高気密高断熱住宅は心地いい?【心地良さは機械で作れない理由】

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九谷田 義之

不動産・施工に関するお金に詳しい人。同じ費用をかけるなら本当に重要なところに費用をかければいい。削減できるところは削減も惜しまない。なぜかお客様の子どもに愛される。

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居心地のいい住まいで生活をしたい!という願いは誰でも同じです。

それを実現しようと、様々なハウスメーカー・住設機器メーカー・工務店などは日々研究・工夫を行っています。

その成果として、

  • 高気密高断熱住宅(全館空調の住まい)
  • スマートホーム(遠隔でエアコンなどが操作できる住まい)

などが、誕生しましたが、

本当に最新の技術の住まいは居心地がいいのだろうか?

と感覚的に疑問を感じる人も多いのが現状です。

よく論文などを読んでいると、

高気密高断熱の住宅は息苦しい…と感じるのは誤解や先入観の問題であって、換気システムがあり、1日に何度も部屋全体の空気が入れ替わるために息苦しさは考えられない。

という内容が書かれていますが、人の感性は、理論・数値だけでは説明できない部分もたくさんあります。

そこで、今回は

心や体の奥底から心地良いと感じるものはどうしても機械では作れない

という話をします。

この話をすると「心地よさにこだわり過ぎ!」などと言われることもありますが、社会全体も建築業界の流れを見てもますます機械的になるだろう…と感じているので、より心地いい暮らしをしたい方は参考にしてください。

新築やリノベーションなどをしなくても、話の内容を理解していただけると心地いい暮らしに今日からでも近付けることができます。
 

薪ストーブの炎をじっと眺める人が多い理由

寒い季節に薪ストーブのあるお宅にお邪魔するとなんとも言えない気分になります。

暖かいから良い…のは言うまでもありませんが、ゆっくりと薪が燃えて行く様子、炎を眺めるものは楽しいものです。

炎を眺めるのが嫌だ!という人に私はこれまで出会ったことはありません。

では、なぜ人はただ静かに燃える炎を見るのが好きなでしょうか。

 

それは、

人にも「ゆらぎ」があり、炎など自然界のものにも「ゆらぎ」があるから

です。

「ゆらぎ」とは何か? 学術的に話を進めると難しくなるので、極めて簡単に表現すると

「ゆらぎ」=「波長」と「変化のリズム」

という感覚で捉えてもらえればOKです。

日常会話で「あの人とは何だか波長があうなぁ」というのと同じです。

 

もう少し、炎を細く見てみると…

  • 炎の色・光の強さが刻々と変化している
  • 炎の形が変化している
  • 熱さ(温度)が変化している

していることが分かります。

ところが不思議なことに、

  • 炎は変化しているけれども、その変化はある一定の範囲内に留まっている
  • 変化のリズムも不規則であるが、ある一定の範囲内に留まっている

イメージで表現すると次のようになります。

変化はある範囲内に収まり、周期があるようでないイメージの波

変化はある範囲内に収まり、周期があるようでないイメージの波

 

例えば、現在田舎に住んでいる方は、もう少し都会の方がいいなぁ…と感じたことがあるはずです。

でも実際に大都会に引っ越しをして生活を始めるには、躊躇することもあるでしょう。

かと言って、今のままの生活で大満足だ!という方もほとんどいないでしょう。

つまり、

人は変化を常に求めるが、大きな変化ではなく、ある程度の範囲内がいい

という「ゆらぎ」があるわけです。

さらに、ある程度規則的ではあるが、ランダムである事例を紹介します。

 

工業化製品として作られた陶器と手作りの陶器

陶芸の練習を始められたばかりの方に話を伺うと、もっと綺麗な円形にすることができたらいいのに…と言われることがあります。

では、数学的に美しい円形の陶器は美しく、しみじみといいなぁ…と感じるかと言えばそうでもなさそうです。

左側の方が、陶器の表面も綺麗で、円の形もとても綺麗です。

一方、右側はなんとなく歪みがあり、表面もツルッとしていません。

でもその歪みはある程度の範囲に収まっているという「ゆらぎ」があります。

どちらが良いか?ということは、好みもあるので一概に決めることができませんが、右側の方が圧倒的に味わい深いと感じる人が多いでしょう。

完璧ではない自分自身と陶器の特徴が重なる(波長があう)部分があり、手作りの陶器は様々な見方もできるために、なんともいえない安らぎの様なものを感じるのでしょう。

 

「ゆらぎ」の様なものを意図的に機械的に作るとどうだろう?

最近の研究で「ゆらぎ」があると心地よさを感じるということが分かってきています。

当然、様々なジャンルで、「ゆらぎ」を意図的に作り活用できないか?という試みがされています。

簡単な一例が、リラックスできるせせらぎの音・映像です。

確かに、この音を聞いて、いいなぁ…と感じたかもしれませんが、実際に山の中に行き、せせらぎの音を聞くのとでは、雲泥の差があります。

いくつかの要素を取り出しただけでは、深い心地よさは得られない

ということです。

 

ドラムを叩くことが上手な人は、メトロノームがなくても安定的にリズムを刻むことができると言われています。

それなら、PCでドラムパターンを作成し、曲に使えばいいのでは?という事になりますが、音楽に詳しい人でなくても、人が叩いたドラムのリズムか、PCのリズムか聞いた瞬間に判断できるはずです。

これが瞬時に判断できるのも、あなたにも「ゆらぎ」があり、生きているものが作り出すものには「ゆらぎ」があるためです。

反対に「ゆらぎが無い」となると、確かにいいものはいいけれども…という説明のつかない違和感の様なものを感じることが多々あります。

 

素晴らしい設備が整えば、居心地のいい住まいになるか?

特別な最新技術は使わず、生きた木と漆喰で作る空気がうまい家®︎

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こうして、「生きているもの」を見ると、今の技術では、どうしても数値化できないことがたくさんあります。

その一方で、建築に関する技術はどんどん向上し分析的に見る機会も増えてきました。

  • 高気密高断熱の住まい
  • 床暖房の住まい
  • 全館空調システム
  • スマートホーム

どれも素晴らしい技術ですが、これらの技術を踏んだんに搭載した住まいにし、広々したリビングがあり、たっぷりと収納できるスペースがあれば、理想的な住まいになり、居心地のいい住まいになるでしょうか。

 

住まいづくりを検討されている方は、予算のことを一切抜きにして、欲しいなぁ…と思うものを詰め込んだ住まいを一度想像してみてください。

【育児と住まいの環境】自律神経を鍛え元気な子どもに育てるでは、子育てにフォーカス住環境について考えています。

【育児と住まいの環境】自律神経を鍛え元気な子どもに育てる
子育てをするのにどの様な住環境がいいのか?と質問をいただくことがあります。その時に、自律神経の発達と視点から住まいを見るとたくさん気づかされることがあります。その上でどの様な住まいづくりの考え方をしたらいいのか解説しました。

 

京都迎賓館の庭を作った佐野氏の言葉

京都迎賓館

京都迎賓館

最後に、京都迎賓館の庭を作った佐野藤右衛門(植藤造園)氏の言葉を紹介します。

全国各地の桜を守る活動もされている佐野氏は、


挿し木でどんどん増えていくソメイヨシノはどうも面白くない。

みんなクローンのようだ。

反対に山を歩いていてこんな所に桜があったのか…と感じるヤマザクラなどはいろいろな形があって面白い。


と言われています。

「ゆらぎ」の観点から見ると、ヤマザクラは厳しい環境に耐えて、自分独自の世界観があるために魅了されるのではないかと感じました。

そして、住まいづくりに関わる私たちにとって、厳しい言葉も投げかけられています。

本質を忘れ、うわべばかり取り繕うそれをしてる間は、日本は駄目や

 

これからも様々な機能が搭載された住まいは増えていくことでしょう。

けれど、そこで暮らすご家族は、自然の一部である「人」ということを忘れたくないのと同時に、あなたも、生きているからこそ感じる「なんとなく」を大切にして欲しいと思います。

 

【低周波音と高気密住宅と健康】森の中で音が静かになる理由では、高気密高断熱住宅と音と健康について解説しています。

高気密高断熱住宅に違和感を感じる別の理由の一つが明確になるはずです。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

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