どんなに優れた家に住んでいても、経年と共に問題が出てくる場合があります。
我が家も引越しをしてから10年の歳月を経て、ついに引き戸が重い!という問題が出てきました。
ちょっとした事なのですが、不便だなぁと感じると気になって仕方ありません。
そこで、引き戸の扉が重たい!という問題を解決する方法、簡単なものから根本的な解決方法まで3つを紹介します。
引き戸の基本的な構造は知っておこう!
溝やレールの上を扉が移動して開閉する扉の事。車で言うと最近増えてきたスライド式のドアのイメージで、開閉に大きなスペースが要らないのが特徴。
この解説の通り、扉が溝やレールの上を転がって開閉しますから、当然、引き戸の中には車輪の様なものが装着されています。
扉が開閉する構造のイメージはこの様な感じです(上部にもレールはありますが)
と言う事は、引き戸の開閉が重たい原因は次のどれかだと考えられます。
- レールが歪んでしまった、レールに何か詰まっている
- 車輪(戸車)に何かが挟まり回転しない、または破損している
- 家自体に歪みが生じてしまい引き戸が圧迫されている
引き戸の動きを軽くする最もお手軽な方法!
レールが正常な状態かどうかを確かめます。
引き戸を動かして、滑らかに動く部分とそうではない部分があればレール側の問題の可能性があります。
重たく感じられるポイントがあれば、その周辺のレールの中を良く見て見ましょう。
この時に爪楊枝や竹ひごで、レールの内部のゴミを引っ掻き出すだけで問題が解決する事もあります。
残念ながらこれだけで問題が解決しない場合は、次の方法を試してみてください。
もしかしたら、戸車の高さ調整が必要かもしれない!
レール側の問題でなければ、扉側の問題の可能性があります。
扉側の問題と言っても、引き戸の開閉の要は戸車なので、その部分にだけ注目すればいいわけです。
上の写真が引き戸の戸車の部分です。
近年の戸車には、微妙な高さや左右の位置を調整するネジがついていますから、このネジを左右に適当に回しながら引き戸の開閉をしていきます。
LIXILの引き戸の場合、こちらの動画を参考にしてください。
この高さ調整のネジの構造はこの動画の様になっていますので、参考にしてください。
動画は引き戸を外していますが、外す必要はありません。
思い切って引き戸を外して戸車を根こそぎ綺麗にしてしまおう!
以上の簡単な方法を試してもダメなら、思い切って根こそぎ「戸車」を綺麗にしてしまいましょう。
ただし、ネジを外す作業を伴いますから、外したネジがどこの部分だったのか忘れないように注意する必要があります。
これまで様々なものを分解した記憶がある方なら分かると思いますが、分解をして、元に戻すと…「あれ?ネジが余るじゃないか?」って事結構ありますから。
今回は、ネジの数は少ないですが、油断は禁物です。
それでは、早速作業に入っていきましょう。
作業の全体像と準備物・目安の所要時間など
作業は次の流れで行います。
- 引き戸の上の戸車を外す
- 引き戸をレールから外す
- 引き戸の下の戸車を外してゴミなどを清掃する
- 外したパーツを元に戻して、引き戸をレールに戻す
- 戸車の位置を微調整する
準備物
- ドライバー
- 裁縫様の針
- CRC(接点復活剤・潤滑油)
- ヘッドライト(必須ではないがあると便利)
今回、我が家で問題となったのは、IMAGAWA DOORの引き戸です。
10年経過した引き戸ですが、一度も飽きたなぁ…とか、違うものに交換したいなぁ…なんて思った事がありません。
とても気に入った引き戸です。
10年前には、こうした侘び寂びが感じられる建具があまりなかったのですが、今なら、OJMTの建具もいいなぁと思います。
STEP1 引き戸の上の戸車を外す
この写真の様に、引き戸の上部に戸車が埋め込まれています。
このネジを緩めて行くと戸車を外す事ができます。
左右に二つ戸車が入っていますから、両方とも外して行きます。
(今回、高さ調整ネジを回しても、すんなりと引き戸が外れなかったために先に戸車を外しました)
STEP2 引き戸をレールから外す
この作業は、押入れの襖を外す様な感覚で引き戸を持ち上げます。
上の戸車も外していますから、しっかりと上まで引き戸を持ち上げることができるので、下のレールにハマった戸車も外しやすいと思います。
この時に外れにくい様であれば、下の戸車の調整ネジを回して何度か試してみてみましょう。
STEP3 引き戸の下の戸車を外してゴミなどを清掃する
引き戸のメーカーによって少し構造は異なりますが、下の戸車を外すためのネジは隠してあることが多い様です。
・IMAGAWA DOORの場合
赤丸の部分のキャップを外してネジを緩めると下の戸車を外す事ができます。
下の戸車も2つありますので、両方とも外してしまいましょう。
外すと引き戸が重くなってしまった原因がはっきりと分かるはずです。
戸車に挟まっているゴミを針で引き出していきます。
汚い画像ですが、我が家の場合、戸車にこれだけのゴミが巻き込まれていました。
さらに、戸車を綺麗にした状態で、CRC(潤滑油)を戸車にさします。
少し潤滑油をさしただけでも、戸車は見違えるほど軽く周りましたので、これで安心です。
STEP4 外したパーツ(戸車)を引き戸に取り付ける
今回、引き戸を外すにあたり、上の戸車を外してから引き戸を外しましたので、下の戸車だけを先に引き戸に取り付けて、上の戸車は、レールに乗せてから取り付ける事にしました。
すんなり、引き戸が元の様に収まりました。
これで概ねの作業は完了です。
STEP5 引き戸がスムーズに動く様に微調整をする
下の取り付けた戸車の微妙な高さは、先にも紹介した様に高さを調整することが可能です。
引き戸を時々動かしながら、スムーズに動くポイントを探していきます。
今回は、これで問題なく全ての問題を解決することができましたが、戸車が自体が壊れてしまったというケースもあります。
そんな場合には、戸車ごと交換する必要がありますので、建具のメーカーや施工をしてくれた工務店などに問い合わせてみてください。
たかが建具、されど建具!不便になってはじめて分かる有り難み
今回は、建具の不調をきっかけに、引き戸の手入れを行いました。
最初の方で伝えた様に、
戸車の高さの微調整がしやすい様な工夫が近年の戸車には施されている事に感心すると同時に、住まい全体を見てもミリ単位の仕事がなされていることを改めて痛感しました。
それにしても、一般的なLIXILなどの引き戸ではなくて、変わった引き戸を使っているなぁ…と感じた方も多いと思います。
もちろん、お値段もLIXILなどのものより、若干、IMAGAWA DOORやOJMTのものの方が高価です。
ところが、住まいのクオリティーを高めることは、のびのび子育てをしたり豊かに生きるためにとても重要なポイントです。
なぜ?住まいのクオリティーと子育てや生き方が関係あるのか?
をご覧ください。