この様な質問に答えていきます。
結論は、残念ながら
じゃあ、高い買い物をしたのに泣き寝入りをしないといけないのか!という声も聞こえてきそうです。
ですから、この後の話を十分に理解していただき、絶対に「ハズレ」をつかまないようにしてください。
ホルムアルデヒド等の化学物質の量が大きく異なる事例
新築3ヶ月以内の物件の化学物質(VOC)の状況を紹介します。
質問にあったように、概ね同時期に建てられたものですが、建物によってVOCの量が大きく異なることがわかります。
しかも、N-2の物件以外は、厚生省が定めている基準値400μg/㎥を大きく上回ってしまっています。
これほど物件によってVOCの濃度が大きく異なるのであれば、質問の方の様に物件によってアタリ・ハズレがあるのか?と思うのも十分納得できます。
建築基準法で「シックハウス 対策」について定められているにも関わらず、なぜ、こんなことが起きてしまうのでしょう。
なぜ、ホルムアルデヒド等の量の違いがうまれるのか?
建物は法によって様々な制限を受けているにも関わらず、建物によってこの様な違いが出てくるのか解説します。
理由1 建築基準法で制限されているのはホルムアルデヒドだけ
建材から発生するホルムアルデヒド等の化学物質(VOC)は、シックハウス の原因です。
その為、この問題を解決しようと建築基準法が改正されたのですが、残念ながら規制の対象となった化学物質はホルムアルデヒドだけで、他のものについては特に制限されていません。
実際の部屋の空気を調査した資料はたくさんありますが、
- トルエン
- キシレン
- ノナナール
- 酢酸エチル
- エタノール など
これら(まだまだありますが)が、測定の結果、検出されています。
けれどもホルムアルデヒド以外のものは特に制限されいないために、建材によってはたくさんの化学物質を発散するものもあります。
理由2 合板に使われる保存剤・接着材の種類が多種多様
新築をする際に無制限に利用できる建材はF☆☆☆☆(フォースター)のものです。
ところが、先に触れたようにホルムアルデヒドの発散量さえ少なければ、F☆☆☆☆ということになるために、F☆☆☆☆の合板と言っても、無数に種類が存在します。
例えば
- 構造用合板
- 天然木化粧合板
- 防虫処理合板
- MDF など
当然、用途によって求められる性質もことなってきます。
さらに、木材保存剤を合板に注入する方法も物によって異なります。
- 接着剤に薬剤を混ぜて合板を作り、保存力を高める
- 薄い板そのものに薬剤を浸透させた後に、合板を作る
同じ役割を果たす合板でもこれらの処理の仕方によって、ホルムアルデヒドや化学物質(VOC)の発散量は大きく異なることは推測できると思います。
保存処理建材から発生する室内空気汚染物質・接着剤混入保存処理合板からのVOCおよびアルデヒド類の放散量という研究論文には、次のような結果が掲載されています。
上のグラフのJAS-A・JAS-B・AQなどは、合板の種類を表しています。
もちろん、F☆☆☆☆のものばかりですが、合板の種類によっては、アセトアルデヒドが多く検出されたり、その他のVOCも多く発散しているものがあることが分かります。
理由3 合板などが新築に利用されるまでの期間の違い
また、「保存処理建材から発生する室内空気汚染物質・接着剤混入保存処理合板からのVOCおよびアルデヒド類の放散量」には、保管されている期間によって化学物質の発散量が変化することが書かれています。
もちろん、保管されている期間が長いほど、化学物質の発散量は少なくなることは想像できるかと思います。
次の記事も参考になるはずです。
まだまだ、住まいによって当たり・ハズレがある理由が考えられますが、この辺りのことまで、ハウスメーカーや工務店とあなたが一緒に考えていかないと「化学物質」に関する安心・安全な住まいを手に入れるのは難しいと言えます。
通常、新築やリフォームをする際に、どの様な構造用合板を使うのかまでは、説明がされることは滅多にありません。
住まいの環境面も意識して、より快適な住まいにしたいという場合には、一手間かかりますが、合板の質まで、ハウスメーカーや工務店に質問をしてみてください。
また、この様な一般的な建材に関する質問等もお問い合わせからご質問ください。
快適で安全な住まいに出会う方法
自然素材の家、健康住宅という言葉は、様々なところで見られますが、その「程度」はハウスメーカー・工務店によって大きく異なります。
実際には、ここで伝えた様なところまで管理し、施工していくのは、ハウスメーカー・工務店にとっても大きなハードルとなります。
また、新築やリフォームをしようと考えているあなたにとっても手間が増えてしまう要素にもなりうる可能性があります。
そこで、本当に快適で安全な住まいかを確かめるために次の方法を試すことをオススメします。
- モデルハウスなどで宿泊を体験させてもらう
- 築年数の浅い物件も古い物件も両方見せてもらう
- 使用する建材がどの様に生産されているのか見せてもらう
ここまでのことをして、大丈夫だと実感できれば、安心できると思います。
空気がうまい家®︎は、とことん建材にまでこだわって住まい作りをしています。
自然が作り出す空気を存分に味わって、山や海の大切さも身体を通して感じていただけたら幸いです。
空気がうまい家®︎の体感は様々な地域で行うことができますので、お気軽にお問い合わせよりメッセージをお送りください。