コロナをきっかけに、私たちの暮らし方は大きく変化しました。
また、ハウスメーカーも住設機器メーカーをコロナを機に大きく仕様が変更されたものもあります。
基本的には、ウィルスを妨げる・除去するという考え方がより全面に打ち出された印象を受けます。
実際にどの様な変更があったのか、詳しくは健康的な生活を送るために知っておきたい人の力【生活習慣を考えるヒント】で紹介しています。
ところが、人類の歴史を遡っても、現代の私たちの暮らしをみても、「妨げる」「除去」するという発想に疑問を感じる人も多いでしょう。
おたふく風邪は、おたふく風邪になるから免疫ができるんでしょ。
そう考えたら、何でも除去するのがいいとは思えないの。
この辺りは、とても難しい問題なので、公衆衛生学の教授(烏帽子田 彰名誉教授)の話を交えながら、今一度考えてみたいと思います。
ということです。
これが、どういうことなのか詳しく解説します。
海外旅行でも分かる!人は環境に応じた身体になっている
海外旅行の経験がある、ないに関わらずこんな話を聞いたことがあると思います。
日本の水道水は、まだまだ様々な問題があるとはいえ、世界レベルで見ると、非常に質の高い水です。
十分に濾過され、塩素によって消毒までされた水と共に生きてきたましたから、この水に対応した身体になっています。
ところが、海外に行くと大抵、日本の水道水とは性質の違った水になるために、身体が上手に対応できないという状態が起きます。
さらに、インドでは、ガンジス川に小さな子からお年寄りまで沐浴すると言われています。
歴史的にも有名な川ですが、残念ながら川の水は非常に汚く、日本の私たちが入ると湿疹ができる・下痢をするなどなんらかのトラブルはおきると言われています。
それでも、インドの人がガンジス川で沐浴する理由は、宗教的な側面と健康的な側面があると言われています。
- (宗教的)自分のもっている罪を川で洗い流す
- (健康的)衛生的ではない川に入ることによって丈夫な身体を手に入れる
古くからこの様な考え方があり、現在も多くの人がガンジス川で沐浴をするそうで、沐浴場もあるとのことです。
ほんの一例ですが、この様な話からも
ということが分かります。
だからと言って、敢えて不衛生極まりない生活をしよう!という訳ではありません。
こうした人としての基本的な性質を念頭に起きながら、これらかの暮らしを考えることが大切だということです。
公衆衛生学の教授によると人はウィルスと共に生きてきた!
歴史的にウィルスの誕生を調べると、様々な説がありますが、いずれも「数万年以上前」からあると言われています。
公衆衛生学の教授(烏帽子田 彰名誉教授)は、対談で次の様なことを言われています。
最近の研究で、ヒトの遺伝子の40%近くはウィルスからきたと判ったのですが、今後もヒトとウィルスは、「攻めぎあい」と「ほどほどの緊張関係」を保ちながら共存し、未来に向かうと思われます。
SAIN 公衆衛生学の専門家に聞くより抜粋
これまでの、ウィルスとヒトの関係を見ても、つかず・離れずの関係が感じられるはずです。
また、あるウィルスを人類は克服した!となっても数年後には、また新たなウィルスに出会うということは、確かに繰り返されてきました。
ウィルスもまた、環境に応じて適宜変化していることが分かります。
また、近年の環境の変化に伴い、虫もどんどん強くなってきています。
詳しくは、ヒアリの特徴は進化!ヒアリの日本上陸から私たちが学ぶべきことも参考にしてください。
こうした変化を踏まえると、問題点を除去することも大切ですが、自分自身が強くなるということも大切です。
さらに、公衆衛生学の教授(烏帽子田 彰名誉教授)は、興味深い話をされています。
免疫力を高める為の意外な盲点が「住環境」
当然ですが、免疫力は高い方がいいです。
では、どうすれば免疫力が高まるのか、公衆衛生学の教授(烏帽子田 彰名誉教授)をまとめます。
- 適度な運動をして血行をよくする
- カルシウム・マグネシウム・鉄・ビタミンなどを摂取することを心がける
ここまでは、一般的ですが…
意外や意外な盲点が「住環境」です。
SAIN 公衆衛生学の専門家に聞くより抜粋
と言われています。
どういうことかと言うと、
ということです。
新建材とは?新建材を使った住空間で体温が下がる。
烏帽子田彰名誉教授は、さらにこう言われています。
サーモグラフィーを使った実験を行ったことがあるのですが、新建材を使った住空間は人の体温を下げてしまいます。体温が下がると、免疫力も落ちてしまいます。また、室内の「乾燥」にも注意が必要です。
SAIN 公衆衛生学の専門家に聞くより抜粋
あなたもなんとなく、そう感じるのではないでしょうか。
実際に行われた調査で子ども達の熱の平均値を出しても年々低下していることが分かります。
1935年 | 37.2 |
1960年 | 37.1 |
1980年 | 36.3 |
1995年 | 36.2 |
という結果になっています。
要因は、新建材だけではありませんが、建材も一つの要因になっているのではないかと私は考えています。
また、年中を通して室温が一定に近い環境も影響しているのではないかと推測しています。
詳しくは、新築やリノベーションでコスパよりも重要なこと【心理の影響】もお読みください。
いずれにしても、低体温になってしまうと、
- 病気にもかかりやすくなる
- 集中力の低下につながる
ということは明らかになっているので、ここは、なんとしてでも避けたいところです。
では、反対に自然のものでできた建材(無垢材・漆喰・土など)で生活をするとどうでしょう。
無垢材の住まいは、心拍数が上昇しにくい
以前から、木には様々な良さがあるだろうとして様々な研究がされてきました。
たくさんメリットがるのですが、
- 無垢材の空間で過ごすと免疫力が向上する
- 心拍数が上昇しにくく、リラクゼーション効果が高い
などのことが、森林総合研究所の調査・研究で明らかになっています。
詳しくは、疲れを感じたら近くで森林浴をしよう【少し歩くだけで効果は絶大】を参照してください。
現代は、圧倒的に新建材の住まいが多く、自然な素材を使った住まいの効果が信じがたい状況になっていますが、人類の長い歴史でみると、新建材の住まいで生活をした期間はごく僅かです。
この視点で見ると、自然にあるものに囲まれて生活した方が、人が本来もつ能力が引き出せると考えるのが自然ではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。
たまに泊まる空調が完備されたビジネスホテルも快適ですが、やっぱり家に帰るとしみじみといいなぁ…と感じます。