子育ての環境を意識して住まいをつくる【親の悩みの事例から】

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九谷田 義之

不動産・施工に関するお金に詳しい人。同じ費用をかけるなら本当に重要なところに費用をかければいい。削減できるところは削減も惜しまない。なぜかお客様の子どもに愛される。

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春は、別れがあったり、出会いがある季節。

この時期になるとこんな相談を受けたことを思い出します。

今回は、この悩みを事例に、子育てにとって重要な住まいの環境を考えていきます。

この春に子どもが進学します。
スポーツを本気でやりたいという理由で高校を選んだのですが、その高校に行くには、親元を離れなくてはいけません。
自分で道を選んだことなので、応援してやりたいですが、今日も自分の荷物の片付けができていなかったし本当に家を離れてやっていけるか心配です。
そもそも、スポーツをそこまでして、何かに役立つかどうか分かりません。
将来、スポーツで食べていくわけでもないのに、そんな進路を選んでいいのか?
こんな事を考えると、夜も眠れません。

今はまだ中学生が、数ヶ月もしたら進学のために家を一旦離れるとなると、心配になるのも十分に分かります。

高校を卒業し、大学進学であればまだしも、つい先日まで小学生だった子どもが、もう家を離れるとなればなおさらのことです。

そんな時に、どう受け止めたらいいのでしょう。

そこで、今回は、

答えが明確ではない問題は、環境によって大きく変わる

ということを紹介します。

現代は、インターネットを使えば、大抵のジャンルの専門家の意見を聞くことができるために、環境はあまり重要ではないという風に考えることもできるでしょう。

ところが、

  • 生活環境によってインターネットの調べ方も大きく変化する
  • 生活環境によってあなた自身の考え方も大きく変わる

ということを、この事例をもとにして見ていきましょう。

 

【親も子どもも悩む進路の選択】正解・不正解は誰にも分からない

今回のような悩みに、「明確な答え」は誰も言うことはできません。

  • 家を離れ高校に進学したことで大成長し、一流のスポーツ選手になる可能性
  • 進学した高校の指導方針と自分の考えあわず、大変な思いをする可能性

どちらの可能性だって十分に考えられるし、どちらにも該当しない高校生活を送ることだって十分に考えられます。

この時点で確かに言えることは、

どの進路を選ぶにしても自分で決めた道から何らかの経験が得られる

ということくらいです。

では、残念ながら高校生活が大変な状況になった場合、進路の選択を誤ったということになるのか?ということです。

子どもが大変な状況になってしまうことは、親として見ているのも辛いですが、その大変な状況から本人が学ぶことも必ずたくさんあります

要するに、自分で選んだ道であれば、どちらに転んでも生きる上でプラスになることばかりです。

もちろん、この様な考え方を相談に来られた方もしたそうですが、あまりにも子どもにとって大きな決断だったために、頭で分かっていることと、心との間にギャップな様なものを感じたそうです。

この気持ちは、私も痛いほど分かります。

 

その上で、さらに考えてみたいことは、

なぜ、頭で分かっていることと、心との間にギャップを感じるのか?

という問題です。

 

動物達の環境・生き方から私たちの本質を理解する

何か野生の動物を思い浮かべてみてください。

もちろん、人によって思い浮かべた動物は様々に異なりますが、群れの風景が脳裏に浮かんだのではないでしょうか。

一部、特殊な生き方を選んだ動物もいますが、とにかく、

  • 自分の命を守る
  • 子孫を繁栄させる

ことが命あるものの本能であり、これを実現させるには「群れ」で生活する方が圧倒的に有利であることが分かります。

もちろん人も同様で、現在の様に優れた道具・機械がない時代には、集団で生活をして、命を守ってきました

そのため、

人は基本的に多数派の意見を重視する

という性質があります。

今回の子どもの進路のケースで言えば、「高校入学と同時に家を出る」という部分が少数派なために、大きな心配の種になったという見方もできます。

この話が仮に「大学入学と同時に…」ということであれば、周りを見ても、大学入学と同時に家を出る子ども(学生)はたくさんいるために、今回ほどの心配はされなかっただろうと思います。

つまり、

周りに似た様な状況が多くあれば人は安心する傾向がある

という性質をもっていることが分かります。

ただ、ここで注意したいのは、ここでいう「多い・少ない」は主観的なものであって、統計的な数値ではないというところです。

 

仮に、今回相談に来られた親子の周りに、「高校に入学と同時に家を出る」という人がたくさんいれば、そういうものだと受け入れることがしやすかっただろうということです。

こうして見ると、身の回りがどの様な環境であるかということはとても大切なことが分かります。

実際に、

  • 近所の人挨拶をする
  • 地域の活動によく参加する

という様な些細な活動だけでも、心身の健康状態に大きく影響するが研究でも明らかとなっています。

では、心の問題を軽くするには、どの様な環境での生活が理想的なのか考えてみましょう。

 

子どもも大人も心が落ち着く生活環境を作るには?

心が少しでも落ち着く様に、人は知人に意見を求めたり、専門家に相談したりします。

最近では、Googleで検索したり、YouTubeで解決策を見つけようとする人も増えてきました。

実際に、20〜29才の女性(307人)を対象としたファッションに関する情報源に関する調査では、インターネットが圧倒的に多いという結果になりました。

TesTee(https://lab.testee.co/teens-fashion)より引用

身近にスマホがあり、常にインターネットに接続できる環境になったために、この様な結果になることは十分に想像することができます。

もちろん、これらの情報源を信頼し、自分の心が落ち着くのであれば、私はそれも一つの生き方だとおもいます。

ただ、インターネット環境が十分に整備されていなかった人々は、心に悩みが生じた時に、どの様な方法で問題を解決しようとしたのか?という事を知っておくことも大切です。

その方法は、

自然のあり様をよく見て、生き方・暮らしのヒントとする

というものです。

具体例を紹介しましょう。

 

夏でも涼しい京都市内の町家の作り

例えば、京都市の町家は、密集して建てられていましたが、夏でもとても涼しいことで有名でした。

それは、

  • 坪庭を設けて樹木に湿度の管理・日光の遮断をしてもらう。
  • 間取りを工夫して、風の通りをよくする。

こうした工夫がなされたためです。

夏の京都はとても暑いです。

それをなんとかしたい!と思った先人達は、樹木や街を吹く風などの性質をよく観て、問題を解決しようとしたのです。

 

 

新幹線カモノハシ

近代に入ってからも、自然のあり様を観て、問題を解決した事例はたくさんあります。

例えば、700系の新幹線は「カモノハシ」という愛称で呼ばれていました。

新しい新幹線を作る際には、走行による騒音・振動・空気抵抗など様々な点が問題となりました。

これを解決するために、様々な動物を観察し、新幹線「カモノハシ」の形状が誕生したのです。

新しいものが生まれる時には、そこに答えなんて存在しません。

どこからかヒントを見つけて、創造していくしかありません。

「カモノハシ」の事例は、そんなことを教えてくれた一つの事例です。

 

存分に自然の雰囲気が感じられる保育園(空気がうまい家®︎使用)

存分に自然の雰囲気が感じられる保育園(空気がうまい家®︎使用)

現代は、様々な情報を簡単に手に入れることが可能になありましたが、それでも「創造すること」は、生きていく上でとても大切だと言われています。

もちろん、様々なメディアから情報を得ることは素晴らしいですが、それは知識を得ることであって、なかなか創造には結びつきません

どれだけ便利な時代になっても、「創造すること」も楽しみの一つでもあります。

そんな事を思うと、生活する場に「小さな自然」が感じられる部分を残しておきたいものです。

何か大発明をする様な場でなくても、「小さな自然」は私たちの暮らしを豊かにしてくれます。

 

子どもが「家を出る進路」を選んで心配という問題の答えは?

冒頭に紹介した、「子どもが進学の為に家を離れることが心配」という方に、次の様な話をしました。


 

植物は、とにかく遠くに遠くに自分の子孫が旅立つことを願っています。

ちゃんと、発芽することができるかどうか…もしかしたら、心配なのかもしれません。

それでも、遠くに旅立っていくことを強く願っています。

種が親元を離れてしまえば、植物の世界の親は、もう何もすることができません。

いざと、いう時でさえ、手助けすることができないのに旅立つことを願っているのです。

でも、人の場合は、いざという時には、

  • 親も手助けすることができます。
  • 友達や先生だって助けてくれます。

だから、思い切り挑戦したらいいと思います。


 

タンポポの種の場合、あの綿毛についた種の味方と言えば、せいぜい風くらいです。

そんな厳しい中でも、タンポポは生き抜いています。

今の時代、お金を出せば多くの問題を解決してくれる商品やサービスがありますが、どうしても解決できない問題も多々あるものです。

そんな時に、先人達がやってきた「小さな自然」を見る目をもっておけば、随分豊かに生きることができます。

様々なところで住環境が大切だと言われますが、ハード的(物理的)な住環境だけではなく、内側で暮らす方々にとっての環境はどうか?という視点も絶対に忘れてはいけないと思います。

 

本当は、こんな話をすると、スマホ・インターネットの時代に全然似合わないって思う人も多いだろうなぁと思いました。

だけど、どんな便利な自動車ができても、人はちゃんと自分で足で歩くし、変わらないものもたくさんあるなぁと思うと元気が出てきたのです。

この答えも、小さな自然を見る目じゃないかなぁと思うのです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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