あなたは今までに何回引越しを経験されたでしょうか?
私は高校卒業後、大学進学のために実家を出てから計12回引越しをしました。
中には、生まれた家からまだ1回も引っ越したことがない、という人もいれば、いやいや私は20回以上引っ越しましたという人もいることでしょう。
引っ越しが多いから良い、悪い…
そういった話ではなく、私は、それなりに引っ越しが多くなってしまっただけです。
ただ、そうした経験を12回もしたからこそ、見えてくることがあるのです。
ちょっとした発見。
それを、あなたにお伝えしたいと思います。
引っ越しは暮らしをリセットする最高のチャンス!
引越しとは、言い換えればそれまでの暮らしを「リセット」できるチャンスです。
同じ町内で、または同じ市内で引っ越すという短距離の引越しでも、県外もしくは海外という遠距離の引越しにしても同じことです。
今まで暮らしていた住まいから荷物を全部運び出し、新しい住まいへと動く。
お世話になった人々に挨拶をし、別れ、新たな環境での暮らしをスタートさせる。
同じ荷物に囲まれた生活でも、やはり引越しの前と後では全く違う暮らしのはずです。
環境が変わるからこそ、自分の身体のことが知れる!
実家のある田舎町から大都会の大学へ進学した私は小さなアパートで意気揚々と学生生活を始めました。
親や祖父母の目がある息苦しい生活から、何でも自分の好きなようにできる城を手に入れた私は、浮かれはしゃいでいました。
しかし、直ぐに体に異変が起きたのです。
父親譲りの色白の肌が密かな自慢だった私ですが、都会での生活を始めた途端に体中に赤い湿疹ができたのです。
特に顔がひどかったです。
皮膚科へと駆け込んだ私に、担当医はこう言いました。
皮膚がそんな風になるのは、都会の汚れた水や空気のせいでしょう。
今までとても綺麗な自然がある場所で暮らしてきたのだから、体が悲鳴を上げてもおかしくないですよ。
若かった私は医師の説明が理不尽に思えてなりませんでした。
同じように地方から都会出てきた学生はいっぱいいるのになんで私だけ、という心境です。
でも、人の親となった今ならよく分かります。
生まれてから18歳までの体が作られる大切な時期を私は自然の恵みを存分に受けて育ったのです。
実家では祖父が畑で野菜や果物を作っていました。
祖母は毎年季節ごとに漬物や味噌を手作りしていました。
山登りが好きだった父はよく山へ連れていってくれました。
母はおやつのお菓子やパンを作り、忙しく働きに出ていた時期も毎日欠かさずお弁当を作ってくれていました。
この母が作ってくれたお弁当は工夫されていて、友達が羨むほどのものだったのです。
そんな生活を送っていた私が、都会の空気と水と添加物だらけの加工品を大量に体内に取り込んだのです。体が悲鳴を上げて当然です。
私はとても「贅沢な」幼少期を送っていたのです。
自然が与えてくれる新鮮な命を体中に溜め込んでいたことを、引越しが教えてくれました。
その後、引越し先が大都会のときは、やはり肌トラブルが発生しました。
しかし体が徐々に慣れたためか、直近の引越しでは何も起こりませんでした。
自分の体の中の新鮮な部分がついになくなってしまったように感じ、寂しいです。
引っ越しは人間関係でもっとも重要なことを教えてくれる
初めに「引越しはそれまでの暮らしのリセットだ」と書きましたが、それが如実に表れるのが人間関係です。
特に女性は同じ境遇の者同士で群れる傾向があるため、住まいやライフステージに変化が起きると、とたんに疎遠になるものです。
たとえSNSで繋がることができる現代においても、それは変わりありません。
私には「この人とはずっと付き合っていきたい」と思っている友人が何人かいます。
小学生からの友人や大学時代の学友、社会人になってから出会った元同僚や先輩、結婚と出産を経て出会った友達。
今ではほとんどの友人が遠く離れた場所で生活しています。
普段会って話すことは出来ませんが、SNSで近況を報告し合ったり、何かの折に連絡を取り合ったりしています。
これらの友人以外にも多くの人と知り合いましたが、引越しの度に疎遠になりました。
携帯電話に残った連絡先を見ても、もう顔を思い出すことも出来ない人もいます。
私はそれを寂しいとか残念とは思っていません。
なぜなら、本当に大切にしたい人との関係は、引越しなどものともせず続いていくことを知っているからです。
12回の引越しが私にそのことを教えてくれました。
また、転勤?もう引っ越しが大変じゃないの!
人は環境が変わることを恐れる生き物です。
例えば、初めて入るレストランも本当に大丈夫かなぁ…などと心配になり、食べログで口コミをチラッと調べたりするくらい臆病なのです。
それが、住まい丸ごと移動となると、大変な騒ぎとなります。
不安がある上に、荷造りなどの手間も相当かかるわけですから、「もう嫌!大変!」と思うものです。
けれど、どれだけ引っ越しをしなければならない環境を恨んでも、誰かに愚痴をこぼしても何も変化は起きません。
それならば、この大変な状況の中から、何か得られるものはないのか…少し視座を高くすることで見えてくるものはないだろうか?
そうして、見えてきたことの2つを紹介しました。
引越しは、過去の自分を見つめ直し、未来の自分の進むべき道を示してくれる機会なのです。