2018年の冬はとても暖かで、昼間は過ごしやすい日々が多いです。
とは言っても、夜になると冷え込み、「寒いなぁ…」と感じるものです。
そこで!断熱性について、子ども達と一緒にいろいろ試し、断熱性を高めるアイディアを子ども達にも考えてもらいましたので、その様子を紹介します。
さすが子どもの発想力にはびっくり!
断熱性がとても高く、外部からドライヤーで温風を送っても氷が溶けない…という容器まで出来上がってしまいました。
あなたはこの不思議な現象を解説できるでしょうか?
一円玉や十円玉を立てて氷に当てるとどうなるか?
実は上の写真のようにお金が当たった部分だけが溶け出していきます。
マジックではありませんから、あなたがやっても必ず同じ現象がおきます。
お金を触っても全然、熱くないのに…なんで?
確かにお金は熱くないけれど、特殊能力をもっているのかもね。
お金には、いろんな人も思いが詰め込まれていますから。
実際にやってみた方は、なぜ、こんな事になるのかすぐに答えがわかると思います。
指先が思い切り冷たくなりますから…。
これをヒントに考えてみてください。
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つまり、体温がアルミや銅を伝わっていきますから、金属部分を中心に溶け始めるという事です。
子ども達は、こんな遊びも大好きですから、マジシャン気分を味わいたい方はやってみてください。
では、アルミや銅を使って家を作るとどうなるか?
体温でさえも簡単に伝えてしまいますから、アルミや銅でできた家で生活をすると夏は地獄になりそうです。
このあたりは、小学生の子ども達もすぐに気づいていました。
では、どんなものが熱を伝えにくいのか試してみよう!
熱を伝えにくいものがはっきりとすると、抜群の断熱性が期待できます。
反対に、熱を伝えやすいものが分かれば、そこになんらかの対策を講じれば、冬も快適に過ごせそうです。
どんなものが熱を伝えにくいのか予想しよう!
子ども達は次々に身近なものを挙げていきました。
実際に試す前に考えた理由も聴いてみましたが、さすがだなぁ…と思う理由ばかりです。
①紙(ティッシュ)
コーヒーやスープを紙コップに入れる事がある。
つまり、冷めにくいからよく使われているだろう。
②ガラス
ガラスを作る時に思い切り熱くして溶かすから、一般的な暑さには強いはずだ。
③水
風呂の水は寒い日でも冷めにくい。
だから一度温まったら、しばらく暖かいままキープできる。
④発砲スチロール
生協の食べ物が配達された時に発泡スチロールのケースに入っている。
夏でも発泡スチロールのケースの中は冷たいままだから、発泡スチロールは熱を伝えにくいはずだ。
⑤銀色のシート
アルミはよく熱を伝えるけれども、夏車のガラスなどに銀色のシートを貼り付けている人がいる。
触っていたら熱を伝えるけれども、遠くから熱が加えられた時にははねかす事ができるだろう。
⑥空気
理由はよくわらないけれど、空気は熱を伝えにくいって聞いたことがある。
簡単に実験の準備もできるからついでに試してみたい。
もちろん、大人のあなたはおよそどんなものが熱を通しにくいのか知っているかもしれませんが、これらの理由を聞くと、考えが揺らぐかもしれません。
私の場合、銀色のシートの考え方が面白いなぁと思いながら話を聞いていました。
正確に言えば、熱伝導と遮熱との関係なのですが、見事にそれをとらえた見方をしているように感じました。
遮熱ってどういう事?と思った方はこちらの記事をご覧ください。
実験の開始!断熱効果が高いものは何だ?
実験方法は、それぞれの材質の容器に氷を入れて、一定時間経過させます。
その後、溶けた水の量をみて、断熱性が高いのか?低いのか?を検証していきます。
つまり、
- 氷がほとんど溶けなかったものは、断熱性が高い(外気の影響を受けにくい)
- 氷がたくさん溶けたものは、断熱性が低い(外気の影響を受けやすい)
という事が言えそうです。
早速、実験を開始したいところですが、問題は水の容器。
水で容器を作り、そこに氷を入れるなんて事は、不可能です。
ですから、上の写真の様にしてプラコップを二枚重ねてその間に水を入れる事にしました。
では、いよいよ実験の開始!断熱性の高いものは何でしょう?
すぐに結果が出ませんから、少し時間短縮をするためにそれぞれの容器に1分間ドライヤーで温風をあてていきます。
この1分間も子ども達はシビアです。
ストップウォッチを使って、正確にカウントをしていきます。
そして、15分が経過…
結果はどうだったのか?
ほとんど氷が溶けなかったものを1位とします。
つまり左側のものほど、断熱性が高いということになります。
1位 | 銀色シートとプチプチ (リフレクテックス) |
2位 | 発泡スチロール |
3位 | ティッシュ・空気 |
4位 | アルミ |
5位 | 水 |
熱を伝えにくいものが分かったら、最強の保温コップが作れる!
ここまでくると、氷が全く溶けない容器を身近な材料で作ろう!という事になりました。
子ども達の目は、血走っています。
そして、氷が溶けない容器はどんどん巨大化していきます。
「とにかく、壁を分厚くした方が熱を伝えにくいはずだ」
「発砲スチロールは、めっちゃ強力だったから絶対に使った方がいい!」
「発泡スチロールはほとんど空気でできているって知ってるで。」
氷が溶けない魔法の容器は強烈なパワーの様です。
容器に入る容量に対して、壁面があまりにも大き過ぎて不便だろう!って言いたいところですが、とにかく熱を通さない容器を身近なもので作る事が狙いですから、不便さには触れません。
実際に、出来上がった謎の断熱性の高い、壁の超分厚い容器にドライヤーで熱風をあてても氷はほとんど溶ける事がありませんでした。
容器について解説までしてくれました。
どんな材料で住まいを作ったら快適何だろうか?
冬は暖かく、夏は涼しい住まいというのが理想的です。
つまり、外気の影響を受けにくい住まいというのが理想的なのですが、子ども達はこんな実験をしてどんな考えにいたったのでしょうか。
- ガラスと水はめっちゃ熱を伝えるという事が分かったから、家の壁面に水を入れるという考えはダメ。ガラスも熱を伝えやすいから、分厚いカーテンとかを使うといいかもしれない。
- 銀のシートには、プチプチも入っていたから、銀が熱をはねかえして、プチプチが熱を伝えにくい様にしていたのかもしれない。プチプチで家を覆う事ができたら快適になるかもしれない。
- 発泡スチロールで家を作ったら快適そうだから、生協の発泡スチロールの箱をたくさん集めて自分だけの部屋を作ってみたい。
実は、この実験で使用した子ども達がいう銀色のシートというのは、空気がうまい家®で使用している遮熱材(リフレクテックス)だったのです。
簡単にいうと、熱をもっとも伝えにくいと言われる空気層がシートの中に挟まれており、熱の元となる電磁波を銀色のシートの様なものが跳ね返すという仕組みになっていたのです。
まとめ
今回、子ども達と一緒に、真冬でも快適に室内で過ごせる方法を楽しみながら追求してみました。
やはり、なかなか精度の高い実験をする事は難しいですが、実際に身近なものに触れながら試して見ると分かる事がたくさんありました。
- アルミや銅などといった金属は熱をよく伝える。
- 水は熱をよく伝える。
- 発泡スチロールやプチプチの入ったシートは熱を伝えにくい。つまり、空気が動かなければ熱は伝わりにくい。
- ガラスは熱をよく伝える。快適に過ごしたいのなら窓周りに空気層を設けると良い。
こんな事を体感して見ると、近年では当たり前になりつつあるペアガラスの効果は絶大だろうなぁと察しがつくと思います。
最近は、簡単な施工で二重窓にする事も可能です。
冬の寒さや夏の暑さを少しでも緩和する事ができないだろうか…そんな事をお考えの方は、問い合わせフォームよりお気軽にメッセージをください。