赤ちゃんもいるからホルムアルデヒドやアレルギーのことが心配なんです。

住まいと健康
北村美千代

数々の店舗、住まい、文化財の新築・修繕のプランを行う。自由度が低く、制限があればあるほど建物のプランを考えるのが楽しくなってくるという習性がある。プランを考えている時間が至福の時間。

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住まいを新しくしよう!と考える機会は、様々考えられますが、結婚や出産を機に…という方が多いように感じます。

先日も、小さなお子さんを連れられたご家族が、住まいの相談にいらっしゃいました。

詳しいことはよく分からないのですが、家が原因でアレルギーが酷くなったり、体調が悪くなったりするのでしょうか。ホルムアルデヒドって言葉くらいは聞いたことがありますが、よく分かりません。

我が家には小さな子どもがいますから、とにかく安心して住める住まいが欲しいんです。

この様なことを言われていました。

果たして、住まいは私たちの体調に影響を与えるのでしょうか。

 

建物や住まいは本当に私たちの体調に影響を与えているのでしょうか。

あなたが旅行に出かけ、山村の素敵なログハウスに宿泊するとどんな気分でしょうか。

きっと、同じ山村でもビジネスホテルに宿泊する時とは全く異なった気分を味わうことができるはずです。

こうして、直感的に建物と私たちの感情の関係に目を向けると、建物や住まいは私たちの気持ちに大きな影響を与えていることが分かります。

では、それは感情だけなのでしょうか。

実際は、体調についても様々な変化が起きるのです。

 

シックハウス症候群

近年では、この言葉を耳にする機会は減りましたが、一時は社会的に大きな問題となりました。

原因は、施工の際に使用される化学物質です。

  • クロスを貼る際に使用される接着材
  • 合板などに含まれている接着材
  • 着色などに使われている塗料

このようなものが、ふんだんに使われ、揮発し、体内へと入っていくために体調の変化が起きるのです。

よく耳にするのが、新築の家に行くと「目がチカチカする・鼻水が止まらない・頭痛がする」といった言葉です。

あなたが敏感ではなくても、この様な言葉を聞かれたことは一度はあるのではないでしょうか。

「新築の臭い」という言葉がありますが、正しくは「施工のために使用された化学物質の臭い」なのです。

せっかく多額の資金を投入して作られた議員会館も皮肉なことに「シック会館」と呼ばれる様な事態もありました。

画像クリックでPDFファイルが開きます。

 

ダニ・カビアレルギー

今は、ダニやカビアレルギーの子どももどんどん増加しています。

ダニやカビは、布団やカーペットなど適当な温度・湿度があればどんどん増えていきます。

特に梅雨や夏は湿度が高いために、ダニやカビがどんどん増殖していきます。

ですから、室内の換気をこまめに行うことが重要になりますが、問題はさらに深いところにある様に思います。

ダニやカビもそもそも自然に存在するものであり、私たちは彼らとともに生きてきたにも関わらず、どうしてアレルギー反応を示してしまうのだろうか、という点です。

様々な説がありますが、高機密な住まいで生活し、あまりにも綺麗なところで生活をしたために、ダニやカビを体にとってよくないものと勘違いする様になったという考え方もあります。

 

こうして見ると、心身ともに、私たちは住まいから大きな影響を受けていることが分かります。

こちらの記事では化学物質の揮発が分かる実験をしています。

シックハウス対策には換気が重要と言われる理由を目で見てみよう。
シックハウスの原因は揮発する化学物質だと言われますが、どうもピンとこない。ですから、実際に目に見える形で揮発させてみました。真夏だと言うのに、揮発のパワーで面白いものができました。

問題があるからこそ国は対策を考えて、法律も定め施行しています。

特に先に紹介したシックハウスは社会的な大きな問題となりました。

ですから、国は新たに「建築基準法に基づくシックハウス対策」として法の改正を行いました。

大きな改正点は、3点。

クロルピリホスの使用禁止

これは、木材の防腐・防蟻を目的として使用されてきたものです。

クロルピリホスが原因で、めまい・吐き気・頭痛を起こすと言われ、クロルピリホスが使用された木材の使用が禁止となりました。

ホルムアルデヒドの使用制限

合板などが作られる際に使用さる接着剤に含まれるもので、シックハウスの原因の代表格。目や鼻に刺激を与えることで知られています。

ところが、ホルムアルデヒドについては、使用禁止ではなく、使用制限という措置がとられました。

合板から揮発するホルムアルデヒドの発散量を測定し、発散量が少ないものから、格付けを行い使用制限が加えられました。

F☆☆☆☆使用制限なし発散量が最も少ない
F☆☆☆☆使用制限あり発散量が少ない
F☆☆☆☆使用制限あり発散量が多い
無等級使用制限あり発散量が最も多い

常時換気できる設備の設置の義務化

ハウスメーカーや工務店によって呼び方は異なりますが、一般に24時間換気システムと言われることが多い様に思います。

いくら最高ランクのF☆☆☆☆で施工しても、家具などにはこうした制限がないのが実際のところです。そうなると、室内にはどうしてもホルムアルデヒドが蔓延することになる上、近年の住まいは高気密なために逃げ場がありません。その結果、室内にホルムルデヒドをはじめ、様々な化学物質が蔓延してしまうために、常時換気する設備を設置することが義務付けられたのです。

 

ところが、法律を定めても問題の解決には至っていません。

では、こうした対策が行われて、シックハウスで苦しむ人は減ってきたでしょうか。

また、アレルギーやアトピーに苦しむ人は減ったと印象をあなたは受けるでしょうか。

実は、まだまだ問題は根深いものがあります。

F☆☆☆☆の取得方法が結構雑な感じ

床材やカーテンなどを取り扱っているメーカーTOLIによると、F☆☆☆☆を取得するには3つの方法があるそうです。

ここでは詳しく触れませんが、

試験品目と試験受入がつり合わない為、国は各工業会がF☆☆☆☆を発行することを認めた。

と書かれています。

要するに国だけの機関ではチェックが追いつかないから団体にも認可を任せたということです。

ということは、それぞれに厳しい検査を受けて市場に出ていくという訳ではなさそうです。

詳しくは、TOLIの建築基準法改正の取り組みをご覧ください。

 

ホルムアルデヒド以外の化学物質はどうなった?

ここまで読んでくれたあなたは、ホルムルデヒドについては何らかの策が講じられていることはよくわかったと思います。

ところが、合板やクロスなどに使われている化学物質はホルムアルデヒドだけではありません。

いくらホルムアルデヒドが規制されたと言っても、他の化学物質は何の制限もありません。

ということは、F☆☆☆☆だから化学物質が使われいる量が少ないという訳ではありません。

むしろ化学物質の使用量が増えている場合もあるとさえ考えられます。

合板やクロスに用いられている化学物質の一部を挙げると…

  • リン酸トリブチル(クロスを燃えにくくする)
  • オルトフェニフェノール(カビを抑える)
  • フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(塩化ビニルを柔らかくする)

 

家具類・電化製品などには一切の規制がない。

住まいそのものには、これまで見てきた様な制限が少なくとも設けられていましたが、家具類などには一切の制限がありません。

例えば、三段カラーボックスは安価でよく知られていますが、見てもわかる通り、オガクズが固められて1枚の板になっています。

つまり、たくさんの接着剤が用いられており、これを室内に持ち込むと化学物質が室内に広がっていきます。

その証拠に、ホームセンターに行くと新築の臭いがします。

いくら空気環境に配慮して住まいを建設したにしても、たくさんの安い家具を持ち込むと空気環境にまで配慮した住まいを準備した意味がなくなってしまうのです。

 

では、私たち何をしたらいいのでしょう。

空気がうまい家 株式会社 建友倶楽部

こうしたことを考えていくと、そんなことまで考えていたらその方が返ってストレスになるじゃないか?という風に考える方もいらっしゃいます。

ところが、重要なのはなぜその様な建物や家具が増えてきたのか?ということを考えることです。

答えは簡単なことです。

大衆が安くて・見栄えが良いというものを求めたために、この様な問題を抱えることになったのです。

食品を見ても同じ現象が起きていました。

安くて・美味しくて・空腹が満たされるものを多くの人が求めたために、冷凍食品やインスタント食品が普及したのです。

近年に入り、食事の質を見直そうとする風潮も少し強まり、少しずつ改善に向かっている様に感じますが、道のりはまだまだ長い様にも感じます。

 

私たちは、空気がうまい家®というものを知ってもらうと同時に、表面的なものの見方だけではなく、自然の成り立ちや、歴史などを存分に知って欲しいと願っているのです。

たくさんの方が住まいも生き物かの様に可愛がるのが当然という文化が出来上がっていった時、アレルギーやアトピーに苦しむ子ども達も激減し、花粉症という言葉も死語になっているじゃないかなぁ…なんてことを思いながら、発信をしているのです。

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