ヒアリの特徴は進化!ヒアリの日本上陸から私たちが学ぶべきこと

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住まいと人の成長は深い関わりがあるのか?そんなことを追求する。住まいとアレルギーやアトピー、学力との関係にも注目している。現在、国内外の子ども達と関わりながら、住まいに関する書籍や冊子などの連載も行っている。要するに住まいのオタクである。

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2019年10月中旬。

環境省は、蟻(アリ)の問題で次のような内容を発表しました。

強い毒性を持つ特定外来生物の「ヒアリ」が東京都江東区の東京港青海埠頭(ふとう)から周辺に飛び立った可能性が高い。

なんだ…ただの蟻の話かよ。

と思いたいところですが、相当手強い蟻のようです。

 

そこで今日は、

  • ヒアリとはどんな蟻なのか?
  • ヒアリが手強い蟻になった理由から私たちが学ばなければならないこと

をお伝えします。

 

ヒアリがたくましい!ヒアリの日本上陸問題とヒアリから学ぶべきこと

Wasmannia at EFN | Alexander Mikheyev | ミケエブUヒアリ | アレキサンダー・ミケェエブ

そもそもヒアリとは一体、どんな蟻なのか?

上の写真がヒアリです。

特別大騒ぎするような外観はしていませんが、実際どんな性質があるのでしょう。

ヒアリとは?
極めて攻撃的で、節足動物のほか爬虫類、小型哺乳類をも集団で攻撃する。
子鹿なども食べてしまった事例が報告されている。人間が刺されると、アルカロイド系の毒によって非常に激しい痛みを覚え、腫れあがる。毒に対するアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を引き起こす可能性も高く、アメリカでは年間で被害は1500件近くになる。
確かに、これほど攻撃的であると気になるところですが、さらに重大な問題は、いったん繁殖してしまうと、ヒアリの根絶はきわめて困難ということです。

環境省のHPには次の様に書かれています。

ヒアリが定着した国々では、莫大な費用をかけて駆除を行っていますが、ニュージーランドを除いて根絶には至っていません。ニュージーランドは、定着初期に徹底した対処を行ったため、唯一根絶に成功しています。また、根絶後も再び侵入定着しないよう警戒を続けています。

環境省 ヒアリの基礎情報より抜粋

ここで、私たちはヒアリが恐ろしい蟻だということを伝えたいのではありません。

  • なぜ、ヒアリはこれほど凶暴になったのか?
  • なぜ、根絶が難しいほど生命力が強いのか?

この点についてもう少し詳しくみていきましょう。

 

なぜ、ヒアリは子鹿さえも襲ってしまうくらい凶暴になったのか?

ヒアリの研究で知られるフロリダ州立大学生物学教授のウォルター・シンケル氏はこの様に言われています。

人間はヒアリにとって最良の“友人”です、

詳しく解説します。

 

基本的に、動植物は、様々な種類の生き物が生息していることを好みます。

当然、その方が、食べるもの(栄養となるもの)が豊富であるために生きやすくなります。

ところが、近年は人間の都合を最優先するあまり、多くの動植物が絶滅の危機にさらされてしまいました。

と、いうことはヒアリにとっては、とても生きにくい社会へと変化してしまったのです。

ところが、ヒアリは、突然変異をすることで、種族が保存されるようにしたと言われています。

具体的には、

  • 女王アリは一匹でなくてもいいという生き方
  • 水害でさえも乗り越えることができる移動手段を身につけた
  • 他の虫が死ねば自分たちの大きな巣を作ることができるという発想

を手に入れました。

一般的な蟻をはじめとする昆虫の生き方と真逆の環境を好むにようになったのです。

 

女王アリは一匹でなくてもいいという生き方

これまでは、ヒアリも1匹の女王アリに対して1つの巣を形成して生きてきました。

ところが、近年はヒアリの巣も巨大になり、産卵能力のある女王アリが1つの巣に何匹も見られるようになったのです。

人間で言うなら、山の中に一家族だけで暮らしているより、安全性を高めるために多くの家族が暮らす「村」を作っていったのと似ているような気がします。

蟻にもたくさんの種類がありますが、一つの巣にたくさんの女王蟻がいるのはヒアリだけだと言われています。

つまり、これまで蟻の中で常識とされてきたことを破り、新しい形で種族を発展させて行こうとしている様子が伺えます。

 

水害でさえも乗り越えることができる移動手段を身につけた

通常、蟻のように地面で生息する昆虫は、大きな水害にあうと命の危険にさらされてしまいます。

ところが、ヒアリはこの水害でさえ、乗り越える方法を身につけました。

一匹のヒアリではどうすることもできない水害ですが、群れを作り大きなイカダを作って移動するようにしたのです。

 

他の虫が死ねば自分たちの大きな巣を作ることができるという発想

さらに、ヒアリの巣は驚くほどの大きさに成長する場合があると言われています。

最初は、小さな集団であっても、女王蟻は、1時間で平均して80個の卵を産め、1日で1000個の卵を産んでしまうという驚異的な繁殖力をもっています。

今回、環境省が「ヒアリが上陸した」と発表をしたのも、毒性がある上に繁殖力がとても高いためだと思います。

この勢いで、ヒアリが繁殖していけば、当然大きな巣が必要となります。

その際に、邪魔者がいないというのは、ヒアリにとって嬉しいことなのです。

つまり、手入れが行き届き、虫も生息しにくいような芝生の庭などは、ヒアリにとって最高の場所となるのです。

 

さて、あなたは大切にしなければならない自然のルールが見えたでしょうか。

 

ヒアリはどうやって日本に侵入してきたのか?

2017年に輸入されたコンテナからたくさんのヒアリが発見されて以来、2018年・2019年も輸入の際にヒアリが見つかっています。

当然、ヒアリの被害が出ないように殺虫剤(液剤)を集中的に散布・注入などが行われました。

また、ヒアリが発見された周辺に殺虫餌も設置されました。

 

何かを輸入する際には、あわせて海外からの虫や菌などが国内に侵入しないように防御する仕組みがあるということも覚えておきたいものです。

 

木材の輸入についてはこちらに詳しく書いています。

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ヒアリの凄まじい生命力から私たちが学ぶべきこと

ヒアリは、きっと人間や動物をこらしめてやろう!と思ってこの様な凶暴さや強い生命力などを身につけたのではないでしょう。

動物・植物が本来もっている種族の保存を第一に考えた時に、これまでとは違った生活環境を味方にしよう!という結論を出し、この様な性質を身につけたのだと思います。

ということは、ヒアリが恐ろしいから…という理由で、さらに彼らを脅かすような薬・撃退法を考えたとしても、それはきっと一時的な気休め程度のものになるのではないでしょうか。

つまり、私たち人間は、暮らし方や動植物との付き合い方を見直さなくてはならない時期に来ている…ということをヒアリは教えてくれている様に思います。

 

先日、少し涼しくなってきたので、庭の草抜きをしました。

わざわざ、時間を作って草を抜く作業をするなんて、手間です。

けれども、この手間をかける時間って本当は私たちが大切にしなくてはならない時間だと思うのです。

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