自然素材を押しているハウスメーカーや工務店に行くと、大抵こう言われます。
うちの素材は化学物質を吸着してしまいますから…
でも、何となくしかイメージできないんです。本当なのでしょうか。正直、化学物質が吸着するってよく意味が分かりません。
こんな質問をいただきました。確かにその通りで、住まいに使われている材料が、都合の悪いものを吸い寄せて、綺麗なものだけを残す…。
そんな都合がいいことが可能なのでしょうか?
ですから、ここでは、一般的に言われる
漆喰や珪藻土がどの様にして化学物質を吸着するのか?
を詳しく紹介します。この仕組みをよく理解しておかないと、せっかく、漆喰や珪藻土の壁にしたけれども、効果が感じられなくなってきた…ということにも成りかねません。
こうしたことを防ぐためにも、最後までお読みください。
そもそも、吸着するってどういうことですか?
吸着って言葉は、化学で用いられる用語です。ですから、あなたがピンっと来ないのも無理はありません。Googleの解説によるとこう書かれています。
固体に気体が接する時、気体の一部が固体の表面に引きつけられる現象。
固体と液体、液体と液体、液体と気体との場合も起こる。
このままでは、イメージしにくいので、もっとも簡単な例を挙げて見ましょう。
吸着がもっとも分かりやすい事例は「濾過」
汚れたドロドロの水だって濾過をすれば、綺麗な水になっていきます。
この過程は、まさに都合が良いことがおきている訳です。汚い物質は、ろ材(濾過するために使われるもの)に吸い寄せられ、綺麗な部分だけが通過していきます。
例えば、濾過にもっとよく使われるのが炭。
あなたも聞いたことがあると思いますが、炭には無数の穴が空いています。
汚いドロドロの水をこの上に流すとどうなるか?
小さな穴には、小さなゴミが、大きな穴には大きなゴミが入りそうなイメージがもてるのではないでしょうか。実際にあなたがイメージした通りのことがおきます。
ユニチカコーポレイトサイトの動画を見ても吸着の威力を感じることができます。
住まいの壁面などが化学物質を吸着するとは?
例えば、自然素材の代表格でもある漆喰や珪藻土も化学物質を吸着するとよく言われます。
漆喰の材料となると消石灰にも、珪藻土にもたくさんの細かい穴が空いていますから、これまで見てきた炭と同じような吸着の性質があると言えます。
もちろん、室内の空気を綺麗に保つということを意図として、床下などに備長炭を敷き詰める方もいらっしゃいます。
ところが、このままでは、大きな問題が残る訳です。
京都大学 生存圏研究所の方も実験中に…
この炭は昨日も何度かコーラーを濾過したからなぁ…
今日はちょっと、威力が弱いかもしれないですね。
こう言われた訳です。
もう、あなたは問題点が分かったでしょうか?
ってことです。
どのくらいの期間で穴が埋まってしまうのかは、環境によって大きく左右されるところですが、20年・30年と穴に余裕がある状態を維持することは困難だと推測することができます。
数年に1度、壁面を新しく塗るなんてことは不経済です。
けれど、小さな穴が詰まってしまったら、吸着能力がなくなるってことも十分理解できるはずです。
こんなブログを書かれている方もいらっしゃいました。
珪藻土はホルムアルデヒドなどの化学物質を吸着する・・・これは本当。
ところが、珪藻土は微細な穴の中に、『化学物質の分子を取り込むだけ』ということで、
よく言われている『化学物質を吸着し、分解する』はどうやらウソ。
しかも、調べていくと・・・意外な事実に行き当たりました。
それは、一端 吸着された臭いは『室温が高くなると、再び放散されてしまう』
ということ。
そして、部屋が冷えてくると、又吸着する・・・これを繰り返えしている。
(Blog たたかう★アキラより)
漆喰や珪藻土が化学物質を吸着した後は?
理想を言えば、
珪藻土や漆喰にある細かい穴の中に入って来た不要なものが、消えてなくなればいいです。
それができれば、また細かな穴がたくさんできますから、半永久的にクリーンな空気環境を維持する事が可能となります。
浄水器でいうと、フィルターに詰まった汚れが消えてなくなるという事があれば、ずっとフィルターは活用できるというのと同じ事です。
そんな事は、果たして可能なのでしょうか?
例えば、葉緑素は半永久的に仕事をしている
葉緑素とは、葉っぱに含まれているもので、小学校で葉緑素がデンプンを作ると習ったはずです。
葉緑素は、太陽の光が当たると、栄養となるデンプンを作ります。ところが、葉緑素そのものが化学変化を起こしてデンプンになるわけではありません。
1日の仕事終えた葉緑素は、また翌日も太陽の光が当たれば、デンプンを作るのです。
つまり、植物が元気に生きている限り、重要な仕事をやり続けてくれるのです。
光や熱に反応してずっと仕事をしてくれるものを漆喰に混ぜると?
光や熱に反応してずっと仕事をしてくれるものを漆喰に混ぜると、ここまで見て来た「穴が埋まってしまう問題」もクリアできるかもしれません。
実は、葉緑素と同じような働き方をするものを「触媒」と言います。
品薬学会で発表されたものをまとめた資料を見てもこう書かれています。
光触媒を大気汚染物質に適用し、窒素酸化物のような無機ガスに加えて、多くの低濃度の揮発性有機化合物(VOC)を前処理する事なく酸化分解できる事を示してきた。
一方、光触媒は細菌やそれらが産生する毒素を破壊して無害化する能力もある。
つまり、光触媒や熱触媒の技術を漆喰に混ぜる事で、細かな穴に吸着された化学物質は分解され無害化され、また細かな穴が使えるようになる…こうした事が実現するわけです。
これによって、半永久的に不要なものを分解してくれる漆喰が生まれるわけです。
それが、空気がうまい家®で使用されている幻の漆喰です。
実際に幻の漆喰が塗られている家に住んでいる方は…
男の子が二人いるような家庭ですから、臭い成分でいうと凄い量が放出されていると思います。
普通なら、下駄箱内の漆喰の細かい穴は一瞬で臭い成分で埋まってしまい、臭いが残りそうなのですが、本当に不思議な事に臭いが残らないんです。
嘘だ!っていう方には、下駄箱の臭いを嗅いでくださいって言っても良いんですけどね。
こんな話をしてくださいました。
そんな不思議な漆喰も用いられている家が空気がうまい家®ですから、お手洗いに芳香剤を置く必要もありません。
そんな事はありえない!って思う方もいるかもしれませんが、嘘なのか、本当なのかは、あなた自身の目と体で感じて欲しいと思います。
梅雨や冬の寒い時期には、どうしても洗濯物を室内に干す機会が増えるのですが…
問題は、洗濯物が臭くなりがちということ。その臭いの原因は何で、どんな対策ができるのでしょうか。
こちらの記事も参考にしてみてください。
まとめ
- 珪藻土や漆喰が化学物質を吸着するのは細かな穴が空いているため。
- たくさんのものを吸着してしまうと、吸着能力は落ちてしまう。
- 幻の漆喰は、吸着した化学物質を分解するところまでしてしまうために、半永久的に機能する。
- 下駄箱の中の臭いでさえも幻の漆喰®︎はクリーンにしてしまうようだ。
今回、摩訶不思議のような話をお伝えしましたが、実は分解しない世界の方が本当は不思議なのです。
山には毎年落ち葉が大量に落ちますが、落ち葉がたまりすぎる事はありません。
自然はちゃんと分解するところまで考えられているのです。