植物には不思議な力があると言われ、様々な研究が行われています。
近年では、植物同士でコミュニケーションをとっているのではないか?と考えられる実験結果も次々と発表されています。
もちろん、まだまだ解明されていない謎もたくさんありますが、植物の不思議と偉大さは、日々の私たちの暮らしからも存分に感じることができます。
ここでは、
という話を紹介します。
私たち人間は、様々な優れた技術を開発してきましたが、時には、自然の世界にも目を向けて、自然の偉大さを感じ、ホッとする時間をもつことも大切だと思います。
次回、あなたが大根を食べる時に、今日の話を思い出してくれると嬉しいです。
私たちが普段食べる大根は、茎と根っこの部分!
大根を育てたり、畑に生えている姿を見たことがある人は、大根が地上にはみ出している姿を見たことがあるはずです。
ちょうど、上の写真の様な感じです。
通常、多くの植物は、「根」を地中にどんどん伸ばしていくのに、大根は上に出てくるのです。
畑の耕し方が甘く、根が伸びる事ができないのか?と思ったり、大根は土の中なのか、外なのかも分からない馬鹿な植物なのだろうか?と思ったものですが、そうではありませんでした。
大根の地上に出ている部分は、茎だった。
私たちが食べている大根の白い部分、全てが根っこだとすると、根っこから直接、葉が生えている摩訶不思議な植物という事になります。
そこで、上の図の様にカイワレ大根と大根を比較してみましょう。
少し見方を変えると大根の上の方は茎だという事が分かります。
大根は、土が硬くて困っていた訳でもなく、馬鹿でもなかったのです。「大根」という漢字に惑わされていただけだったのです。
かいわれ大根は、大根の味が確かにする!
かいわれ大根の主な部分は、茎です。
根も葉もまだまだ小さいにも関わらず、食べた瞬間に大根独特の辛味を存分に楽しむことができます。
やはり、茎が大根の一部になっているという事です。
大根を切り刻んだり、大根おろしにするとなぜ辛いのか?
私は、大根の辛味が相当好きですから、大根の先の方を勢いよく下ろして大根おろしにします。
ところが、大根の辛味が苦手だという方は、大根の上の方をゆっくりと下ろして大根おろしにします。
同じ1本の大根なのに、なぜ下ろす場所や下ろし方によってこんなにも味・香りが違うのか?
あなたは疑問に感じた事はないでしょうか。
大根おろしの辛味が場所によって変わる理由
大根の辛味は、そもそも外敵から身を守るためのものです。
当然、地中にはたくさんの生き物がいます。
大根にとって根は、非常に重要な役割を果たす訳ですから、地中にいる生き物にかじられてしまうという事態は避けたいものです。
万が一、かじられたとしても、とても辛ければ、それ以降、生き物は近づくことはできません。
こうして、大根は「根」の部分を辛味成分たっぷりで守っていたのです。
一方、地上に出ている大根の「茎」の部分は、随分太く、頑丈ですから、外敵にやられてしまうリスクは「根」に比べると随分低くなります。
ですから、辛味成分を多くもつ必要はないのです。
おろし金に乗せられても大根は自分を守ろうとしている!
畑に生えている大根を抜いてしまうと、確かに、それ以上成長する事はありません。
けれど、まな板に乗せられたり、おろし金に乗せられても、立派に自分を守ろうとする機能は果たしてくれています。
その証拠に、
- 激しく力強く大根をおろす→辛味が強くなる(一生懸命身を守ろうとする)
- 優しくゆっくりと大根をおろす→辛味が弱くなる(全力で身を守る必要がない)
この様な特徴を、昔の人は経験的に理解していたのです。
そして、その特徴を活かして、様々な「おろし」を作ってきました。
つまり、
ということです。
この機能は、私たちが大根を口に入れる瞬間まで立派な役割を果たしていたということです。
そう考えると、引き抜かれた大根は、切り刻まれても、大根おろしにされても「生きている」のではないかと思うのです。
何百年・何千年と代々生きてきた植物には、それぞれ生命を守る工夫がたくさん隠されています。
そんな工夫を一つでも多く知りながら、生活ができたらどんなに豊かだろうなぁと思います。
昨夜は、大根の剣(つま)を蕎麦つゆにつけて蕎麦の様に夜な夜な楽しんでいました。
(大根の剣とつまは異なるのですが、そんな話は別の機会に)
これが結構、美味しいです。
ダイエットの事はよくわかりませんが、大根そばダイエット!大ブームになるでしょうか。
息子も「美味しい!」とガッツリ食べていましたが、時間差で大根に攻撃されたようです。
「辛い!辛い!」と水を飲んでいました。
大根は、私たちが食べた後も、体を守ろうとしているようです。