タワーマンションの最上階をお勧めできない意外な理由とは?

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住まいと人の成長は深い関わりがあるのか?そんなことを追求する。住まいとアレルギーやアトピー、学力との関係にも注目している。現在、国内外の子ども達と関わりながら、住まいに関する書籍や冊子などの連載も行っている。要するに住まいのオタクである。

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都会では、次々とタワーマンションがブームの様に建設されています。

そして、タワーマンションの最上階は、特別な仕様になっているケースが多々見られます。

今やタワーマンションの上の方に住むことが一つのステイタスの様になっているのかもしれません。

もちろん、私たちはマンションであっても空気がうまい家®スタイルでリフォーム・リノベーションを行うのですが、もし、物件を購入される前であるならば、「高層マンションであってもできるだけ下の階を選ぶことをお勧めします。」と伝えます。

今回は、その理由について詳しく見ていきましょう。

 

なぜ、タワーマンションが流行ったのか。

IT事業で大成功した人や有名な芸能人がタワーマンションに住んでいるとか…。

あなたもこうした噂を耳にしたことがあると思います。

もちろん、こうしたところに人が集まるのは、たくさんのメリットがあるからです。

また、建築基準法の改正もあり、こうしたものを建ててもいいことになったのも流行った背景にあります。

通勤に便利な立地条件

電車の吊り広告などを見てもよく分かる通り、タワーマンションの広告には必ずと言っていいほど最寄り駅までのアクセスが大きく書かれています。

しかも、最寄り駅まで徒歩数分以内の物件がほとんどです。

毎日の通勤時間が、例え10分の短縮であっても、往復で20分。

一週間で100分も短縮され、月単位で見ると約400分も短縮されるのです。

分単位で忙しくしている人にとっては、この立地条件はとても魅力的なのです。

 

以前は、郊外に大きな住まいをもち、長い時間をかけて通勤するスタイルが主流だったのですが、時間がより貴重になった現代では、大きな住まいをもつことよりも、時間を優先させる思考が広がっているのです。

 

共有施設の充実ぶりが凄い!

大きなタワーマンションには、共有施設が付随しています。

また、販売側も共有施設を充実させてより魅力的に見せようとする戦略がとられています。

例えば、天然温泉の大浴場シアタールーム、ライブラリー、ゲストルーム、ラウンジまでもが共有施設として備えられているものがあります。

こうした施設が身近にあり、気軽に利用できるということは大きな魅力です。

通勤と同様、余暇についても無駄な移動時間を削減することができるのです。

もはや、ホテルとの違いは何なのか?なんて思ってしまいます。

 

いつでも綺麗で豪華なエントランス

昔から「玄関は家の顔」と言われた通り、それぞれの住まいの玄関は重要な重要な役割を果たしていました。

マンションでいうならば、エントランスです。

大規模なタワーマンションでは、ホテルのロビーを思わせる様な綺麗なエントランスの物件が多くなってきました。

世帯数が多いですから、管理費からマンション内を綺麗に維持するためのスタッフも雇えるわけです。

 

これまでは、自分の住まいを自分で世話をするというスタイルが主流だったのですが、その時間の確保さえ難しくなってきた方々には、こうした大型のタワーマンションの存在はとても有難いものなのです。

では、なぜ最上階が特別視されるのでしょうか。

タワーマンションの最上階に住む具体的なメリットとデメリット

タワーマンションの最上階が最も高額になるのは、単純に言えば人気があるからです。

では、その人気の理由は何か?

「眺望」です。

それも販売側は十分に分かっていますから、最上階の部屋の宣伝を行う際には、絶対に写真に眺望が入る様に撮影がなされます。

中には「高いところって怖い」という方もいると思いますが、多くの人は見晴らしがいいことに憧れるのです。

ですから、アベノハルカスなどは、景色を楽しむことが目的で訪れる人もたくさんいるのです。

さらに、見晴らしがいいということは、日当たりがいいということになります。

特に都心部では、建物が密集しているために、物件を選ぶときに日当たりの良し悪しが必ず話題に挙がってきます。

タワーの高さが高ければ高いほど、将来的にも日当たりが悪くなる可能性が低いために人気が高まるのです。

 

ところがデメリットもあります。

最上階となると、エントランスからの距離が随分長くなってしまいます。

当然、通常時はエレベーターで自分の部屋に向かうことになりますから、エレベーターの待ち時間は必ず生まれます。

また、夏は暑いというデメリットがあります。

これは、誰もがイメージできるのではないでしょうか。天井の熱が最上階に最も伝わりやすいために最上階は暑くなるのです。

実際に計測が行われた記事はこちら

http://suumo.jp/journal/2013/08/14/49977/

ところが、これらのデメリットは表面的であって、実は私たちは、全く異なった理由から、高層は避けた方がいいと考えているのです。

 

私たちがタワーマンションの上層を勧めない最大の理由とは?

実は、高いところに住むと人は精神的に不安定になりやすいという調査結果があります。

例えば、下のグラフの様に、6階以上の住居は死産の割合が高いという調査もあります。

平成6年度厚生省心身障害研究より抜粋

もちろん、この調査結果に関する賛否は様々にあります。

ただ、明確な証明はないものの、この様な結果が出る可能性はあるだろうなぁと思うのです。

 

私たちは、地面から離れた高いところに登ると本能的に恐怖を感じます。

その恐怖心があったからこそ、無茶な行動が抑制されて生命を繋ぐことができたのです。

小さい子どもと一緒に、タワーマンションの上層部に行くとどんな反応をするでしょうか。

室内にいるときには問題がなくても、ベランダなどに出れば「こわーい」と言う子が多かった印象があります。

 

つまり、タワーマンショんの最上階で暮らすと言うことは、本能的に感じるちょっとした恐怖と隣り合わせの生活が始まる可能性があるのです。

先ほどの調査結果の他にも、体調不良・精神疾患を訴える人の割合が高層階に住んでいる人は高くなる傾向があると言う報告もあります。

これらは、まだまだその理由がはっきりとしていない様ですが、こうしたリスクの可能性が高いところに敢えて高額を支払う意味があるのか?と思うわけです。

リスクがあるから安い…だから検討の余地があるのならまだ分かるのですが…。

どんなに豪華な住まいであっても、中で生活をしている人が楽しい生活を送ることができないとなると、途端につまらない住まいとなってしまいます。

 

自然から離れるということは、パフォーマンスを落とすこと。

ここからの話も感覚的ではありますが、あなたにも考えて欲しいことがあります。

もし、子どもを育てるならば、次のうちどちらの環境で育てたいでしょうか。

  • 時々、泥々になって帰ってきたり、擦りむいて帰ってくる様な遊びができる場所
  • 整備された遊びが準備されていて、いつでもスマートに遊べる場所

そして、それを選んだ理由を考えてみて欲しいのです。

 

これまで多くの文豪は温泉地や山の中で仕事をされていたのはなぜでしょうか。

また、多くの科学者も自然をたくさん見つめてきました。

そして、私たちもまた、リフレッシュすると言えば、田舎に足を運んだり、海に出かける人もたくさんいるのはなぜでしょうか。

こうした人の動きをみていると、根拠はまだまだ明らかにされていない部分も多いかも知れませんが、私たちは時々自然に助けられて、新たな一歩が踏み出せているのではないかなぁと思うのです。

これらが上手にできた時、私たちのパフォーマンスは向上し、

いつまでも冷酷で機能だけが重視された空間にいるとパフォーマンスは下がるのだろうと思います。

 

どれだけ市場が高値をつけようが、そこで暮らす方々のパフォーマンスが下がる住まいはよくない住まいだと思います。

ここならお料理も頑張れる!早く帰りたくなる!毎日が楽しそう!そんな住まいが、あなたのパフォーマンスをあげることになるのです。

 

俳優のジェームス・ディーンはこんな事を言っていました。

わたしたちは地球なしで、あるいはそれから離れて生きることはできません。

地球から目を背け、人間のことだけに気をもむようになったとき、人の心の中で何かがしぼんでしまうのです。

 

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