新築をするにしても、リノベーションをするにしても、どの会社と話を進めたらいいのか…誰でも悩むものです。
当然、いい住まいをを作ってくれる会社と話をすすめていきたいのですが、
という方も多いことでしょう。
実際に、私たちのところにその様な相談のメールをいただくこともあります。
今回は、ハウスメーカー・工務店を問わず、どの様にして会社を選べばいいのか、ハウスメーカーに勤務していた頃の経験も踏まえて、紹介します。
結 論
理念と直感重視
ただし
自分の直感が信じられるまで学ぶこと
長いお付き合いをするものだからこそ、理念やあなたの直感が大切になります。
これまで、ハウスメーカーに勤務していた頃から1000棟以上の住まい・店舗などの建築に関わって経験してきたことを踏まえて、こう言える理由を解説します。
どの工務店もハウスメーカーの評価は人によって180°異なる
いい住まいで生活したい…と言っても、いい住まいとは何でしょう?
オシャレな住まいは格好いいと私は思いますが、オシャレであれば良い住まいかというと、当然、私の感覚ではもの足りません。
けれども、とにかくその雰囲気が好きだ!と契約される方もいらっしゃるのも事実です。
最近は、ネットなどで口コミを参考にすることもあると思いますが、
ということは、前提として捉えておく必要があります。
住まいの評価が人によって大きく変わる事例
上の写真は、私たちが施工している空気がうまい家®︎ですが、特に10年以上前は散々な評価でした。
- こんな節だらけの家に住みたい!っていう人がいるの?
- 普通、節は隠すものでしょ。
- 普通、床も塗装はするのが常識で、一切、塗装をしないなんて考えられない。
この様に言われることもありましたが、最近では、
- 節がなんともいえない味わいがありますね。木って感じがします。
- ツルツル・テカテカがじゃなくて自然の肌触りがいいですね。
- 古くなったこの木材の方がいいので、古いもので施工できない?
と言われる方が増えてきました。
全く同じものを見ても、これだけ評価が分かれますが、どちらの意見も正しいです。
パッとみたところだけでも、これだけ捉え方が違うために、見た目以外の部分の評価も人によってまったく変わるということは、絶対に忘れてはいけません。
評価する視点は大事だが、トータルにみて検討することが重要
最近では、住宅に関する情報は収集しやすいために、勉強熱心な方は、たくさんの資料を集めてハウスメーカーや工務店を評価して、施工を依頼する会社を決めるという方もいらっしゃいます。
例えばこの様な感じの評価です。
耐震性 | デザイン | コスパ | 断熱 | 材質 | |
メーカーA | 5 | 5 | 3 | 4 | 5 |
B工務店 | 4 | 4 | 5 | 4 | 5 |
私が会社選びに関する質問を受けた時は、この様な評価の仕方は絶対にしてはいけない!と伝える様にしています。
理由は次の通りです。
です。
通知表に優秀な数字が並ぶ人と仲良くなれるか?
住まいは、これから長いお付き合いをしていく大切な家族です。
当然、あなたが新築やリノベーションをしたのであれば、ずっと家を好きでいたいと思うでしょう。
人付き合いと同じで、成績がいい人だからと言って、その人の事が好きでいられるかというと、そうとは限りません。
反対になんとなく気が合う・なんとなく好きだ…というだけでも、ずっと長いお付き合いをしている友達がたくさんいるはずです。
住まいづくりは、野菜嫌いな子こどもが自分で育てた野菜が好きになるのと似ている
野菜嫌いな子どもが自分で育てた野菜を突然パクッと食べて「美味しい!」ということもあります。
また、自分で調理したものだと「美味しい!」という事も多々あります。
明らかに、プロの農家さんが育てた野菜、シェフが作った料理の方が成績(スペック)が良いでしょうが、好きになる、飽きる…というのは、それだけでは決まるものではありません。
食べ物の好き嫌い一つを見てもとても奥深いものです。
詳しくは、食べ物の好き嫌いを激減させるヒント【本能が感じる苦味を理解する】を参考に。
私は、過去に大手ハウスメーカーで仕事をしてたために、かなり高スペックな住まいを作ってきました。
では、その頃のお客様の満足度がかなり高いか?と言われると決してそうではありません。
満足度が低い訳ではありませんが、現在の方が、「あぁ…よかったわ」としみじみ言われることの方が圧倒的に多いです。
だからと言って、家づくりについて学んでも無駄という事が言いたいのではありません。
むしろ、家づくりについてたくさん学んで欲しいといつもお客様には伝えています。
家づくりを学ぶことは自分を信じる材料を増やすこと
家づくりをする会社選びの基準は、冒頭でも伝えた通り、
がとても大切です。
でも、通常は一生に一度の買い物ですから、多くのことを学び、ハウスメーカーや工務店を巡りながら検討をすることになります。
ただ、学びすぎると、どの会社も良く見えてしまい、頭が混乱するということもあります。
その時に頼りになるのが、直感です。
直感というと、とても安易に聞こえますが、あなたの直感はこれまでの生き方を全て反映させた上で成り立っているということです。
佐藤ゆきこさんが「直感」について、とても分かりやすいTweetをされていました。
感覚的というのは当てずっぽで根拠がないことを言うんじゃないよね。
— 佐藤ゆきこ/yukiko satoh (@yuki000521) 2020年11月22日
5感フルに使って引っ張りだす行為が「直感」なんだと思うよ。
自分の経験や知識というデータベースから、無意識レベルの爆速で処理する能力が直感力。
感覚的な人ほど勉強も挑戦も失敗もしまくってきてること知らない人が結構多い。
とは言っても、自分の直感が信じられない…のであれば、直感が信じられるようになるまで、住まいづくりについて学ぶことです。
この様なイメージです。
住まい作りって何が正しいんだ?
自分から相談し、学ぶしかない
これだけ学び・体感もしたから直感を信じよう
こう捉えると、佐藤ゆきこさんがTweetされていた内容もしっくりとくるはずです。
そして学ぶ段階の具体的方法は、
これに尽きます。
もちろん、現代はネットで様々な情報を得ることもできますが、住まいの香り、個性、空気感、作り手の気持ち、理念など重要なことは、住まいそのものと出会ってみないと分かりません。
一手間かかりますが、納得するまで、そして自分の感性が信じられるようになるまで、様々な会社を訪問されることをオススメします。
どの工務店・ハウスメーカーも直接見て欲しいという気持ちで仕事をされているはずです。
先日も、私たちの施工している住まいを見学したいという方が来てくださいました。
私たちの場合、どのお住まいも誕生まで様々なドラマがあり、それに応える形で住まい作りをしているために、見ていただく機会があるというのは、息子に新しい友達ができる様な感覚と同じなのです。