新しく住まいを新築したり、リフォームをするとなると、あんな家がいいなぁなんて想像するのも楽しみです。
そんな時は、住まいに関するCMを見たり、書店で本を見てもウキウキしてくるものです。
そんな方々からよく耳にするのが、「できれば無垢材にしたいのですが…」という声。
実際に、無垢材の床の家に行かれた方はこんな風に感じるようです。
今日はお友達の新築のおうちにおじゃましております。
無垢材の床がとっても素敵!
柔らかいから歩き心地がとても良い!うちの合板材の床とは大違いだ〜。
— おさかな (@star117head52) August 7, 2019
無垢材の床がとっても素敵!
柔らかいから歩き心地がとても良い!
うちの合板材の床とは大違いだ〜。
確かに合板とは何か違う感じがしそうですが、無垢材とは一体何なのでしょうか?
ちなみに、こんな営業マンがいらっしゃいました。
もちろん、住まいは無垢材となります。
私に言わせると、これは大きな間違いです。
このあたりのことも、最後までお読みいただければ、正しく理解できるはずです。
無垢材って何?フローリング販売店の営業マンも知らなかった真実
無垢材とは一体何か?正しく理解しておこう!
リフォーム用語集にはこう書かれています。
一本の原木から角材や板を直接必要な寸法に切り出したものの事。木本来の質感、風合いという面で魅力があり、化学物質を含まない自然素材としても注目されている。一番の特長として調湿作用があり、湿気の多い日は水分を吸収し、乾燥している日は水分を放出して湿度を一定に保とうとするため、『縮む』『膨らむ』という性質がある。また、コンクリートの約2倍とも言われる優れた断熱性があり、周囲の温度に影響されにくいため夏は涼しく、冬は暖かい環境を生み出す。
原木から指定のサイズに切り出しただけのものを無垢材と呼んでいます。
という風に理解して欲しいと思います。
反対に何かが加えられた木材というものがあるのか?
もしかしたら、じゃあ、何かが加えられた木材ってあるの?という疑問が湧くかもしれません。
実際に何かが木材に加えられたものは、たくさんあります。
防蟻木材とは?
例えば、防蟻剤が注入された木材というものがあります。
一般に防蟻木材と呼ばれ、ホームセンターなどでも販売されています。
木造建築物の劣化の主な原因の、イエシロアリやヤマトシロアリによる木材の採食を防ぐため、シロアリが建築物へ到達するのを阻止するために土壌に散布したり、木材を食べるのを阻止するために木材に塗布するアリ駆除剤です。
つまり、防蟻木材は、防蟻剤が加えられたもので、切り出しただけのものではありませんから、一般に無垢材とは呼びません。
合板とは?
また、合板(ごうばん)と呼ばれるものもあります。
まるい原木を巻紙をのばすように薄く切り取り、その木目が交差するように奇数枚張り合わせたもの。よく知られているものの一つに、ベニヤ板がある。
と定義されいます。
つまり、貼り合わせたものですから、貼り合わす際に接着剤などが用いられます。
ということは、これらも木を指定のサイズに切り出したものではなくなるために、無垢材とは言えません。
これらは、様々なところに用いられており。構造用合板という言葉があるように、住まいの見えない部分(壁下地材・床下地材)などに使われることも多いのです。
実際、あなたもこのような合板は、見かけたことがあると思います。
【問題】輸入された天然の木材は無垢材なのか?別物なのか?
Googleで「輸入住宅 無垢材」で検索をしてみてください。
面倒な方は、輸入住宅 無垢材の検索結果を見るをクリックしてくれれば検索結果のページが開きます。
たくさんの会社が、輸入住宅でありながらも「無垢材で…」と言われています。
ところが、木材を輸入するという時点で薬剤まみれに木材はなっているのです。
たとえ、丸太のまま木材を輸入しても、それらは薬剤まみれになっているのです。
輸入したものに薬剤を散布しなければならない理由がある!
薬剤の散布がいいとか、悪いとかということが言いたいのではありません。
という側面もあるからです。
例えば、琵琶湖はブラックバスの問題で悩まされています。
輸入をすることで、私たちの生活はとても便利になりました。
ところが、海外から物が入ってくると同時に、日本には存在しなかった菌・虫・植物が一緒に日本に入ってくるというリスクが生まれます。
木材の輸入も同様で、輸入された木材についても薬剤の散布が義務付けられています。
ですから、冒頭に紹介したリフォーム用語集の定義の物を無垢材と呼ぶのであれば、輸入木材に無垢材は存在しないのです。
より詳しく、輸入木材について知りたい方は、環境省に掲載されているファイルをご覧ください。
あなたはなぜ無垢材の住まいがいいなぁ…と思ったのでしょう?
あなたは、なぜ無垢材の住まいがいいなぁと思ったのでしょうか。
- 何だか暖かみがある。
- 家族が健康でいられる気がするから。
- 高級感があるから。
- アレルギーと住まいとの関係が気になるから。
こうした理由をよく耳にします。
もしあなたが、見た目の高級感だけを重視するというのであれば、輸入木材でもいいと思います。
けれども、より自然に、心地よさも欲しいから…と理由で無垢材を求めたならば、輸入木材の現状を知っておくことは重要です。
私たちは、居心地の良さを追究していますから、いずれ「無垢材」呼ばれれるものに何らかの基準が設けられることを願っているのです。
こんな事を知った上で、あなたの周りを見渡してみてください。
意外と「無垢」なものって少ないことに気づかされるものです。