今年の夏ほど、外に出るのに勇気がいる夏もないのではないでしょうか。
外に出た途端、降り注いでくる強い太陽の光が足を重くします。
そして私は今、とてもストレスが溜まっています。
なぜなら、いつもの調子で外を歩くことが出来ないからです。
私の生活の一部である「歩く」ということが、この暑さのせいで制限されているのです。
早く外を何の気兼ねなく歩ける季節が来て欲しい。
そんなことを思わずにはいられません。
なぜ私がここまで「歩く」ことにこだわるのか。
その理由と、歩くことで得られるものについてお話したいと思います。
今日1日で話したのは、スーパーのレジ担当のおばちゃんだけ!
私は転勤族の夫に帯同して、3年から4年のペースで引越しをしています。
東の次は西、西の次は北、北の次は南、といった感じで全国を移動します。
新しい土地での生活は、全てがまた一からのやり直しです。
家の中を整え、通常の生活が送れるようにするまでしばらくかかります。
また、初めての土地には、親戚も知り合いもいません。
夫は異動直後で仕事に忙殺され、帰宅が遅くなりがち。
夜寝る前に、ふと一日を振り返ると「今日話したのは、スーパーのレジ係りのおばちゃんだけだったな」なんてことがよくあるのです。
元来おしゃべりが大好きで、しゃべることでストレスを発散する傾向のある女性にとって、これはかなり辛い状況です。
この状況が長く続くと、転勤欝になりかねません。
この孤独な状況をどう打開すればいいのか。
答えはたくさん考えられるでしょう。
- 仕事に出て新たな人間関係を築く
- 子供を連れて地域の子育て支援センターに顔を出してみる
- 習い事を始める
まだまだ策は考えられそうです。
でも、なかなか新しい輪に入っていくことが苦手な人もいます。
そんな人はどうしたらいいのでしょうか。
とにかく靴を履いて散歩に出かけてみよう!
私はたくさんの方々に「散歩のススメ」について語っています。
そう言うと、中には「散歩して何のメリットがあるの?」「そんな時間の余裕はない。」と言われる方もいらっしゃいます。
けれど、私は、ただ暇つぶしとして散歩を勧めている訳ではありません。
私自身、たくさん歩いてきて大きなメリットがあると感じたためにオススメしているのです。
秘密を知ったかのようなワクワク感をあなたは最近感じましたか?
あなたが住み始めた街を散歩してみると何があるでしょうか。
様々な発見があるはずです。
「こんなところに美味しそうなパン屋さんがあるぞ」
「ここにある桜の木は春になったら綺麗な桜の花が咲くのかな」
「この幼稚園にいる子はみんな元気だけど、外遊びに力を入れている幼稚園なのかな」
などなど。
買い物ひとつ行くにも、車に乗って行けばすぐに到着しますが、歩いて行けば、新たな発見と出会えるのです。
少し時間はかかるけれども、わざわざ歩くからこそ見つけられる風景があるのです。
店頭に出されている看板に素敵な言葉なんかが書かれているととても幸せな気分に浸れます。
さらに、歩いていると自然と人と話す機会が生まれます。
美味しそうなパン屋さんを見つけたときは、お店に入ってパンを買いながら店員さんに話しかけてみる。
パンのことだけじゃなくて、ついでに桜の木のことや幼稚園のことまで話題に出来たら最高です。
もし、小さなお子さんがいる場合は、子どもを連れて外を歩いているだけで、きっと話しかけてもらえます。
「まあ、かわいい子。いくつ?」なんて具合です。
ひとつとっかかりが出来れば、人の輪は広がっていきます。
ただ、このとっかかりは、家の中にいては見つかりません。
外へ出ていくしかないのです。
ですから、私は引越しの度に、外へ出て歩きます。
時間が許す限り、なるべく歩いて用を足すようにしているのです。
転勤族だけじゃない!自分の住む街を散歩してみよう。
長年住んでいる街であっても知らないことはたくさんあるものです。
京都市内に住んでいるからと言って、金閣寺に皆行ったことがあるとは限りません。
むしろ、近くだからこそ、いつでも行けると言う感覚があり、結局は長年足を運んだことはないと言う様な話はよく耳にするものです。
長年住んでいる街だけれども、知らないこともたくさんある…
そんな気持ちで歩くだけで、これまで見えなかったものが見えてくる様になるのです。
更に、歩くことで健康な体と頭脳も手に入ります。
私の娘は私と一緒に歩く生活を2歳の頃からしています。そのおかげか、4歳の現在まで病気らしい病気はひとつもせず、元気一杯です。
幼稚園やスイミングスクールの先生に太鼓判を押してもらえるくらいの健脚の持ち主となりました。
他の子が抱っこをせがむ距離でも歩き、時にはスキップしながらついてきます。
もし、私が自分の家を建てるとなったら、選んだ街を歩いてみます。
そして、更に嬉しいのは、森林がある様なところを歩くとストレスが低下すると言うことです。
ストレスが低下すると言うことは、体調がよくなることはもちろん、仕事や勉強の効率化も期待できます。
効率よく勉強や仕事ができるということは、時間が生まれるのです。
こうして、あなたの心に余裕が生まれるサイクルが誕生していくのです。
そんなぁ…森林の中を歩くだけでそんなすごいことになるの?って思われる方もいるでしょうが、何も特別なことを言っている訳ではありません。
私たち人類は、長年、森林や海とともに生きてきたのですから、そういった環境に適応するようにできているのです。
もう少し詳しくはこちらのページを参照してください。
Amazing Therapy 科学で実証された「森林セラピー」驚くべき効能
インターネット社会だからこそ散歩することの意味が深まるのです。
今はインターネットで何でも情報を得ることができます。
地図だってかなり精緻なものを見ることができます。
口コミサイトも山のようにあります。
スマホを取り出して、指先で操作をするだけで欲しい情報は手に入れることができます。
ところが、スマホでも手に入れられない情報があるのです。
スマホでも手に入れることができないものは、その場の空気感。
あなたはこれまでにたくさんの人に「ありがとう」と言われてきたはずです。
けれど、この「ありがとう」にランクがあるはずです。
山田さんがあの時にボソッと言った「ありがとう」なんだか声はそんなに大きくなかったけれど、心にグッとくるような感覚があったなぁ…。
近所のコンビニのアルバイトの子はいつも大きな声で「ありがとうございました」って言っているけれど、なんだか機械的なんだよなぁ…。
こんなことまで人はちゃんと感じることができるのですが、インターネットを通すとこの空気感は伝わりにくくなってしまいます。
だから、住みたいと思っている街の本当の姿を知りたかったら歩いてみるしかありません。
「この近道を通って、みんな駅まで行くんだな。忙しそうな雰囲気だけど優しさも感じられるなぁ」
「日中は人通りが多いけど、夜はちょっと暗くてこわいな」
「ここに家を建てたら、庭でバーベキュー出来そうだな。近所の人も楽しそうな人がいそうだ。」
こういうことは、実際に歩いてみて初めて分かることなのです。
散歩を続けることで、この空気感を感じる感性がぐんぐん育っていくのです。
感性がぐんぐん育つことで、日常の風景が変わり人生さえも変わるのです。
例えば、道端に生えている雑草。
これを見て、なんとも思わない人もいるでしょうし、こんな悪条件のところでもしっかりと生えていなぁと感じる人もいるということです。
もちろん、なんでこんなところに雑草が生えているんだ!って怒ることもできますが、せっかくの散歩ですから、わざわざ怒るような解釈をする人は少ないはずです。
つまり、ちょっとしたなんでもない風景からも楽しいことを見つけるのが上手になるのです。
そうなると、友達との会話の中から楽しいことを見つけるのもどんどん上手になっていくのです。
もう、その領域にまでくれば、あなたの人生はどんどん豊かになっていくはずです。
だって、誰でも楽しそうにしている人と一緒にいたいと思いますから。
こんな風に散歩というものをみると、ただの暇つぶしとは言えなくなってくるのです。
だから、長年住み慣れた土地でも、歩いてみて欲しいです。
これからお母さんになりたいと思っている女性や、妊婦さん、新米ママさんにも無理のない範囲で歩いてみて欲しいです。
もちろん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんも。
あっ、あれが僕の家だ!あのマンションの横は私の家よ!
私が今住んでいる家の近くにある公園には、小さな展望台があります。
この展望台の存在も散歩をしていて知りました。
その展望台に上って下を見下ろすと周辺の家や道、歩く人の姿を見ることが出来ます。
私と娘が展望台へ上ったときに丁度一緒になった小学生の男の子達は家の屋根を指さしながら、口々に「あっ、あれが僕の家だ!」「あれは、〇〇君の家じゃない?」と言い合っていました。
子どもにとって、「自分の家」というのは、きっと特別な存在なのでしょう。
どんなにすごいビルがあっても、関心は自分の家に向けられていますから、不思議なものです。
もし、このような場所があったら、是非あなたの街を見てみてください。
住み慣れた自分の街の知らなかった一面に出会えるかもしれません。
秋になったら、私はまた歩き出します。
地元の人がびっくりするくるい、その土地について詳しくなること。
それがいつだって、長期旅行者の転勤族が地元の人と繋がることができる、道のひとつだからです。
そして、もしあなたのまわりによく散歩をしている人がいたら、是非話しかけてみて欲しいのです。
「よく見かけるけど、お散歩好きなの?」なんて感じで。
散歩はただの時間つぶしではありません。
自分の住んでいる街の魅力を再発見し、人とつながり、健康な体を手に入れる。
一石二鳥どころか、もっと多くのものをもたらしてくれるはずです。