新築をするにしても、リフォームをするにしてもお金のことが気になるのは当然。
できるだけ安くて、良い家を手に入れたいと誰もが思うものです。
ハウスメーカーや工務店は、相当数あるために、どの会社に施工をお願いするのかある程度の見当をつける一つの材料として坪単価を参考にされる方も多いはずです。
2020年になり、新築をする場合の坪単価は、高いものだと100万円を超えて、ローコスト住宅だと20万〜30万円と、高低の差が激しくなってきました。
これだけ幅が広くなると、これから新築やリフォームをしていきたいと考えているあなたにとっては、価格以外に何を基準にみればいいのか、分かりにくいと思います。
そこで、この記事では
- 2020年大手ハウスメーカー・工務店の坪単価ランキング
- 坪単価がことなる要因
を解説します。
2020年大手ハウスメーカー・工務店の坪単価ランキング
ハウスメーカー・工務店は相当数ありますので、抜粋になります。
また、坪単価には明確な定義がありませんので、大まかな価格帯のイメージという理解でご覧ください。
アイフルホーム | 25〜60万円 |
三浦工務店 | 30〜40万円 |
タマホーム | 35〜45万円 |
ヤマト住建 | 40〜60万円 |
グレバリーホーム | 40〜70万円 |
木下工務店 | 40〜70万円 |
桧家住宅 | 40〜70万円 |
ダイワハウス | 40〜80万円 |
アイ工務店 | 50〜60万円 |
住友不動産 | 50〜70万円 |
ヤマダホームズ(SxL) | 55〜65万円 |
夢ハウス | 50〜70万円 |
三井ホーム | 50〜80万円 |
積水ハウス | 50〜80万円 |
一条工務店 | 50〜80万円 |
無印良品の家 | 60〜80万円 |
ミサワホーム | 65〜80万円 |
積水ハイム | 70〜85万円 |
ヘーベルハウス | 70〜90万円 |
スウェーデンハウス | 80〜90万円 |
会社によっては、ハイグレードの商品もあり、坪単価が100万円を超えてくるものもあります。
坪単価が大きく異なるのか?【主な理由4点】
基本的には、坪単価という考え方は非常に定義が難しいために、坪単価を元に施工を依頼する会社(ハウスメーカー・工務店)を絞り込むことはオススメできません。
坪単価を計算してもあまり意味がなかったという理由とは?こちらの記事で理由を解説しています。
とは言うものの、本記事では、概ね同条件の住まいを新築するにしても坪単価が異なる要因をまとめてみました。
ブランド力維持のための経費などの違い
特に大手ハウスメーカーさんは、ブランド力を高めたり維持をするために、テレビCM・新聞折り込み広告などにも力を入れています。
また、総合住宅展示場にもモデルハウスを構え、イベントを開催されています。
総合住宅展示場にモデルハウスを構えるだけでも相当な経費が必要です。
地域差はあるものの相当な費用が必要なのは想像できるかと思います。
- 敷地内に新築する費用 6000万円〜(グレードが高いため)
- 敷地利用料(家賃) 100万円〜/月
- 光熱費・人件費等 100万円〜/月
- 保証委託金 数百万円
これらの経費も考慮した価格設定をしないと、当然、会社は維持できないために坪単価がどうしても高くなる傾向になります。
一方、小さな工務店がモデルハウスを所有している場合、これほどの経費はかかりません。
- 自社の土地にモデルハウスを建てているケースが多い
- モデルハウス専用のスタッフは雇用せず、通常業務を行っているスタッフが来客の際に対応しているケースが多い
- そもそもモデルハウスの見学・利用については、予約制にしていることも多い
さらに、モデルハウスを所有せず、これまで施工をしてきたお客様の住まいを案内する形で、できるだけ経費を抑えている会社もたくさんあります。
使用する建材の質・レベルなどの違い
使用する建材によっても価格は大きくことなります。
例えば、一般的な住まいに使われるフローリングと私たちが空気がうまい家®︎に使用しているようなフローリングでは、価格が異なります。
また、構造材の質や断熱材など目に見えない部分でも使用する建材によって価格は大きく異なります。
この点については、十分理解できるのではないでしょうか。
造作家具などの仕様の違い
意外と見落としがちになるのが、造作家具にかかる費用です。
どうしてもある程度、規格が統一化されてがちな大手ハウスメーカーや大規模な工務店では、造作家具にかかる費用が高くなりがちです。
私も大手で仕事をしていたので、その経験を踏まえて理由を挙げます。
- 大工との阿吽の呼吸の様なものが形成しにくい
- ある程度規格化されているので、個別対応をするとコストがかかる
それぞれ解説します。
大工との阿吽の呼吸の様なものが形成しにくい
会社の規模が大きくなると、どうしても大工の人数が増えてしまいます。
そうなると、担当者Aと大工Aが常にペアを組んで仕事を進めることが困難になります。
そこの造作は、前の山田さんの家みたいなイメージ。
図面通りだけど、小さいお子さんもいるから、今回は山田さんのところより気持ち角をしっかり落とそうか。
そうですね。その方がご家族も安心でしょう。
こういう会話が成り立ちにくくなり、どうしても時間がかかる上に機械的な仕事になりがちになってしまいます。
ある程度規格化されているので、個別対応をするとコストがかかる
会社の規模が大きくなると、年間に施工する棟数も必然的に多くなります。
棟数が多くなると、作業効率も考える必要が出てきます。
極端な例を挙げると、次のような形になるより、全ての新築が和室は8畳というオーダーの方が作業効率がよくなります。
効率が悪い | 効率がいい | |
新築A | 和室は8畳 | 和室は8畳 |
新築B | 和室は6畳 | 和室は8畳 |
新築C | 和室は4.5畳 | 和室は8畳 |
この感覚なんとなく分かるかと思います。
よくオプションが高いと言われるのも、基本的な考え方は効率的ではないためです。
現在、ハウスメーカーに勤めながらもとにかく「いい住まい」をみんなに届けたいと、自社の商品以外についてもブログを書き続けているフジモンさんはこう書かれています。
ハウスメーカーで造作収納をするとおそらく写真のような感じにすると100万円~150万円くらいかかります。。
ですが鈴木さんが造作図面を作成して部材を取り寄せて大工さんに施工してもらうことによって半値以下でつくることができるそうです。
https://verse-fujimonmon.ssl-lolipop.jp/sqool-architect/ より抜粋
反対に小さな工務店の場合は、もともと1棟ずつ個別対応するのが前提ですから、私たちが造作をしても、大きな金額はかかりません。
造作家具は、一見、付録のような存在に見えるかもしれませんが、実際に新築やリフォームをするなら「ついでに…」と言われるケースが圧倒的に多いです。
引っ越しをした後に家具を買わなくてもいいほどの造作家具を作るとなると、造作家具が高い会社と安い会社とでは、大きく費用が変わってきます。
地域差による職人の人件費の違い
どの業種でも言えることですが、東京・大阪・福岡などの都心部の人件費は高い傾向にあり、地方の人件費は安い傾向があります。
新築をするとなれば、大工の他にも多くの人の手が必要になります。
- 現場監督
- 電気の配線などをする人
- 水道・ガスの配管をする人
- 住設機器を設置する人 など
まだまだたくさんの方が関わるのですが、そこに当然人件費がかかります。
この違いも坪単価が変わる要因になります。
人件費については、ハウスメーカーも工務店も大差はありません。
この様な話をすると、どうしても大手ハウスメーカーなどの住まいはコスパが悪いように聞こえるかもしれませんが、メリットもたくさんあります。
- ブランド力・安心感(ベンツはいいみたいなイメージ)
- 自社ブランドをもっている(独自性のあるものを選べる)
- 建築条件付きの土地をもっていることが多い(いい場所)
ハウスメーカー・工務店を実際に選ぶためにするべきこと
この様な背景も十分踏まえた上で、坪単価をみるといいでしょう。
坪単価×坪数で予算内に収まるとか、予算オーバーという見方は、トラブルの元です。
実際には、質を重視した住まいか安さを重視した住まいか、2つにグループわけをして、該当する会社に全てに問い合わせをするのがオススメです。
ネットで検索して、1社ずつメールの問い合わせを入れるのが面倒な方は
そのやりとりの中で、それぞれの会社の特徴をつかみ、気に入ったハウスメーカー・工務店を絞りこんでいくのが、スムーズです。
時々、まだまだ現実味を帯びていないのに問い合わせをするなんて申し訳ないという方もいらっしゃいますが、どのメーカーも工務店もお問い合わせをしていただくのは、とても嬉しいことです。