新築やリノベーションのプランを考える際に、階段をどうするのか?はとても重要なポイントになります。
まず、階段は何のためにあるのか?
当然ですが、ご家族が別のフロアに移動するためにあるもので、最低限この機能は確保する必要があります。
さて、今回は、階段の基本的な機能が確保できた上で、次の様なことについて考えてみましょう。
実は、プランの要望を伺っている時に次の様な質問を受けることがあります。
これに対する私の結論は
- 階段の形状よりも階段の材質によって恐怖感は大きく変わる。
- スケルトン階段のメリット・デメリットは生活の仕方で大きく変わる。
というものです。
これらについて詳しく解説します。
そもそも、スケルトン階段とはどんなもの?
スケルトン階段とは、別名「ストリップ階段」とか「オープン階段」とも呼ばれます。
見ての通り、階段の主要な部分のみが残された形の階段です。
最近、人気が高く、リビングにスケルトン階段を設置する事例がかなり増えてきました。
最近では、さらに削ぎ落とした「片持ち階段」というもの増えてきました。
モダンな感じがしますが、思わずバキって折れないの?なんて思った方も多いのではないでしょうか。
もちろん、簡単に折れることはありません。
大抵200kgほどの重さには耐えられるようになっています。
引用元:stroog.com 引用日2020年8月29日
スケルトン階段がなんとなくこわいと感じる理由は材質の影響
スケルトン階段は、すっきりした雰囲気を出すために、金属が多く用いられている印象があります。
そのため、
- 歳をとって、万が一転倒してしまった時が怖い
- 赤ちゃんが見ていない間に階段を上ってしまった時が怖い
この様な声をよく耳にします。
では、スケルトン階段を木で作ってみるとどうでしょうか?
なんとなく、左側の方が柔らかさが感じられるとおもいます。
実際に、左側のような空気がうまい家®︎のスケルトン階段を歩かれた方はこんなことを言われていました。
あなたは、上の写真をみて、どの様に感じたでしょうか。
スケルトン階段のメリットとデメリット
スケルトン階段は、とてもシンプルなために、リビングの設置されることが圧倒的に多いです。
その為、リビングにスケルトン階段を設置したという前提で、メリット・デメリットを紹介します。
スケルトン階段のメリット
上の写真は、キッチンからリビング側を見た様子です。
左側にスケルトン階段がありますが、圧迫感や暗さはあまり感じられないと思います。
主なメリットは次の4点。
- 圧迫感を感じにくい
- 光が入りやすい
- 空気が循環しやすい
- リビングに階段があるために家族と必ず会話ができる
仮に、この階段がひな壇タイプの階段であれば、存在感がとても強くなり、キッチンに光が届きにくくなってしまいます。
スケルトン階段のデメリット
メリットとデメリットは共通する部分があります。
- 収納部分が減る
- 冷暖房効率が悪くなりがち
- 一般的なものだと費用が高くなりやすい
スケルトン階段の場合は階段下に収納を作ることはできません。
また、スケルトン階段はリビングに設けられるために、リビングの空調効率が悪くなると一般的には言われています。
私たちが空気がうまい家®︎を新築する際には、特殊な施工方法で遮熱も行っているために、全室の空調を1〜2台のエアコンで十分賄えるために、空調のデメリットは大きく削減できています。
スケルトン階段はこの様な性質があるために、一概に、「スケルトン階段の方が良い・悪い」と決めることは、不可能です。
私がプランを立てる場合には、ご家族の理想とする暮らし・健康状態・周囲の環境と敷地の広さ・生活に必要な物の量など…をトータルに考慮して判断をしているのが現状です。
プランを立てる立場としては、時代の流れに乗り、スケルトン階段や片持ち階段を使いたいと思ういますが、流行りのものは丁寧に見ないと、10年後には化石の様な存在になってしまう場合もあるために注意が必要です。
新築やリノベーションを考えているけれども、最先端のものは飽きないだろうか?と思われた時には、長く愛されている芸術に意図的に触れてみることをおすすめします。
いずれにしても、階段としての機能はとても大切です。
これから住まいを考えていこう…というあなたは、階段についてこの事は知っておきたいものです。
スケルトン階段は格好いいけれど、階段下のスペースが気になる方は、スケルトン階段の下は無駄にならない?【造作で工夫するのも一手】をご覧ください。
事例を交えながら解説しています。
施工の有無に関わらず、住まいに関するお悩みなどがあれば、こちらの問い合わせよりメッセージをお送りください。
これまでの経験をもとに、お答えしたいと思います。