2019年6月25日現在。
京都や大阪の駅に行けば、
「G20の開催に伴い、コインロッカーの利用を制限しています。」
との案内が、繰り返し流れています。
京都駅で周りを見渡せば、日本の方より圧倒的に海外から来られた方の方が多いのに関わらず、コインロッカーが使えないのは、なんだか申し訳ない気持ちになります。
そして、世界的な経済の情勢はというと、
- アメリカと中国の貿易摩擦問題
- アメリカのFRBが利下げを行うかもしれない…
という話題が多いような気がします。
世界経済が大きく変わろうとしている気配も感じられますから、ここで、世界経済の状況と住宅ローンの金利について触れておきたいと思います。
私がこうして時々、経済に関する話をするのは、住宅ローンの金利が少し変動しただけでも、返済総額が大きく変わるためです。
すでに住宅ローンを組まれている方やこれから新しい住まいを持とうという方にとっては直接影響するものですから、こうした機会に日本の経済、世界の経済の動向に少しでも目を向けて欲しいと思います。
まず、結論だけを言えば、
その理由を世界の情勢を踏まえながら簡単に見ていきたいと思います。
アメリカと中国の貿易摩擦問題は今後どうなるのか?
連日、アメリカと中国の貿易摩擦に関することが報道されています。
今週末に行われるG20の際に、直接話し合いが行われ、良い方向に向かうだろうとか…、あまり期待できないだろうとか…様々な憶測も飛び交っています。
貿易摩擦問題の発端はアメリカの貿易赤字
アメリカの商務省が発表した2018年のアメリカの貿易収支は、過去最大の赤字となってしまいました。
特に中国に対する貿易赤字は、約4200億ドルという結果でした。
この額は非常に高額で、アメリカ経済に大きなダメージを与えることになります。
この穴埋めは何とかしたいのですが、そう簡単に埋められる額ではありません。
そこで、アメリカは中国に対して関税を大きく引き上げようとして、今回の貿易摩擦問題として発展していきました。
中には、これは貿易戦争だ!と言われる方もたくさんいらっしゃいます。
中国とアメリカ、仲良くしたらいいのに…
トランプ大統領は、
「米中首脳会談で進展がなければ、巨額の追加関税を実施する」
などと言っていますから、こんな声を聞くと、単純に「仲良くお互いに歩み寄ったらいいのに…」と思ってしまいます。
ところが、問題はそんなに単純ではありません。
近年、中国の技術の進歩、経済の成長は凄まじいものがあります。
人口はアメリカが約3億人に対して、中国は14億人。
この中国の勢いは、まだ当面は続くだろうと言われています。
これまで、世界をリードしてきたアメリカですが、この座を中国に奪われることを危惧しているのです。
医学的な研究をするにしても、日本やアメリカは、人権をとても大切するために容易に人体実験を行うことができません。
ところが、中国はそうした文化が弱いために、次々と実験・検証が行えるのです。
となると、新しい市場を開拓していくのは、中国の方が圧倒的に有利だという背景も潜んでいるのです。
残念ながら、この貿易摩擦によって、中国にあった工場を別の国に移したという日本企業もあります。
こうした側面を見ると、米中貿易摩擦問題が長引くことが考えられます。
FRBが利下げを行った場合、日本はどんな影響を受けるのか?
また、FRBが近々利下げを行うだろうと言われています。
アメリカの政策金利(公定歩合)などを決定する機関。
日本で言う、日銀と同じ役割を果たす。
FRBが利下げを行うということは、どういうことか?
日本はもう利下げができない所まで来ていますから、分かりやすくするために、日本を元に解説します。
おっちゃんの銀行は、利息がいいで!
たくさんのお金預けてや。
年利10%だから、お年玉預けてくれたら、来年の冬には増えているで!
3万円預けたら33000円になるね!
じゃあ預けるね!
金利が良いということは、こう言うことが起きます。
当然、銀行にはたくさんのお金が集まります。
そして、銀行は集まったお金を必要なところに融資しやすくなります。
ところが、今回はアメリカで「利下げ」が行われるかもしれないということです。
話しを分かりやすくするために、マイナス金利の日本の政策金利で説明します。
おっちゃんの銀行は、今、めちゃくちゃ金利が良くないねん。
年利ー10%だから、お年玉を預けてくれたら、来年の冬には減ってしまうで。それでも良かったら預けてや。
じゃあ、30000円預けたら、27000円になるの?
それやったら、なんかに使った方がいいやん!
これは、悪意があって「ー10%」にしている訳ではありません。
こうすることで、男の子が言っていた様に「貯金するより何かに使った方がいい」と考えて欲しいわけです。
消費が増加するということは、景気回復が期待できるということですから。
今回、アメリカが検討している利下げはマイナスではないものの、金利を下げるというところから、アメリカの景気も衰退してきているということは伺えます。
でも、アメリカの政策金利と、日本の住宅ローンの金利は関係ないじゃないか?
そんな声も聞こえて来そうですが、大きく関係しています。
これから日本の住宅ローンの金利はどうなっていくのか?
アメリカの景気の低下と日本の景気
アメリカの経済と日本の経済の関係が、もっとも分かりやすいのが、自動車の輸出の話だと思います。
日本は、自動車の輸出額とても大きい国です。
もちろん、アメリカにもたくさんの自動車を輸出しています。
つまり、アメリカは自動車産業に関わっている方からすれば、大切なお客様となります。
ところが、この度、お客様の懐事情が厳しくなってきたということであれば、もちろん、日本の自動車産業界は、大きな影響を受けることになるのです。
ここでは、分かりやすい様に、「自動車」を例に挙げて簡単に書きましたが、もちろん他の商品についてもこれまで通り、輸出できるかどうか分かりません。
つまり、アメリカの景気が悪く、「利下げ」が行われるのであれば、日本の景気もしばらくは、残念でありますが「低空飛行状態」が続くだろうと考えて自然ではないでしょうか。
また、反対にアメリカの企業を見てみましょう。
身近なアメリカ企業と言えば、Google・Apple・McDonaldあたりだと思います。
これらの会社の本国の業績がイマイチとなると、当然、日本にも影響することが考えられます。
例えば、アメリカ本国にある企業Aが日本にもたくさん店舗を出店していたとします。
A社は、アメリカの不況により業績が厳しくなり、規模を縮小しなくてはならない事態に追い詰められました。
そうなると日本の店舗も減少していくことになります。
そして、雇用も減少し、お金の流れが悪くなっていってしまいます。
こうして見ると、世界の経済活動は、日本の経済とも深い関わりがあることが、実感できるのではないでしょうか。
これから人口が減っていく日本
これから日本はどんどん人口が減っていくことは明確です。
そして、自然な形で人口が大きく減少する時代に突入するというのは、人類史上、過去に例がありません。
ですから、どの様な経済変化がおきるのか?
そういう視点で日本の状況は、世界から興味をもたれています。
そして、こう言われています。
労働投入の低下
人口が減少することで、労働投入は当然減ります。
経済が成長する時というのは、労働力が多くあり、一人あたりの生産性が高い時です。
当然、これからは労働投入が減少傾向に向かっていきますから、経済は成長しにくいと考えられます。
資本投入の低下
人口が減りながら高齢化がより進んでいきます。
若者層は、働きながら高齢者を支えていく必要があり、高齢者は、これまで蓄えてきたお金を切り崩しながら生活をしていくことになります。
つまり、社会全体でみた貯金は減少し傾向に向かい、投資(融資)が行われにくい状況になるかもしれないと言われています。
生産性の低下
人口が減っても、機械化をすすめることで、生産性は向上するのではないか?
こんな考え方もありますが、ただ、ものを多く作ることだけが生産性ではありません。
新しいアイディアを出し、イノベーションを起こすことも生産性です。
ところが、若い世代の人口が少なく、高齢者の人口が多い社会では、新しいアイディアは受け入れらにくくなってしまいます。
日本の住宅ローンの金利はどうなるだろうか?
少し暗い話が多くなってしまいましたが、ここまで読まれたあなたなら、住宅ローンの金利がこの先どうなるか?概ね見えてきたと思います。
また、下の図を見ると、日本の政策金利と住宅ローンの金利も概ね似た様な変化をしていることもわかります。
ここまで、世界経済について大枠を簡単にお伝えしましたが、それらの状況を踏まえると、すぐには、日本の政策金利を上げることは難しいのではないかと推測します。
もっとも重要なことは、社会の動きに関心をもつこと
私たちが「空気がうまい家」を施工するのは、シックハウスによって苦しまれた方、そして、現在もなお苦しんでいらっしゃる方がいるためです。
また、世界規模で見ると、大気の汚染で日常生活が送りにくいという状況に追い込まれている方もたくさんいらっしゃいます。
「空気がうまい家」の素晴らしい空気を知ることで、あなたが空気の大切さを知り、少しずつでも何かできることを実践していけば、世の中はいずれ大きく変化すると信じています。
一人のゴミ拾いだって大きく広がっていくのですから。
この動画をご存知ない方は、是非、ご覧ください。
さて、ここでは、思い切り経済的な話をしましたが、
住宅ローンの組み方で「損をする」「得をする」という視点と同時に、ローンを組んだからこそ、世界に目を向けて欲しい…というのも私の願いなのです。
ここでお伝えした話は、私の考え方の一部であって、実際の経済はもっと様々なことが複雑に絡みあっています。
アメリカの利下げに伴う為替の変化、日本の物価の上昇率や消費税増税…
こうしたところも日本の経済と大きく関係しますが、この記事をきっかけにニュースに触れるのが面白くなったと感じてくださる方が増えればいいなぁ…と思うのです。