様々なところで、私たちが施工している住まいに、
という話をしています。
すでに、私たちは無塗装の無垢材を扱って10年以上になりますから、無塗装であることが本当の無垢材であるという認識になっています。
ところが、建築について勉強をされた方からすると、無塗装の木材をしかも床材として使うのは信じられない…と言われます。
例えば、ヤフー不動産に次の様なやりとりがあります。
Q.無垢材の床を無塗装っていうのは、良くないのでしょうか?
A.油系のワックスに限らずそう言ったものは着色的要素の場合もありますが木材保護の為にかける事がほとんどです。(中略)木材自体にわずかですが油分はあるのでこぼしてもすぐふき取ればそれほどすいこまないけれど、色の濃いものをこぼせば跡はつくと思った方が良いですね。全体的に汚れて(というかくすんで)いけばそれほど気にはならないけど。
A.Waxはかけた方が良いと思います。無垢の無塗装だと汚れが染み込んでしまいます。広葉樹の堅い木ならまだしも杉は柔らかいのでなおさらです。我が家は赤松の無垢板を貼りましたが天然素材の蜜蝋Waxを自分で塗りました。ウレタン塗装のように無垢の素材を台無しにしてしまう事もありませんし自然な感じで良かったと思います。
ヤフー不動産より抜粋
https://realestate.yahoo.co.jp/knowledge/chiebukuro/detail/1013872985/
一般的には、木材を保護するために、塗装をするという考えなのですが、私たちの場合、
- なぜ、塗装をしないでくださいというのか?
- なぜ、塗装が不要な杉の無垢材ができるのか?
という点について詳しく解説します。
結 論
この様に表現するとスピリチュアル的に聞こえますが、実績をもとに解説します。
これまで、様々な住まいでメンテナンスをしてはいけない杉の無垢材を使ってきましたが、
- ささくれができて困った
- 汚れたけれども全然落ちない
と言った問題があり、現場にかけつけた様なことは一度もありません。
一般的に無垢材も塗装をする必要があると言われる理由
なぜ、多くの人が塗装をした方がいいと言うのでしょう。
理由は、先に挙げたヤフー不動産のやりとりを見ても分かる通り、
- 木材を保護するため(汚れ・ささくれ等の問題を防ぐ)
- 好みの色味に仕上げるため
です。
塗装に関する詳しい話は、無垢材のフローリングにワックスは必要か?【本物の無垢材であれば不要】で紹介していますので、参考にしてください。
さらに、ここではもう一歩踏み込んで、
さらに深いところまで見ていきましょう。
木を乾燥させる際に、木の繊維が痛んでしまう
山で切り出したばかりの木はたくさんの水分を含んでいます。
このまま、建築物に使用すると、水分が蒸発し変形したり体積が変化するためによくありません。
お味噌汁に入れる乾燥わかめや干し椎茸をイメージすると分かりやすいです。
そこで、木材を乾燥させる様々な方法が考えられてきました。
もちろん、現代でもどの様な乾燥方法が早く、質感が損なわれないのか…研究は行われています。
現代、一般的には、次の2つに大別することができます。
- 人工乾燥(機械的な力を使って乾燥する方法)
- 自然乾燥(風通しのよい場所で時間をかけて乾燥する方法)
それぞれメリット・デメリットがありますが、自然乾燥をさせた木の方が、木の繊維は壊れないために丈夫で質感も高いと言って間違いないでしょう。
ところが、自然乾燥をさせた無垢材でもオイル塗装は必要だと言われることが多いのが現状です。
自然乾燥の木材は乾燥期間が長い
木材を自然乾燥させるとなると、一般的には数年という年月が必要になります。
薪の場合は、変形などを一切気にしなくてもいいために乾燥しやすいように木を割っていきますが、それでも乾燥に最低でも半年は必要だと言われます。
建築物に使われる大きな木になると、相当な時間が必要だということは想像できるはずです。
そこで課題となるのが
です。
もともと木がもっている油分によっても手触りなどが変わってきますが、いずれにしても油分が少なくなるとカサついた感じがすることは想像できると思います。
反対に油分がしっかりと残っていると、表面に艶が出て、しっとりとした感じがするものです。
と、いうことは、理想は、
が実現できるといいということになります。
一般的な自然乾燥材と香りや油分が異なる音響熟成®︎木材
これまで施工されてきたお客様にも、木材のことを知って欲しいと思い、音響熟成®︎木材が寝かせてあるメーカーにできるだけ足を運んでいただくようにしています。
長い付き合いとなる住まいのことですから、産地もしっかり見て欲しいという想いです。
当然、私も何度も訪問していますが、乾燥用の機械は一切なく、煙突1本ない山の中で、大事に熟成されています。
木材が寝かせてある倉庫の温度は、38度前後に保たれているにも関わらず、音楽による振動で木の水分を抜いているために、乾燥にかかる時間が大幅に短縮されているのです。
音楽による振動…こういうと違和感があるかもしれませんが、木は建材になっても生きているという視点で見れるようになると、違和感はなくなります。
そのため、乾燥の際の課題であった、
- 油分
- 香りの成分 など
が残されたままの無垢材となるために、オイル塗装などが不要になるということです。
つまり、塗装やメンテナンスのことを気にせず、素足の生活が楽しめる住まいが作れるのです。
素足の生活の良さは、裸足で暮らしたい!裸足保育と運動能力・集中力との関係をご覧ください。
ただし、音響熟成®︎木材も経年とともに変化します
冒頭でも触れましたが、空気がうまい家®︎を作る際に、音響熟成®︎木材を使用しています。
私自身、建築に長く関わってきましたが、これほど木の質感が楽しめる木材はないと思っていますが、もちろん人それぞれ好みがあります。
経年と共に色も変化していきます。
この変化を味わいととるのか、劣化ととるのか…個人差がある部分でもありますが、気になった場合は、ぜひ、体感して欲しいと思います。
私たちは、京都を中心に、滋賀・大阪・奈良などの施工がメインですが、ブログを通して様々な地域の方々からお問い合わせもいただいています。
地域が遠い場合、私たちと同じ理念で住まい作りをしている会社をご案内していますので、お気軽にお問い合わせよりメッセージをください。