誰もが健康的な生活を送りたいと願うものです。
その為には、食生活や適度な運動を行うなど健康的な生活習慣を確立させることが大切だということは、あなたも重々ご承知だと思います。
さらに、2021年に入ってからは、ウィルスを殺す家(ウィズコロナ仕様)なども出現して、健康的な暮らしの形が変わろうとしているのも感じます。
もちろん、健康的な暮らしをするには、
- 健康を害する可能性がある外的要因を減らす
- 多少の問題があっても自分で克服する力をもつ
の両方が大切です。
ただ、最近では様々なジャンルの技術進歩が凄まじいために、機械や設備を整えると健康的であるという風潮も強くなってきましたが、私は、自分で克服する力をもつことも大切にしたいと考えています。
そこで今日は、
- コロナに伴って変化が出てきた住宅事情
- 環境と人の身体の深い関係(南国の人の髪の毛と北国の人の髪の毛の秘密)
について紹介します。これらの事が分かると、
が見えてくるはずです。あなたの住まいづくりや、暮らし方の参考になれば嬉しいです。
ウィズコロナ仕様の住まいの出現と新たな生活習慣
「住まいの仕様が変われば、生活習慣が変わる」というのは何となく想像できると思います。
例えば、畳がメインの住まいであればスリッパは不要でしたが、フローリング、特に人工的なフローリングの家が多くなってからは、家でスリッパを履くことも当たり前になりました。
また、2020年はコロナをきっかけに家の仕様を見直したハウスメーカーも出現しました。
どの様な変化があり、これからどの様な文化が誕生するのか簡単に紹介します。
ウィズコロナ仕様の住まいの主な特徴
ウィズコロナ仕様の家と言っても、メーカー・工務店によって仕様は異なりますが、住設機器を充実させる方向にあります。
- 非接触で水が出る洗面台
- 非接触玄関扉(自動ドア)
- テレワークルーム(書斎)の設置
- クローゼット+殺菌灯
- 高性能なフィルターを搭載した換気システム など
コロナをかなり意識した住まい作りが増えてきていることが分かります。
また、既に抗菌作用のあるクロスのニーズも高まってくるだろうと思います。
ただ、これらの装備を備えた住まいにすれば健康的な生活が送れるか?と言うと、あなたも疑問が残るのではないでしょうか。
確かに凄いなぁ…って思うけれど、より健康的になるというより、悪いものから守るって感じが強いわ。
また、空気清浄機やフィルターを搭載した換気システムで本当に大丈夫なの?という質問をよくいただきます。この様な疑問がある方は、【実例】空気清浄機の効果でシックハウスを抑える事ができるのか?を参照してください。
消極的な健康的な生活と積極的な健康的な生活
健康的な生活にも、積極的なものと、消極的なものがあると考えています。
そこで、分かりやすい例を一つ挙げてみましょう。
例えば、交通事故に遭わないようにするというのはとても重要なことです。
そこで、
- Aさんは交通事故に遭わない様にするために家から出ることを辞めた
- Bさんは交通事故に遭わない様に常に安全運転を心掛けた
とても感覚的な話ですが、Aさんがとった行動は、非常に安全ですが消極的な印象があります。
一方、BさんはAさんと比較するとリスクはありますが、次第に運転技術も向上しより安全になっていくことが想像できます。
つまり、「交通事故に遭わない」という事に対して積極的な印象があります。
新しくなりつつある健康的な生活を考えるときに、この「積極性」に目を向けることも大切です。
最近、「健康住宅」という言葉もよく使われますが、積極的な意味合いが強いのかどうか…【健康住宅とは】不健康になりにくい住宅?より健康になる住宅?にまとめてみました。
また、免疫力を高めよう!とよく言われますが、免疫は基本的に小さなリスクを克服した時に強くなるものですから、問題を全て排除すればいいというものでもありません。
子どもの時にたくさん風邪をひき、自分の力で治してきた子どもは、大きくなってから風邪をひきにくい傾向が強いと言われています。
詳しくは、【子育ての住環境】風邪を引きにくい暖か過ぎる家は危険!を参照してください。
この様に考えると、どの程度マイナス要因を減らすのか、真剣に考える必要があります。
ただ、私たちが作る空気がうまい家®︎の場合は、特別な換気システムなどを設けることはしない代わりに、木や漆喰達にマイナス要因を削減する程度を任せています。
自然の力に任せているために、瞬時にウィルスなどのマイナス要因を0にするということはできませんが、データを見ても、十分な効果があることは明らかです。
さらに詳しくは、私たちについて【Profile】に化学物質や花粉症との関連も掲載しています。
また、自然界の一部である人間もまた、厳しい環境であっても見事に対応できる力をもっているということが分かる事例を紹介しましょう。
健康的な生活を送るために知っておきたい人の素晴らしい力
人の能力は面白いもので、人がもっている機能を使えば使うほど発達するが、使わないと退化するという性質があります。
筋肉の発達はとても短期的に変化するので、あなた自身もこのことを経験したことがあるはずです。
ところがもう少し長期的な目で見ても、人の身体が優れていることが分かります。
南国の人は天然パーマの率が高く、北国の人はストレートヘアの率が高い
南国の人々のヘアスタイルを想像すると、誰もが天然パーマをイメージすると思います。
反対に、北欧の人のヘアスタイルは、ストレートよりの印象があります。
この様な傾向が見られるのは、気候と深い関わりがあります。
その結果、髪質が大きくことなっているのです。
私たち日本人の髪の毛も、冬の寒さに耐える必要があったために、断熱性を高めるような構造になっています。
図の様に、髪の毛の断面は円形に近い形をしており、内部には小さな空洞があります。
この空洞部分があるために、日本人の髪の毛は、南国の人と比較すると太い傾向があり、直毛になりやすいのです。
この構造は、北国に生活する動物達の毛も似た様な構造になっており、体温を逃しにくい様にしているのです。
反対に、南国は紫外線がとても強いために、断熱よりも紫外線を抑えることの方が重視されます。
そこで、髪の毛はより細く、その代わり本数を多くして頭を守るという仕組みになっているのです。
南国の人は鼻が低いが、北欧の人は鼻が高い
最近では、鼻が高い方が綺麗…という風潮がありますが、鼻が高いからこそ生命を維持できたという側面もあります。
日本の北海道、ロシア、アラスカ…などと言えば極寒です。
アラスカの知人に冬の様子を聞くと、外に濡れたタオルをもって出ると一瞬で凍ると言っていました。
そんな環境でも人は生きていかなくてはなりません。寒さが厳しい時には−30℃にもなります。
そんな空気をそのまま吸い込むと、体温がどんどん奪われてしまいますから、少しでも体内に入れる空気を温めるために、鼻が高くなったのです。
こうして、人の身体の小さな工夫を見ると、ある程度のリスクがあったからこそ、それに対応できる身体に変化していったということが分かります。
本当の健康的な暮らしは自分たちで作り上げていくもの
本当の健康的な暮らしは、自分たちで作っていくものです。
- 質の良い食事を心がける
- 適度に運動をする
- 生活のリズムを整える
- ある程度の自然に触れて心も身体も癒す
この様なことは、特別な住設機器がなくても誰もが実践できることです。
もちろん、先に挙げた「ウィズコロナの住まい」の設備も素晴らしいものですが、住まいづくりや暮らし方を考えた時に、設備を一番に考える必要はありません。
ちょっとした設備は、後からでも購入すればいいだけですから。
健康的な暮らしのために重要なのは、
- 質の良い食事が作りたくなるキッチンなのか?
- ぐっすり眠れそうな空間なのか?
- 子どもが裸足で走り回って遊んでも笑ってられる空間なのか?
- どれだけ忙しくても、生活をしながら自然が感じられる住まいか?
この様な視点をもつことです。
確かに、積極的な健康的な暮らしだなぁ…と感じていただけたら嬉しいです。