最近では、様々なところで「介護」に関する話も聞きます。
もちろん、理想はご本人も周りのご家族も、最後の時を迎えるまで元気であって欲しい…というはずです。
ところが、年齢を重ねるにつれて身体に問題が出て来てしまいます。
その中でも意外と多い問題が、「足の痛み」です。
どうして、「足の痛み」に悩まされることになってしまうのか? いろいろと原因は考えられますが、スリッパの利用も原因の一つだと考えられています。
では、なぜスリッパを使うとよくないのでしょう。
詳しく解説します。
スリッパを履くと足の使い方が少し変わってしまう
日本人工関節学会のデータによると、下半身の関節の手術の件数が増えていることが分かります。
ただ、高齢者が増加しているために手術の件数が増加しているのか、人工関節の技術が高まり、手術が容易になったのか、様々な視点から見る必要はありますが、下半身の問題で悩みを抱えている人は増加傾向にあることは確かです。
そして、下半身の問題の原因は、スリッパとも関係があるのではないか?と言われています。
実は
これが、だんだんと足を辛くさせることになる原因になると考えられています。
スリッパは、履きやすく・脱ぎやすいもの
当たり前の話ですが、スリッパは履きやすくて、脱ぎやすいものです。
だからと言って、脱げては困る場面も多くあり、矛盾が多くある履き物です。
そして、私たちは、スリッパを履いて移動する時には簡単に脱げない様に、無意識のうちに変わった力の入れ方をする様になります。
普通に立っている状態だと何も問題はありません。
ところが、歩き出すとこの様にかかとの部分が不安定になり、脱げそうな感覚があるので、脱げにくいように、足の指に力を入れてスリッパを掴もうとします。
これが足首の動きを硬くしてしまう原因となります。
もちろん足指の筋肉は、かかと・ふくらはぎへと繋がっているために、通常行わない動作を加えながら足首を動かすという設計になっていないために足首が動く範囲が狭くなってしまうのです。
どのくらい、足首が動きにくくなるのかは簡単に試すことができます。
- リラックスした状態でアキレス腱を伸ばしてみる。
- 足の指を曲げて何かをつまむような状態にしてアキレス腱を伸ばしてみる。
足の指の動きがこれほど大きな影響をあたえるのか?とびっくりされたのではないでしょうか。
スリッパを日常的に履くということは、無意識のうちにこの様な負担を体にかけているということになります。
そして、こうした負担は嫌なので、自然と歩幅が小さくなる傾向が強くなってしまいます。
こうした生活を何十年も行えば、歳を重ねると共に何らかの問題が足回りに出てきそうだということは十分想像できるはずです。
コンクリート・アスファルト・硬いフローリングなども大きな負担
また、日常的に私たちが踏むものと言えば、コンクリート・アスファルト・硬いフローリングなどで、なかなか土を踏む機会はありません。
ところが、人も動物も100万年以上の歴史があると言われていますが、そのほとんどは、土や砂といった、多少の柔らかさがある場所で生きてきました。
当然、私たちの体は、「裸足で土を踏んだ状態が最もいい状態になれる」身体の作りをしているということです。
にも関わらず、近代に入って一気に、土を踏む機会というのは激減し、家に帰ってからも硬いフローリングで生活し、スリッパを履くという暮らしに変化しました。
これまで、人々が行ってきた身体の使い方と大きく異なる暮らしになってきているために、足回りの問題はなかなか減少しないのです。
残念な話になりますが、ツルツルの硬いフローリングでの生活でペットも悲鳴を挙げています。
では、この様な問題を解決するには何をすればいいのか?
生活の一部に従来触れてきたものを取り入れる
一番いいのは、家庭菜園などで日常的に土にふれる生活をすることです。
けれど、朝早くから仕事に行き、夜遅くに帰宅するような方や学業に忙しい子どもにとっては現実的ではありません。
また、地域によってはそんな場所を設けることさえ困難な場合もあります。
ですから、私たちの場合は、住まいをリノベーションをしたり、新築をするという場合には、無垢材(塗装やワックスなども一切ぬらない杉・音響熟成®︎木材)を床に用いることを強く進めています。
自然のままの状態のものを床にすることで、どれだけ忙しくても、帰宅さえすれば、従来、生物が触れてきたものに触れられるということが可能になります。
最近では、食品も電化製品も大きく進歩し、それぞれのものがいいのか、悪いのか…時には吟味が必要になってきましたが、なかなか正解が分からないという側面もあります。
そう考えると、住まいで自然が感じられる様に配慮するということはとても大切な気がします。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。