住まいや店舗の新築を考える時に、地震に対する強度や寿命も考慮したいものです。
その為、ハウスメーカーも工務店も、どの様な構造にすればいいのか日々学んでいます。
現在は様々な技術が進歩して、会社独自の「〇〇工法」「〇〇構造」などというものがかなり多様にありますから、どの工法がいいのか?悪いのか?という判断は難しいというのが正直なところだと思います。
これまで、ハウスメーカーや工務店として1000棟以上の建物の建設に関わってきた私の経験を踏まえると
というのが、大雑把でありますが私の結論ですが、次のことは確かに言えます。
それが住まいの完成形のいろいろな所に反映される
構造から見え隠れする住まい作りの完成形【分かりやすい事例】
話を分かりやすくする為に、食生活の極端な話をします。
とにかく安く・満腹になればいい派と畑で採れた野菜を中心にしたい派
子どもを育てていく場合、食べ物は必ず必要です。
その時に、「ただ満腹になればいい」という感覚で食事を作るのと「少しでも畑を準備してできるだけ自然に近いものを食べさせてやりたい」という感覚で食事を作るのでは、全く質が異なる子どもが育つことは十分想像できるでしょう。
きっと、前者は
- 食べ物は簡単に手に入るもの
- お金をだせばいろいろなものが食べられる
こんな感覚の子どもが育つでしょう。
一方、後者の場合は、
- 野菜が育つのにも結構時間がかかる
- 食べ物が食べられるってありがたいこと
こんな感覚の子どもが育つことは十分想像できるはずです。
ちょっとした違いでも、結果は大きく変わることが分かると思います。
住まいづくりでも同じ様なことが言えます。
「物理的・化学的な構造」と「自然よりの構造」の違いで住まいは変わる
話を分かりやすくするために、軽量鉄骨住宅について見ていきましょう。
軽量鉄骨住宅と言うと、「物理的・化学的な構造」ということになります。
この場合、できあがる住まいも「物理的・化学的な住まい」になります。
具体的には、
- 自然の力を利用して、太陽光発電システム・エネファーム搭載
- 花粉やPM2.5を除去するフィルター装備の常時換気システム
- 温度センサーで室内の温度を管理。全自動全館空調システム
この様な使用の住まいが多いのが現状です。
つまり、生活に直接関わる部分も「物理的・化学的な仕組み」によって快適さを作り出していこうというスタイルになります。
一方、私たちの様に、「やはり木は強い」と言い続け、「自然よりの構造」で住まい作りをしている会社もたくさんあります。
私たちが作る空気がうまい家®︎の場合、特別な「〇〇システム搭載」の様なものはありません。
- 冬でも裸足で過ごせます(肌触りが心地いい)
- 空気清浄機の役割は壁面の幻の漆喰®︎で十分です
- 海も山も古来からあるもので、その性質を活かせば汚れなど気にしなくても良いです
とても地味だなぁ…と自分でもつくづく感じます。
ただ、どれだけ凄い!と賞賛される世界自然遺産も派手さも特別な機能ももっていませんが、多くの人を魅了する何かがあるので、「地味だからこそいい」と思っています。
仮に、私たちが作る空気がうまい家®︎に、凄いフィルターを装備した換気システムや室内の温度をセンサーで感知するシステムを入れて欲しい…と言われても「本当と必要ですか?」と答えます。
見えにくい部分の話をしましたが、出来上がる住まいは大きく変わることを実感していただけたら嬉しいです。
木造住宅のシンプルな構造はシンプルな生活のもと
物理的・化学的な住まいは、見たり、話を聞くととても分かりやすいのが特徴です。
様々なことが数値化されているので、安心できるのも大きなメリットです。
ただ、人の力で何とか様々な問題をクリアしようとしたものであるので、全体的に複雑な印象になってしまうことは否めません。
反対に、シンプルな構造の空気がうまい家®︎の場合、複雑さは随分軽減されます。
- 空気清浄機は不要
- 床暖房は不要
- 換気システムは最もシンプルなもの(寒冷地ではない場合、第三種)
- 床に塗るワックス・塗装などは禁止
- 家具は不要(ほとんどの場合、造作を依頼されるため)
暮らし方などによっては、エコキュートの様なものは設置してもいいかと思っていますが、随分、すっきりした作りになることは想像できると思います。
ただ、これだけ科学・技術が進歩した社会の中で、これだけシンプルにするのは勇気が必要かもしれません。
そのためには、
ことが必要になってきます。
一手間かかることかもしれませんが、住まいづくりを通して、自然のもつ力に関心を寄せてくれる人が増えていけばいいなぁ…というのが私の願いでもあるのです。
まとめ
住まいの見えない部分の話から、見えやすい部分についてお伝えしました。
物理的・化学的な住まいがいいのか? 自然よりな住まいがいいのか? 人や家族によって暮らし方が大きく変わるために、どちらが正しい住まいと言うことはできません。
ただ、真面目に住まい作りをしている会社は、理念がしっかりとあるので、
ということです。
私たちの場合で言うと、最新のスマートハウスの様な話はあまり詳しくお伝えすることはできませんが、山の話、きのこの話、木の話は深くお伝えすることができます。
見た目や機能性も重要ですが、あなたの考えはどちらでありたいか?が住まいづくりでとても重要なのです。
また、いつか山や木の話があなたとできる日を私は楽しみにしています。