子どもが幼い頃(2010年頃)、化学物質過敏症でした。
肌はボロボロになり、常に体のあちこちから出血しているような悲惨な状態が続いていました。
今では、すっかり良くなり、そんな症状に苦しんでいた過去があるとは、誰が見ても分からないと思います。
ところが、近年(2020年)、化学物質過敏症、アトピーなどで悩まれている方が増えてきている印象を受けます。
そこで、
について、私の経験を元に紹介します。
結 論
- あらゆる手立てを打ちながら化学物質に触れる機会を減らす
- 体内から一旦、化学物質を出す
私の場合、子どもが化学物質過敏症を発症していために、代謝はしっかりと行われるために1を意識してはどうだろう?とドクターに言われ、実践してみました。
これについて詳しく解説します。
【はじめに】化学物質過敏症に理解ある病院はまだ少ない
普通、子ども、または自分の体調がおかしいと感じたら、病院に行きます。
薬を出してもらい、数日もすれば大抵の場合、元気になります。
私も最初のうちは、子どもの症状を見て
「今は大変な状況だけど、そのうち良くなるだろう。」
という位の軽い気持ちで、病院の診察を受けました。
子どもの血液検査が行われ、様々な食物にアレルギー反応をしているということが分かり、それらを除去する生活が始まりました。
ところが、症状は悪化する一方。
とりあえず、何とか改善策を知りたいと思い、診察してもらう病院を変更。
が、診察結果は同じで、処方される薬、アドバイスも同じ。
アドバイスを守っているにも関わらず、さらに状況は深刻になり、評判のいい病院を転々と巡るのですが、食物以外の原因は分かりませんでした。
という仮説のもとで検査が行われるために、他の物が原因だということは、なかなか発見しにくくなります。
私の子どもの場合は、
という考え方のドクターに出会って、はじめて原因が分かりました。
化学物質が様々な問題の原因になるという理解をされている病院は、2020年現在、増えてきましたが、まだまだ数が少ない様に感じます。
そんな中で、化学物質の問題も視野に入れながら診察をしてくれる病院を見つけるには、次の点がポイントになるはずです。
- 病気の理論的な話と同時に生活スタイルも踏まえて話をしてくれる
- できるだけ薬を使わない治療を目指している(漢方薬推奨の医院)
- 院内の建材にこだわっている(ビニルクロスなどを使用していない)
HPなどを見て、これらを満たす病院なら、多面的な視点から診察していただける可能性が高いという印象があります。
原因がはっきりしない、アレルギーやアトピー、化学物質過敏症の様な方からすると、生活をトータルに見て診察して欲しい…と願うのが当然です。
ところが、ドクターになるための道のりは、専門性が高い故にこの様な視点が抜けてしまうこともあるそうです。
こちらの本を読むと、病院の素晴らしい点と課題が見えてきますので、病院を選ぶ際の参考にもなります。
【体験談】化学物質に触れる機会をとことん減らす工夫
私の子どもの場合、ドクターに次の様なことを言われました。
- 食品は、添加物などが入ったものはもちろん、農薬もさける
- 水道水はできるだけ使わないように
- 衣類はオーガニックコットンのものに
- 試しでもいいので、築年数の古い家にいくこと
この時に、私たちの生活は化学物質だらけだということを痛感しました。
実際にどんな生活を送ったのか、簡単に紹介します。
食品は、添加物などが入ったものはもちろん、農薬もさける
少しでも加工されたものは、生活から消えました。
何を買うにしても、原材料を見て買ったり、産直の野菜などを購入する生活です。
調味料も使えるものが限定されて、ソース・ドレッシングなどはもちろん、生活から消えていきました。
また、醤油でさえも、どの様に生産されているかを調べて購入することに。
慣れるまでは、スーパーで買い物をするのも時間がかかったのも想像できるかと思います。
ただ、良かった点は、この機会に味噌や醤油作りを自分でも挑戦して楽しめるようになったことです。
現在は、大徳さんのお醤油と共に生活をしています。
水道水を使わない生活は現実的にかなり無理
水道水の塩素への反応も見られたために、浄水器の設置を考えました。
ただ、住まいが発する化学物質が原因の可能性もあるために、引っ越しも視野に入れる必要があります。
それも考慮すると、高い高性能な浄水器をすぐに購入する訳にもいきません。
そこで、この機会に、湯治にも挑戦しようと思い、次のことをしました。
- 飲料水・調理用の水は地下水を汲みにいく
- 天然温泉に通う
一番、近くの天然温泉まで車で片道1時間。
それでも、週に4〜5日は通い続けました。
衣類はオーガニックコットンのものだけを選択
衣類はコットン100%のものであれば、問題ないと思っていたのですが、大きな間違いでした。
コットンと一言で言っても、オーガニックコットンとコットンでは雲泥の違いがあることが分かりました。
また、衣類も綺麗な形状を保つために化学物質で処理されていることを知ると、購入できる商品は、限定的になってしまいました。
住まいが化学物質だらけの空間だと気付く
最も重要なのことが、住まいの問題。
ドクターの説明によると、近代的な住まいは、
- ビニルクロス
- 複合フローリング(一般的なフローリング)
- 家具 など
から、たくさんの化学物質が揮発しているために、揮発が完了したと考えられる築20年以上の建物で様子を見ようということでした。
無理を言って、条件に該当する建物に、長時間滞在させてもらった結果、自宅にいる時より、苦しさが軽減されている様に感じました。
これで、原因は分かったのですが、
ということになります。
と、言っても、明日から生活できる化学物質のない住まいなんてものがすぐに見つかるはずもありません。
代わりに生活できる場所が見つかるまでは、
という生活が余儀なくされました。
自宅にいると化学物質に反応するために、夜中にベビーカーに乗せて3時間ほど散歩に出るということも夫婦交代で行いました。
その当時は、自分の家で家族全員がぐっすり眠ること…そんな当たり前の風景が当たり前の夢だったのです。
ただ、こんな生活をこれからずっと続ける訳にはいきません。
とにかく安心して暮らせる家を手に入れよう…と決意しました。
化学物質に触れる機会を減らして感じたことと結果
現在、子どもは全ての問題をクリアして、とても元気に過ごしています。
化学物質に触れて反応するということはなくなりました。
化学物質に触れる機会をとことん減らして感じたこと
化学物質に触れる機会をとことん減らす工夫をすると、
- 対策をするのに膨大な時間が取られてしまう
- 生活に使用するもの全てのコストが上がる
ということを痛感しました。
また、これだけの努力をしても、外部からの影響を受けるために、化学物質を分解する力も借りる必要はあると強く感じました。
幸い、我が家の場合は、家を購入する決意をし、様々な化学物質を分解する自然素材の家にしたために、引っ越しをした初日に、自宅で家族全員がぐっすり眠るという夢が実現しました。
これからの時代、私たちが大切にしたい考え
- 自然は素晴らしい力をもっているということを認める
- 100のうち1でも自然により近いものを使う意識をする
この2つは、これからの時代、大切にしたい考えです。
化学物質を分解する自然素材というと、「あり得ない」という声を聞くことがありますが、生きた自然は、普通に化学物質を分解をしてくれています。
もし、自然が化学物質を分解する能力をもっていなければ、空気は汚れきってしまい、すでに生活をするのが困難な状況になっていることでしょう。
自然は、歴史の中で様々な問題点を乗り越えてきた素晴らしい能力をもっています。
ところが、現代は、その分解能力以上に化学物質が使用されているために、化学物質に悩まされる方が増えてきているのです。
化学物質があることで、私たちは便利な生活を送ることができていますが、その背後にはこの様な問題も身近に迫っているということを知って欲しいと思います。
一人一人が、100のうち1でも自然なものを使おうと意識することができたら、いいなぁと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
また、次の記事も化学物質過敏症かなぁ?と思われている方にとっては参考になると思います。