新しい住まいをもつとなると、誰だって様々な不安がよぎります。
ローンの返済中に自分が死ぬようなことがあったら?
大きな地震が起きて、家が倒壊したら住宅ローンだけが残るじゃないか。
いろいろ考え出すと次から次へと疑問が湧いてくることでしょう。
特に近年は、各地で地震が起きていますから、新居をもったとしても地震が来たらどうなるんですか?という質問をよくいただきます。
そこで、住宅ローン返済中に大きな地震にあってしまった時、どうなるのか?
また、そんな時に良い対応策はあるのか見ていきましょう。
マイホームを買ったのに、倒壊なんて涙も出ないじゃないか!
例えば、3000万円の住宅ローンを組んで、新居を手に入れたとしましょう。
ところがまさかの大地震。せっかくの新居が倒壊してしまうとどうなるのか…。
もちろん、通常通りの生活が送れるようにするのが最優先ですから、仮設住宅に入居したり、新たに賃貸住宅に入ることになります。
そうするともちろん、費用がかかります。
そして、住宅ローンの残債が2800万円あるとすれば、それも返済して行かなくてはなりません。
住むことができない住まいに対しても支払い続ける必要がある上に、賃貸などの費用も支払って行かなくてはなりません。
誰が悪いということもないだけに、相当辛い状況に追い込まれてしまうのです。
地震が来ることを想定して地震保険に加入した方いいのではないか?
もちろん、地震のことが心配であれば、地震保険に加入するという方法があります。
ところが、地震保険に加入さえして入れば、安心かといえばそうではありません。
地震による被害の規模は、図りしれないものがあります。
ここでは、話を簡単にするために、とても小さな規模で地震保険について考えて見ましょう。
最近、地震が多いから地震保険というものを設けよう。
年間3万円の掛け金で、加入者を募集しよう。
1万人ほど集まると年間3億円集まることになりますね。
うーん。
例えば、10年後に1度地震が来たとしよう。
30億円集まっていたとしても、3000万円もの保証を支払えるのは、たったの100件しかないなぁ。
もちろん、保険会社の資金はこんな単純な動きをしているわけではありませんが、保険会社の資金だけでは、万が一の大きな地震に対する保証が十分にできないことは、察しがつくはずです。
この大きなリスクを保険会社だけに任せるわけには行かないので、国が予算を設けているのです。
それが「地震再保険特別会計」と言うものです。
やばいよ!
この前の地震でうちは60億円の保証をしなくてはならないけど、積み立てられているお金は30億円しかないじゃないか!
「地震再保険特別会計」の出番ね。
国にあと30億円助けてもらいましょう。
こうして見ると、地震保険が営利目的ではなく、公的なものだとわかります。
ですから、地震保険は、どこで契約をしても基本的には火災保険とセットになっているのです。
こうした国の体制も知っていれば、この制度は利用した方がいいのかもしれませんが、もちろん任意での加入となります。
万が一のことがあっても自己資金で、再出発できる資金がある方などには必要ないものでしょう。
地震保険に加入していても、家屋全額分の保証はされない?
先の小規模の例で見てもわかる通り、国も保険会社も地震保険だからと言って大きな補償を提供することはとても困難です。
国家予算の「地震再保険特別会計」についても当然上限があります。
つまり、あなたが入る地震保険についても、上限があるということになります。
したがって、火災保険の補償額の半分が地震保険の補償額の最高ということになっているのです。
あなたがもし、2000万円が補償される火災保険に入っていたとすると、地震保険で補償して貰える最高額は1000万円ということになります。
では、実際何が補償されるのか? 掛け金はどのくらい必要なのか?
地震保険に加入していると、どんなものが補償されるのか?
住居や家財道具が補償の対象になりますが、倉庫などの小屋、自動車、株券などは補償の対象外となります。
そして、ここからが重要です。
上記の例で言えば、最高額が1000万円補償に加入していましたが、必ず1000万円が補償されるわけではありません。
建物の倒壊状況によって支払い額が変わってくるのです。
最高額の1000万円が補償されるには、あなたの住まいの評価額が1000万円以上で、住まいが全損と判断された場合のみです。
もしかしたら、補償の支払いが結構厳しいのでは?と感じた方もいるでしょう。
ところが、手厚く対応しにくいと言うことも十分に感じられたのではないでしょうか。
例え、1000万円が補償されても何もできないじゃないか!と思われる方もいるかもしれませんが、家屋の復活を補償するものではなく、新たなスタートを切るための資金だと理解した方が希望がもてそうです。
手厚い対応が難しいのは分かったけれども、心配は拭えない。
じゃあ、ローンの残債が2800万円あったとしても、1000万円しか補償されないんだったら、1800万円はどうなるの?
もちろん、返済して行かないといけません。
さすがに、銀行も仕方がないですね…とは、とても言えません。
ただ、銀行も人が運営していますから…。
そういう時には特別な措置があるのでしょうか?
特別な措置があります。
また、最初からもう一つの地震保険に加入する方法もあります。
大きな地震などの場合、特別な措置もあります。
全国銀行協会が「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」というものを作成しています。
とても難しそうなことが書かれていますが、簡単に言うと、
自然災害の被災者で住宅ローンなどが支払い不能になる人が対象で、生活再建に必要な現預金を手元に確保し、残りでローンの一部を返す。返済しきれない残りのローンは減額されるか、免除される。
と言う制度です。
もちろん、誰でもこの制度が利用できるできるわけではありません。
条件を満たせばと言うことになっています。
ただ、この制度も知っている人はまだまだ少ないのが現状です。
被災して大変そうだからと言って、「こんな制度が利用できますよ」と案内されるわけではありませんが、こんな制度もあると言うことだけでも知っておけば、いざと言う時に専門家に相談することができます。
最初からもう一つの地震保険に加入しておくと言う方法もあります。
地震保険に加入するには、通常火災保険とセットでした。
ところが、すでに火災保険に加入しているのであれば、さらに地震保険の補償を上乗せできる地震保険があります。それがRestaです。
イメージは、下の画像でなんとなく把握できるのではないでしょうか。
ホームページを見ればお分かりですが、費用も抑えられたものになっており少しずつ利用者が増加しているという状況です。
しかし、そんな中でも地震保険には加入しないと言う声もあります。
その理由は、
- やっぱり、保険料の割に補償が少ない気がする。
- 経済的に地震保険に加入するほどの余裕がない。
- 倒壊する可能性がとても低い建物に住んでいるから。
こんな声もあるのが現状です。
まとめ
- 地震よって家が倒壊しても住宅ローンは支払い続けなくてはならない。ただし、条件を満たせば、ローンの残債が減額されたり、免除されることもある。
- 地震保険は火災保険とセットでしか入れない。
- 地震保険の補償では十分ではない。
- 地震保険の補償では心配と言う場合には、既存の火災保険を利用して、さらに地震保険を上乗せさせることもできる。
いずれにしても、こうした仕組み・制度はどんどん更新されたり、新しいものが誕生したりします。もちろん、このブログでも紹介をしていきますが、もっとも重要なのは、あなた自身が学ぼうとすることだと思います。
そもそも、地震に強い住まいをもつというのも重要です。
こちらの記事も参考にしてみてください。