【室内でリラックスしたい】自然のままのものを取り入れるべき!

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九谷田 義之

不動産・施工に関するお金に詳しい人。同じ費用をかけるなら本当に重要なところに費用をかければいい。削減できるところは削減も惜しまない。なぜかお客様の子どもに愛される。

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「現代人は忙しい」などとよく言われますが、改めて考えてみると不思議なものです。

人はより便利な暮らしをするために、便利なものを作ってきましたが、その分、時間の余裕ができたというわけでもありません。

例えば、

自動車が開発されたから、移動につかっていた2時間が浮いた!

断片的に見るとこう言えるはずなのに、絶対にこの様にならないのが面白いもと思います。

住まい作りについても同じ様なことが言えます。

優れた性能のものに囲まれるとリラックスできる住まいになるのか?

今回、この問題について考えていきましょう。

 

長く多くの人に愛されてきたもののほとんどが自然の産物

「日本で美しいものと言えば何?」と尋ねるとあなたは何を思い浮かべるでしょう。

私が海外の子ども達に質問すると、

  • 富士山
  • 神社・寺院のお庭
  • 沖縄の海 など

の答えが多いものです。

もちろん、あなたが海外在住でなくても、日本の自然の風景は美しいと感じるはずです。

反対に、ビルがたくさんあつまった大都会の街並みが美しいとしみじみ感じることは少ないでしょう。

この感覚はどこから誕生したものかを断定することは難しいですが、何万年もの間、人は自然と共に生活をしてきたために、自然のものを見ると「なんとなく美しい」と感じると考えられます。

近年、モダンでお洒落と言われる幾何学的な形状のビルや住まいが建ち始めたのは、主に戦後ですから、人類史で見るとその形状と付き合ってきた期間はとても短いということになります。

 

テレビが普及しはじめた頃のテレビは超格好良かった

1960年代に一般家庭に普及したテレビ

1960年代に一般家庭に普及したテレビ

上の写真は、今では、滅多に見ることのない初期の頃のテレビです。

この様なテレビが世にで出した頃は、「超格好いい!」ともてはやされたそうです。

もちろん、今でもこうした形状のものが好きな方もいらっしゃいますが、一般的には「超格好いい!」とか「美しい!」とは言われなくなってしまいました。

およそ50年〜60年の間に技術が大きく進歩してテレビの形状も大きく変わったためです。

当然、現在はとてもスマートなテレビになりましたが、50年後、今のスタイルのテレビが「格好いい」とか「美しい」と感じられるかはよく分かりません。

住まい作りを考える際、この視点は大切です。住まいの場合、年数が経ってきたし、買い換えよう」という訳にはいきません。50年・100年経過しても「味わいがあるなぁ」と感じられる様にする必要があると考えています。

そう考えると、長年愛されているものは何か?という目で周りを見る必要が出てきます。

 

自然が作り出す風景は今も愛されている

 
 
 
 
 
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「時代の流れがかなり早い!」と言われながらも、上の写真様な風景は、50年前も今も大きく変わることなく、「いい風景」として私たちを癒してくれます

直接、生活の役に立つものではありませんが、きっと、50年後もこの様な風景を見て「いいなぁ」と感じる人はたくさんいると思います。

また、源氏物語などの日本文学が海外で今でも愛されているのは、優しさと自然の風景の美しさが感じられるためだとも言われています。

そして、何より私たち祖先が馴染んできたものには、私たちも「癒し」を感じるものです。

ところが、近年技術が先行し過ぎたあまり、「馴染んできたもの」が暮らしの空間から減り、その結果様々な問題も出てきてしまいました。

 

家でリラックスしたいのなら自然のままのものを取り入れる

空気がうまい家®︎

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現代人が抱える癒しを中心とした現状と考えられる問題の解決策を紹介します。

 

近年、私たちが抱える大きな問題の現状と要因

リラクゼーション関連の市場は拡大し、抗うつ剤の市場も拡大する一方です。

抗うつ剤市場規模の推移

なぜ、うつ病は増えたのか(https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1409/29/news027_3.htmlより引用)

 

リラクゼーション市場に関する調査

リラクゼーション(ボディケア・リフレクソロジー)市場に関する調査(2019年)より引用(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2356)

 

生活が便利になっているにも関わらず、心身的な疲労を感じ、。

もちろん、住まいの質という視点で見ても、高気密高断熱の住まいも増え、サッシも高性能になり、住設機器のレベルも高くなっています。

それなのに、心身に関する問題が大きくなっている要因の一つは、

機能的なものを詰め込み過ぎ、自然のままのものが室内にないため

と言えます。

その証拠に、私たちは森林に行くとリラックスできるということが様々な研究で明確になりました。

森林浴の効果は驚異的に高く、マッサージや温泉などに行くよりも大きな効果があります。

 

自宅でも心身ともにリラックスできることに目を向ける

住まいづくりをする上で、何を重視するかは人それぞれです。

耐震性・断熱性・広さ・デザイン…どれも大切なことですが、これまで見てきた通り、私たちは自然の中の一部であるという観点から、

生物的なものに囲まれて暮らす

ということは、特に大切にしたい点です。

実際に九州大学の研究では、実際に新建材の建物と天然材(杉)の建物を2棟建てて実験を行った結果、生物的なものに囲まれた暮らしでは、次の様なメリットがあるということが分かりました。

  1. 作業中唾液中のアミラーゼが増加・交感神経が強く活動
  2. 作業中の脳波が急速に回復した
 

人類の歴史を見ると、当然とも言える結果で、このメリットは相当大きなものです。

自然のままの材料で住まいを作ると、どれだけ忙しい日々を過ごしていても日常的に自然に触れることができるためです。

 

長く愛されて続けているものにはそれなりの良さが必ずある

便利なものが次々と開発される社会ですが、そんな中でも100年以上愛されているものはたくさんあります。

ここでは、日本庭園を例に挙げましたが、日本庭園が直接的に私たちの暮らしを良くする訳ではありません。

それでも、ずっと愛されているというのには深い訳があると感じながら、住まいや暮らしを見直したいと思います。

物理学者のアインシュタインは次の様に言っています。

自然がその秘密を隠すのは、本質のしからしめる高貴さのためであって戦略ではない。
この言葉の意味を深く味わいながら、住まい作りをしていきたいと思います。
 
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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