大規模なリフォームやリノベーションをするにしても、新築を考えるにしても当然、予算との攻防が続きます。
住宅ローンを組まないといけないけれど、もちろん金利は安い方がいい!とあなたも考えることでしょう。
実際、私たちのところに相談に来られた方も、固定金利で考えた方がいいのだろうか?それとも変動金利で考えた方がいいのだろうか?とよく悩まれます。
ですから、ここでは固定金利・変動金利どちらを選択するべきなのか、判断する基本的な考え方を紹介しましょう。
お金の話となると、ちょっと難しい?なんて思われる方もいらっしゃいますから、ここでは誰もが分かりやすく、楽しく読めてしまうことを目指していきましょう。
金利の話をする時に、今の状況を見るから難しくなるんだ!
住宅ローンについていろいろ調べてみると、インターネットでも山盛り資料は出てきます。
これまでの住宅ローンの固定金利の推移や変動金利の推移なんかグラフになっていて…
「なんだかややこしいなぁ」と思っている矢先に、様々な銀行の現在の金利一覧がドーンと表になって現れて、「もう、嫌だ!」なんてなってしまいます。
なぁーんだ。
変動金利でじぶん銀行か住信にしたらいいじゃない。
じゃあ、変動金利だから、
昔みたいに金利が8.5%になったらどうする?
それなら、やっぱり固定の方がいいかなぁ。
でも、変動より損じゃないか。
うーーーん。
こうしてあなたも悩むのではないでしょうか。
しかも、住宅ローンの金利は、これからどう変化するのか誰にも予想できない。
もし、金利の変動を確実に予想できるのであれば、ガッツリと投資して、稼いだらいいのですが。
じゃあ、結局どうしたらいいんだ?
ってなるところだが、そんなに難しく考える必要はありません。
お金の話をするならお金が誕生するところからの流れを知っておこう!
住宅ローンの金利がどうやって決まっているのか、その仕組みをまずは、簡単に知るところから始めましょう。
もちろん、ここで話すことの他に細かな要因はいろいろあるけれど、まずは大前提を知ることが重要です。
JRの乗車券で考えて見るとめっちゃ分かり安い!
あなたの手元にあるお札をよく見てみましょう。
「日本銀行券」と書かれているはずです。もし書いてなかったらそれは偽札です!
要するに、JRの乗車券と同じということです。
JRの乗車券は、当然JRが発行しています。
たくさんの人がJRを利用するとなるとJRはたくさんの乗車券を発行することになります。
ところが、JRを利用する人が多くなりすぎるとどうでしょうか?
超満員電車状態が続いて、乗車できない人がいるとなると…
この悲惨な状況を解決するには、二つの方法が考えられます。
- 乗車券そのものを売る量を限定する。
- 運行本数を増やしたり、車両を増やしたりする。
反対に、JRを利用する人が少ないとどうなるのか?
いつ電車に乗ってもスカスカ。ゆったり広々と座れて、車内で弁当を食べても誰もいないから誰も文句を言わないという夢のような電車ライフが実現します。
ところが、JRからすれば、「お前一人のために電車を走らすなんてやってられないぜ!」となる。
この状況を解決するにはどうすればいいのか?
- 乗車券を安くして発行する枚数を増やす。
- 運行本数を減らして、車両も減らす。
いつも1000円で乗車して、車内で弁当を食べている一人の奴のために電車を運転するより、乗車券を500円にして、3人乗車してくれた方がいいということです。
あなたも私も大好きな日本銀行券だって同じです。
日本銀行券をみんながバンバン使って、社会が大繁盛しているのであれば、日本銀行券の発行を少し抑える必要があります。
そうしないと大変なことが起こります。
大繁盛はいいことですが、これではJRに乗車できない人が溢れかえっているのと同じ状況です。
ですから、こうならないために、日本銀行券の発行を抑えていく必要があります。
要するに日本銀行券が市場にある量を減らしていく作戦がとられるのです。
どうやって日本銀行券が市場にある量を減らすのか?
理屈はわかったけれど、
日本銀行券を減らせ!って言われて、
回収されるのなんか絶対にいやだ!
もちろん、誰もがそうだから、
金利を使って調整がされているんです!
日本銀行が一般の銀行に融資する時の金利を政策金利と言います。
政策金利を上げると、日本銀行券が市場にある量を減らすことができます。
政策金利が1%から3%に引き上げられるとなると、これまで住宅ローンを2%で融資していた銀行は3%以上の金利にしないと儲けることができません。
もし、あなたが融資を受けていた状態で、金利が大きく引き上げられるとなれば、どうするでしょうか。
当然、頑張って少しでも早くお金を返済しようと考えるはずです。
また、金利が高い状態ならば融資を受けることに対しても慎重になるはずです。
こうして市場にある日本銀行券の量が減らされていくのです。
反対に、経済活動が活発でない場合には、
少しでも経済活動が活発になるように政策金利が下げられます。
例えば、あなたはApple社のノートパソコンが欲しいとしましょう。
価格を調べると、およそ140,000円くらい。
買えないこともないけれど、買ってしまったあとの生活がちょっと心配…
と思ってしまうと、購買行動が鈍ってしまいます。
ところが、今なら金利0%で購入することができるんです。
金利が0%なら分割で買おう。
分割で買えるなら、購入した後の生活費の心配も減るし。
それに、金利が0%なのは今だけみたいだからね。
えっ!そうなの?
欲しいなぁって思っていたけれど、
少し高いからもう少し余裕ができてから買おうって思っていたの。
でも、いずれ買うなら、今分割で買ってもいいよね。
こんな風に考える人もたくさんいるはずです。
金利を下げることで、Apple社周辺の経済活動が活発になることを狙ったわけです。
では、近々政策金利が大きく引き上げられるだろうか?
政策金利がいつ大きく引き上げられるのか、どれくらい引き上げられるのか細かに予測することはできません。
ところが、この市場にある日本銀行券の量をもう少し増やした方が経済活動が活発になるのか、少し経済活動が活発すぎるから、日本銀行券の量を引き締めていった方がいいのか…このあたりの感覚はぜひ、肌で感じて欲しいと思います。
牛丼もハンバーガーも
値上がりするらしいって聞いたなぁ。
困ったものや。
最近、しまむらの衣類なんかも
値上がりしたような気がするの。
消費者からすれば、この様な値上がりが見られると辛いものです。
けれど、社会全体に値上がりの傾向が見られたら、経済活動が活発になり始めているサインだと受け取って欲しいと思います。
2018年8月現在では、社会的にまだまだ安さを求める風潮がありますから、住宅ローンも当面は低金利が続くかなぁと思っています。
実際、銀行員の方自身が住宅ローンを組む時には、2018年8月の状況だと変動金利で住宅ローンを組むと言われていました。
一度、変動金利で住宅ローンを組んだにしても、のちに固定金利に変更することができるからです。
ただ、注意しておきたいのは、変動金利が上昇し始めると、固定金利も合わせて上昇するということです。
低金利時代を知っているからこそ辛いということもある。
現在、住宅ローンの金利は相当低いです。
さらに、銀行によっては優遇金利というものをつけて、さらに金利を下げてくれてくれるところもあります。
住宅ローンを抱えている者としては、とても嬉しい状況なのですが、金利が上がり始めるとそれを辛く感じてしまうことです。
いつ金利が上がり始めるかは分かりませんが、消費税の増税と金利の上昇が重なるというダブルパンチは、これから住まいを持ちたいというあなたにとっては、避けておきたいことではないでしょうか。
ですから、いずれ住まいを持ちたいという方は、時々経済に関するニュースに目を通しておくことをオススメします。
ここで、政策金利の話をしましたので、経済に関するニュースが読みやすくなってくれたなら、最高に嬉しいです。
さらに具体的に家計からどのくらいの費用が捻出できるのか?
こちらの記事も参考になるはずです。