私にとっては、「年越し」は楽しみでもあり、腹も立つという不思議な感覚を味わう時期です。
ですから、毎年11月後半の頃からそわそわしてきます。
その不思議な感覚というのは、「年越し蕎麦」に原因があります。
「年越し蕎麦」が年末を締めくくるにふさわしい、面白い感情を引き起こしてくれるのです。
そこで、今回は、
というテーマでお伝えします。
蕎麦打ちなんてできない!と多くの方が言われますが、誰でも打てます。
素人でも自宅で打った蕎麦は、購入してきた蕎麦より、はるかに美味しいことも確かです。
その理由も含めて、ここで紹介します。
蕎麦打ちが難しいイメージがあるのは、職人さんレベルの蕎麦を求めるのであれば…と言う話なのです。
ただ、先にお断りしておきたいのは、
「年越し蕎麦」という縁起物の話をしながら「腹立ち」なんて言うのは許せない!縁起でもない!と思われる方もいらっしゃると思います。
けれど、最後まで読んでいただくと分かりますが、本当に嬉しいような悔しいような腹立ちがあると言うのが正直なところなのです。
蕎麦打ちも含め、昔ながらな生活って味わい深いものがあります。
空気がうまい家®で生活をしていると、不思議と昔ながらの生活になってきます。
それは、きっと海辺の街に行くと美味しいお刺身が食べたくなる感覚に似ているのだと思います。
我が家も、普段は現代的な生活をしていますが、時々昔ながらの生活を楽しんでいます。
例えば、毎年こんなことはやっています。
- 石窯に薪を突っ込んでパンを焼く
- 石窯でパンケーキを焼くとどうなるのか?
- 味噌を作る
- スモークチーズやベーコンを作る
- バジルを大量に育ててバッタの大群と戦う
スモークチーズについてはこちらで紹介しています。
どの家庭でも簡単に作ることができ、6Pチーズがさらに進化します。
また、味噌はかなりの時間がかかりますから、無事に発酵が進み、いただく時期が到来すると感激もひとしおです。
日々、様々なことに追われているからこそ、時間をかけて出来上がったものに感激するのかもしれません。
そして、「年越し蕎麦」も美味しい蕎麦が食べたいのであれば、有名店の蕎麦を注文しておけばいいのですが、やっぱり、一年の締めくくりは、家族でそば打ちの過程から楽しみたいなぁって思うのです。
蕎麦は、昔の人にとってはファーストフードだった?
蕎麦は、種を撒いてからあなたの口に入るまでの日数がたったの75日と言われます。
とても丈夫で収穫されるまでの日数が短い、優れた食べ物だと思います。
さらに言えば、間引いた蕎麦の芽はこうして食べることができるので、ファーストフードと言っていいでしょう。
昔の家庭では、蕎麦を食べるのに石臼でソバ粉をひき、その都度蕎麦を打ったそうです。
こんな話を聞くと、手間暇はかかるもののそうした時間がとれることや、技が代々それぞれの家庭に伝えられてきたことがとても贅沢なように感じます。
と言うことは、反対に現代の私たちは、一つのことに手間暇をかけることや、次の代に何かを伝えることがおろそかになっているのかもしれないなぁなんて思うわけです。
だからこそ、我が家では、敢えて手間暇をかけて蕎麦を打つことにしており、子ども達も楽しみにしてくれているようです。
こういうと、蕎麦を打つことに慣れている人のように思ってくれる方もいるかもしれませんが、私はそば打ちの職人ではありません。
ド素人にもほどがあると状態です。
何しろ、年に1〜2回くらいしか蕎麦を打たないのですから。
ど素人が蕎麦を打っても問題ないのだろうか?
蕎麦打ちは、とても奥深いもので、本格的な蕎麦を打とうと思えば修行が入ります。
ぶっちゃけて言えば、鍋にうるさい「鍋奉行」みたいな世界観かなぁって勝手に思っています。
ただ、それは蕎麦をある程度極める場合であって、もともとはどの家庭でも蕎麦を打っていたわけですから、家庭料理の一つだと私は思っています。
ですから、ド素人であっても蕎麦を打って全く問題ありません。
そして、ド素人が蕎麦を打っても美味しいのは、蕎麦には次の様な性質があるためです。
だから、下手であろうが、蕎麦を打った瞬間に茹でて、蕎麦の香りを思い切り楽しむには自家製が最高と言うことになるわけです。
年越し蕎麦を打つ時の具体的な手順
蕎麦打ちの細かな工程は、こちらのページが大変わかりやすいです。
私もこのページを参考にしながら、蕎麦を打っていますので、ド素人なりに感じることを一言添えてみました。
挑戦される方の参考になれば、嬉しいです。
準備1 小麦粉と蕎麦粉の割合について
当然、小麦粉が少ない方が優秀な蕎麦と言うことになるのでしょうが、まだまだ未熟ですから、3割小麦・7割蕎麦粉の割合で作業をしています。
それでも、市販の「十割蕎麦」と書かれた乾麺なんかよりずっと香りは強いです。
分量外に花粉(はなこ)が必要です。
花粉の準備をするのを忘れていて、片栗粉・小麦粉などで代用しようとして、大変なことになったことがあります。
絶対に花粉の準備は必要です!
蕎麦を切る時などに、蕎麦同士が引っ付かない様にするために振る粉のこと。蕎麦の実の中心部を粉状にしたものです。
準備2 道具がなければダメと言うものではない。
もちろん、専門の道具があればかなり作業はやりやすいですが、家庭にあるもので代用することもできます。
年に数回楽しむ程度であれば、専門の道具を揃える必要もありません。
ただ、蕎麦包丁だけはあった方がいいと思います。
作業1 水回し
小麦粉と蕎麦粉に加水していくのですが、レシピ通りの水を入れても最初は全くまとまりません。
カスカスした印象を受けるかもしれませんが、根気よく粉を動かしていきます。
今年は、霧吹きで加水をしたらこの工程が楽になるかなぁ?なんて企んでいます。
作業2 練る
紹介したリンクには、「2分程度練ればいいでしょう」と書いてありますが、2分では少ない気がします。
どうなったら練りのゴールなのか分かりにくいですから、私は10分くらいは練っています。
作業3 延し(角出し)
練った蕎麦の団子の様なものを薄く延ばしていきます。
ひたすら薄く延ばす様な感覚です。
さらに、上手な方はこの時に角出しと言って、円形状に延ばすのではなく、四角形に延ばしていかれますが、私にはできません。
四角形に延ばすことにより、蕎麦の長さが統一されます。
作業4 たたみ
十分に延ばした記事を屏風の様にたたんでいきます。
花粉を多すぎるやろ!ってくらいに降る様にしています。
作業5 切り
リンクにもある様に、家庭用の包丁で切ったこともありますが、難しいです。
やはり、道具にはそれぞれ重要な役割があると強く感じたこともありますので、また時々、蕎麦を打とう!と言う方は、包丁を買うことをおすすめします。
複雑な気持ち!喜びと腹立ちは年越し蕎麦が運んで来るとは?
こうして、やっとの思いで蕎麦をど素人なりに打つわけですが、食べられるのは一瞬なわけです。
ほんまに一瞬なのです。しかも、みんな扱いが軽〜い感じで。
こりゃ、うまいよなぁ。
早く、次茹でてなぁ。
ちょっと麺が太い気がするけどね。
まぁ、美味しいからええなぁ。
早よ打ってなぁ。お湯はたっぷりあるで!
まぁ、みなさん好き放題、言うわけです。
美味しいって言ってくれるからいいものの、もうちょっと知的な食べ方をして、ゆっくり食べてくれよーって腹も立つわけです。
嬉しい腹立ちなのですが、こうしたことを楽しんでいると環境ってつくづく大切だなぁと思います。
人は環境によって大きく左右される生き物
当たり前のことかもしれませんが、私たちが複雑な日本語を当然のように理解できているのは、周りに日本語を話す人がいてくれるおかげです。
そう考えると、あなたが超近代的でモダンな機能的な生活を求めるのであれば、様々な便利機能が搭載されたマンションで生活するのがいいのかもしれません。
一方、私のように時には昔ながらの知恵や生活を楽しみながら、自然があるライフスタイルを楽しみたいのであれば、自然の香りがするような住まいが適しているように思います。
和食の有名料理店や寿司屋さんの内装に必ず無垢材が使われているのは、素材そのものの味が楽しめるよう環境を整えているわけです。
私は、空気がうまい家®で生活して、先人の知恵に当たり前のように触れらるようになり、またその知恵を自分で感じることもできるようになったのが、もっとも大きな財産だと思っています。
こうして、ど素人なりに蕎麦打ちも楽しもうと思える様になったのも環境のおかげだと思うのです。
まとめ
「年越し蕎麦」を通して感じたことを伝えてきました。
食べると美味しい蕎麦なのですが、ここから私たちはたくさん学ぶことがあった様に思います。
- 蕎麦は収穫までの期間が短い優れた食べ物
- もともと蕎麦を打つと言うのは家庭で行われていた。だから蕎麦打ちは難しいわけではない。(但し、質を追求するのは難しい)
- 打ち立ての蕎麦は超美味しいが一瞬で食べ尽くされる。
- 本当の財産とはモノではなく、考え方や視点をもつことである。
こんなことを書いていると、本当に蕎麦が食べたくなってきました。
特に、出石蕎麦の出汁の味と香りが好きなので、またの機会に出石蕎麦の出汁について語ろうと思います。
何より、僅かでも蕎麦打ちの様なことを楽しめる時間があることに感謝したいものです。