新築やフルリノベーションをする際に、
- 階段をどこに設けるのか?
- どの様な階段にするといいのか?
悩むことは多々あると思います。
階段の場所、デザインなどによっても雰囲気はガラリと変わります。
そのため、様々な写真を見てイメージした後に相談される方もたくさんいらっしゃいます。
もちろん、私もプランをする際には、階段にこだわりたいと思っているのですが、デザイン以上に重視している点があります。
それは、
本当は、とても大切なことですが、なかなか階段の踏み面などが建築関係者の中でも話題になることが少ないので、この点について解説します。
終盤では、新築やリノベーションの事例を簡単に紹介していますので、ご覧ください。
階段の踏み面と蹴上げとは?【階段のデザインにも大きく影響】
階段は、様々なパーツが組み合わさって作られており、それぞれの部分に上記の様な名前がついています。
今回は特に重視して取り上げる部分について紹介します。
踏み面(ふみづら)
足をのせる部分のこと。建築基準法では、踏み面が最低15cm以上と定められていますが、15cmだと大人の足のサイズよりも随分小さくなります。
ハシゴは踏み面がとても小さいと捉えるとイメージしやすいと思います。
蹴上げ(けあげ)
一般的には、段差が大きい・小さいという言い方がされます。
建築基準法では、この段差が23cm以下にする様定められています。
500mlのペットボトルの高さが21cm程度なので、ペットボトルを立てて、階段を踏み込むように少し体重を乗せてみると、階段を上る感覚がつかめます。
私の感覚でいうと、蹴上げが23cmだと「段差が大きい」という印象です。
安い階段セットの様な既製品の場合、踏み面は要確認!
新築やリノベーションをする際に、階段は現場で制作するというイメージをもたれている方も多いのですが、実は、ユニットバスの様に階段セット(階段ユニットといいます)が用いられることも多々あります。
コストを抑えるには、踏み面の小さい階段ユニットが便利
建売住宅やローコスト住宅の場合、できるだけコストを抑えたいものです。
当然、階段ユニットが使われる場合もありますが、踏み面を大きくするとコストがかかる上に、階段が占める面積が広くなりがちです。
反対に踏み面を小さくすると、コストは抑えられ、階段が占める面積は小さくて済むために、広がりを見せやすくなります。
ただ、ここで注意したいのは、踏み面が小さく、蹴上げが大きいとなると、歳を重ねてからの階段の昇降が億劫になってしまう可能性があるということ。
歳をとると階段を上るのが大変でね…。
結局、最近は2階の寝室に行かず一階で寝てるんだよ。
きっと、あなたもこの様な話を耳にしたことがあるはずです。
こうなってしまうと、残念ながら、住まいの約半分ほどのスペースが有効に活用できていないということになります。
階段が占める面積を削ったためにこの様なことが起きた…となれば本末転倒です。
ですから、私がプランを立てる場合には、歳を重ねた時のことも踏まえ、できる限り踏み面を広くとるようにしています。
踏み面が大きく、蹴上げを小さくすると階段の面積が広くなる
当然、踏み面を大きくし、蹴上げを小さくすると階段の面積が広くなります。
それでも、見せ方次第では、部屋が広く感じられるようにできたり、階段下に収納を作り、他の部分を広く使えるようにするなどの工夫はできます。
そうしてでも、いつまでも2階が活きる階段を作った方が、スペースは圧倒的に有効です。
また、踏み面が大きい方が、小さいお子さんにとっても安心です。
子どもの成長・安全性を踏まえるとうづくりの階段はオススメ
また、お年寄りの方や小さいお子さんがいらっしゃる場合、階段からの転落を心配される場合があります。
階段の踏み外しなどの問題は、いくら踏み面を広くしても100%防げるとは限りません。
かと言って、階段の端に滑り止めを貼るということは、誰もができればしたくないはずです。
私たちが、新築やリノベーションをする際、階段には「うづくり」の無垢材を使っています。
その為に、あえて滑り止めのことを考慮する必要もなくなり、スケルトンの階段でも一般的な階段も好みにあわせてスッキリと作ることができます。
上の写真は、スケルトンの階段の事例ですが、次のような階段を作ることももちろんあります。
写真を見ていただいても分かる通り、できるだけ踏み面を広くしつつ、階段の昇降が辛くないようにしています。
今回は、階段の踏み面や蹴上げの話をメインに紹介しましたが、リビング階段のメリット・デメリットやスケルトン階段のメリット・デメリットなども紹介していきたいと思います。
最後に、階段でも眠れるという写真でも見て、和んでいただけたら嬉しいです。
また、住まいに関する悩み、質問などがありましたら、お問い合わせよりメッセージをください。
施工の有無に関わらず、お答えしたいと思います。
さらに、階段にこだわるには、こちらの記事も参考に!
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