えしました。
ところが、リビングなどリラックスする場所は、敢えて色温度が低い照明が使われていることが多く、集中するには適しません。
ところが、簡易的な電気スタンドを購入することで、リビングも集中しやすい光の場所に変わります。
数千円の出費が必要になりますが、短時間、集中して何かに取り組めるようになることの方が大切です。
観葉植物を置く
室内に一切自然がない機能的な部屋だと人はストレスを感じるものです。
現代の多くの住まいは、この様な住まいがほとんどですが、そこに観葉植物を置くだけでもストレス緩和の効果があることが分かっています。
もし、部屋は綺麗だけれど、無機質だなぁと感じたら小さな観葉植物でもいいので、室内に置くようにしてみましょう。
+α 空気がうまい家®︎に遊びに行ってみる
室内の空気環境の大切さや自然の力強さなどは、とても言葉では表現しきれません。
また、質のいい空気を作っているのは、自然であるということを一度体感すると、山や海・川の見方も大きく変化すると思っています。
もちろん、集中しやすい環境なのかどうか…それもあなた自身の身体で確かめるというものいいと思います。
全国、様々な地域で空気がうまい家®︎を体感することができます。
里帰りするような感覚で気楽に体感するのも一つの経験だと思います。