先日、家の近くに大きなトラックが数台停車していました。
あまりにも大きな車で、しかも台数がそこそこあったので、絶対に目に入ります。
なんと、トラックには家が積まれていて、しばらくの間停車されていたのは、仲間のトラック(部屋)の到着を待つためだと思われます。
もちろん、そうした施工方法は、以前からあるのは知っていましたが、目と鼻の先でその様子を見ると圧巻です。
この機会に、工場で住まいを作り、現地で組み立てる工法のメリットやデメリットを見ていきましょう。
この様な工法のことを
といいます。
大手住宅メーカーが採用しているユニット工法とは?
大手、住宅メーカーの中には、ユニット工法を随分以前から取り入れていた会社もあります。(セキスイハイムやトヨタホームが有名です)
工場でユニット(直方体)を生産し、それを現地に運んで組み立てるという工法。工場で概ね作り終えているので、運んでいる時点で8割完成しているとも言われる。LEGOブロックの巨大なものを、現地で組み合わせていくイメージ。
セキスイハイムの場合、鉄骨を用いたユニット工法で、ユニットの中には、中柱なども存在しないために、広々した空間が作れます。
また、セキスイハイムの「ツーユーホーム」では、木造でユニット工法に取り組んでいます。
ユニット工法のメリット・デメリットは?
馴染みのない方にとっては、斬新な工法に見えるかもしれませんが、その歴史は古く1971年に誕生しています。
ユニット工法のメリットとは?
- 施工期間が短い
従来の方法で、新築をするとなると、どうしても天気の影響を受けます。
ところがユニットは工場で作られるために、全く天気の影響を受けることがありません。
私たちが施工する空気がうまい家®︎の新築の場合は、約4〜5ヶ月ほどの期間を必要としますが、ユニット工法だと3ヶ月もすれば完成します。
・作業は機械化されているので精度が高い
工場でユニットを制作する際には、機械が活躍します。
重たいものを持ち上げる、ビスを打つなどの作業が機械的に行いますから、かなり精度が高くなります。
機械化されている分、大工さんの腕の良し悪しに左右されない一定の品質のものが出来上がります。
ユニット工法のデメリットとは?
・場所が限定的になってしまう
写真の通りのユニットで運ばれてきます。そのため、道が狭い場所などになるとユニットを運ぶことができません。
住まいを建てる土地の周りの状況によっては、ユニット工法で家を建てることができない場合があります。
もちろん、その様な場合、ハウスメーカーがはっきりと施工できないと事前に言ってくれるので、トラブルになることはありません。
・作業の様子を見ながら調整をお願いするのが難しい
これまでに、リフォームや新築を経験された方なら分かると思いますが、住まいづくりは、お客様にもたくさん考えていただかなくてはいけません。
もちろん、一般的な工法にしても私たちが作る空気がうまい家®︎にしても施工にとりかかるまでに何度も打ち合わせをするものです。
それでも、施工現場に足を運ばれて、現地の空間を見て「やっぱりこうしてもらえるかなぁ?」という相談は必ず発生します。
ユニット工法になると、これがとても困難になってしまうのが、大きなデメリットです。
ユニット工法のメリットでもデメリットでもない点と価格
以前のユニット工法のメリットは、気密が高いという点でした。
ところが、現在(2020年)では、工務店もハウスメーカーも建築技術が高くなり、他の工法でも気密が高くなってきたために、ユニット工法のメリットは相対的にみると弱くなった印象があります。
だからと言って、ユニット工法の気密(C値)が酷いわけではありません。
C値が0.5程度でも冬にとても寒く感じる家もある。
C値が良くなくても暖かく感じる家もある。
実際に施工を検討されるのであれば、悪条件の日(寒い日・暑い日)に体感で確認するのがベストです。
ユニット工法の価格は、メーカーによって異なりますが、ユニット工法で有名な積水ハイム・トヨタホームの場合、坪単価70万円〜100万円という感じ。
住まいはすべて同じ品質のものでいいのでしょうか?
ユニット工法は、素晴らしい技術です。
誰が施工に関わっても素晴らしい品質を保てるというシステムも素晴らしいです。
と同時に、私たちは寂しさも感じます。
例えば、田村さんの家を新築するとなると、田村さんのご家族全員の話をお聞きし、施工に入ってからもそのご家族とコミュニケーションをしながら住まいを作っていきたいと考えているからです。
そうすることで、同じ空気がうまい家®︎であっても、その中に田村さんらしさを出していくことができます。
本当に質の良いものとは、使い主にあわせて、柔軟に変化してくれるものではないでしょうか。
子どもの頃、いつも運動場に放り投げていたランドセルも、私の体にぴったりとあう様に変化してくれていました。
おまけ ニュージーランドでは住まいを運ぶ?
ニュージーランドで引っ越しをする際には、家ごと運ぶこともあるそうです。
こんなこと、思いつきもしませんでした。
それにしても、家は明らかに車線からはみ出しています。
きっと、ニュージーランドは、そういう事について寛大なお国柄なのかもしれません。
私たちは、とにかく室内の環境にこだわって施工しているのか?次の記事でも紹介しています。