リフォームや新築の希望を伺っていると、
という方が増えてきました。
そう言われる方々に、なぜ、塗り壁に関心をもったのか話を聞いてみました。
- ビニルクロスだと年数が経った時に剥がれてくるし、汚れやすい気がする。
- ビニルクロスはシックハウスの原因になったり、アトピーやアレルギーの原因になると聞いたことがあるから。
- ビニルクロスで塗り壁風のものもあるけれど、やっぱり質感が全く違う。
せっかく、リフォームや新築をするなら、
質感もよく、安全性が高いイメージの塗り壁が断然いいとの事です。
また、珪藻土と漆喰の違いについてもよく質問を受けます。
この違い、なんとなく分かる気がするけれども、
どうもはっきりしないなんて部分もあると思います。
ここでは、次の点について詳しく解説します。
- 珪藻土と漆喰は全く別物である
- 珪藻土と漆喰、共に長所・短所がある
- 珪藻土と漆喰、どちらも商品はたくさんあり質が様々である
「七輪の白い部分」「バスマット」に珪藻土が使われている
珪藻土とは、「藻」が死んで化石化したものです。
金魚を飼育していると水槽が緑の水になることが多々あります。
あの「藻」が死に、沈殿して分解された後に残った殻が珪藻土です。
と言っても、住まいの壁面に使用すると何がいいのか?
②断熱性が高い(注意点あり)
③調湿効果が高い(注意点あり)
こんな性質がありますが、なかなかピンっと来ないかもしれません。
身近にある珪藻土を見て、確かめていきましょう。
珪藻土がたくさん使われている七輪から特徴をみる
昔から珪藻土は火に強い土として知られていました。
弥生時代の窯にも使用されていたとも言われています。
現代でも、七輪や耐火煉瓦などに使用されています。
七輪を使われた経験がある方は、次のようなメリットを感じたはずです。
なぜ、七輪は炭が長持ちするのか?
- 炭の熱を逃さない
- 空気も逃しにくい
ためです。
これで、①耐火性がある ②断熱性が高いことはなんとなく感じられたと思います。
ただし、注意したい点があります。
②断熱性が高いという点については、七輪ほどの分厚さがあって…ということになります。
実際に、壁面に塗る程度の厚みならどうなのか…という点は、計算する必要があります。
珪藻土のバスマットから特徴をみる(注意点もあり)
珪藻土バスマットは、様々な種類のものが販売されており人気があります。
従来の布のバスマットと比較しても、水分をしっかりと吸収し、乾燥も早いためにバスマットとして利用するのにとても便利です。
珪藻土は、③調湿効果に優れていることが十分に感じられたはずです。
ただし、
バスマットより大きな視点で
調湿効果を見る必要がある。
バスマットの場合、体についた水分を除去できればOKなのですが、壁面に珪藻土を塗って調湿効果を期待するのであれば次のことを考慮する必要があります。
例えば、湿度の高い日で考えてみましょう。
- 珪藻土の壁は、空気中の水分を吸収したあと、いつか吸収した水分は放出される。
- 珪藻土が水分を吸収すると、潜熱によって温度が上昇する。
珪藻土の調湿効果について経験から考えてみると
過去に珪藻土を用いて壁面を仕上げたことがあります。
湿度が割と高い日でも、室内の湿度は5〜10%弱低くなっていました。
ほんのりと、気持ち良さを感じることができました。
ただ、長年生活をするとなると次の点も確認しておきたいものです。
湿度の高い日の室内の珪藻土の壁面は、お腹いっぱいの状態です。
そこに、湿った空気が流れ込んでもさらに水分を吸収することは困難だということ。
建材の調湿効果について、「各種調湿建材の素材と吸放湿特性」という論文があります。
これは、建材がもつ特性を調べたもで、次のような閉ざされた空間で実験が行われており、珪藻土も調湿効果があることは確認できています。
ただ、実生活と実験での評価とは、大きく条件が異なるために、調湿効果を期待して珪藻土の壁にしようと考えている方は、この点には注意が必要です。
JISAの評価基準もありますが、そちらも閉ざされた空間でのテストですから、実生活と条件が異なります。
あなたが住まいに求めるものは、数値・実験では見えない部分が多いので、湿度が高い日や低い日にモデルハウスなどに足を運び、敢えて換気をするなどして、体で空気を感じるのがベストです。
続いて漆喰について解説します。
「お城」や「蔵」に漆喰が使われている
珪藻土に比べて漆喰の方が親しみがあるかもしれません。
石灰石を焼いて、粉状にして水やノリを加えたものが漆喰です。
日本では、お城や蔵などに塗られていた白いものが漆喰です。
また、西洋でも古くから漆喰は用いられており、ワインセラーなどにも用いられてきました。
漆喰を建築に用いるとどんなメリットがあるのか?
②殺菌作用がある
これらについて詳しく解説します。
お城や蔵には大切なものが保管されていた
古くから、日本でお城や蔵に漆喰が利用されていたのは、燃えないためです。
また、当時の人々は経験的に、漆喰にはカビが生えにくいことを知っていたのではないかと思います。
その経験をもとに、大切なものを保管しないといけない蔵に漆喰を用いたのでしょう。
(殺菌作用の実験データーは後に掲載しています)
また、昔ならでは視点ですが、
お城の場合は、月明かりを綺麗に反射するために防犯にも良かったと言われています。
漆喰には調湿効果がないのか?
様々なネットの情報を検索しても、「調湿効果がある」と書いてあるものや「調湿効果がない」と書いてあり、困ったかもしれません。
結論は、
ということです。
JIS規格では、
そのために、
- 70g以下だから調湿しない!
- 70g以下だけど20〜25g程度は調湿するから調湿する!
という見解に別れているのが現状です。(実際に、測定した結果は概ね20〜25g程度)
珪藻土の部分でも触れましたが、湿度が高い日に漆喰が水分を少し吸った状態で、換気をしても、さらに調湿をすることは期待できません。
だからと言って、私は、出来るだけ窓を開けないように暮らそう!なんて事は絶対に言いたくありません。
ですから、
調湿の部分を重視する必要はありません。
一般的な珪藻土と漆喰の違いのまとめ!
ここで、一般によく使われる、珪藻土と漆喰の特徴をまとめておきます。
ただし、珪藻土や漆喰と一言で言っても、様々な種類があります。
さらに、珪藻土や漆喰を壁面に接着させるために、様々な化学物質が混ぜてあるものもたくさんあり、その程度も商品によって様々に異なります。
健康面も考えて塗り壁にするという場合には、
原材料も十分に確認することをおすすめします。
以下に、一般的な傾向としてまとめてみました。
(実際に、施工をされる場合には、個々の商品の説明を聞くか、体感をしてください)
一般的な珪藻土 | 一般的な漆喰 | |
調湿効果 | ○ | × |
耐火性 | ○ | ○ |
殺菌作用・防カビ性 | × | ○ |
一般的な漆喰とは大きく異なる「幻の漆喰®︎」とは?
珪藻土も漆喰も昔の人の知恵がふんだんに詰まった素晴らしい建材です。
ただ、本当にシックハウスの問題や心地よく過ごす住まいを作るという視点から見ると、施工の際に使用される接着材などの化学物質(VOC)が気になるところです。
住まいの壁面は、あなたを取り囲むようにしてずっとその場に存在します。
だから、一切、化学物質を含まない漆喰を空気がうまい家®では使用しています。
それが「幻の漆喰®︎」です。
漆喰に独自の光熱触媒の技術が混ぜられているために、壁面が空気清浄機のような役割を担います。
さらに、鳥インフルエンザウィルスの感染価を100万分の1にしたり、花粉症の原因物質を98%も低減・抑制することも明らかになっています。
そんな馬鹿な話あるか…なんてことも言われますが、
様々な実験データも公開されています。
(「幻の漆喰を知る」を参照)
ここでは、空気がうまい家®の重要な役割を果たす「幻の漆喰®︎」の10の特徴を挙げておきます。
- 焼肉の匂いは2時間程度で消える
- タバコの煙・臭いは吸いながら分解する
- ペット臭はほとんど感じない
- 手垢がつきにくい
- 綿ぼこりが発生しにくい
- アトピーの反応が少ない
- 喘息・鼻炎の反応が少ない
- 抗菌作用…大腸菌・黄色ぶどう球菌・サルモネラ・鼻炎ビブリオ
- 鳥インフルエンザウィルス感染価が100万分の1に(鳥取大学 伊藤教授による検査実証)
- 花粉症の原因物質を低減・抑制(埼玉大学大学院・王教授と共同研究「日本花粉学会」花粉アレルゲン低減効果発表)
実は、私の家族もそんなことはあり得ない!などと言っていました。
ところが、実際に生活をしてみると、確かにそうだなぁ…という声も挙がり、私の面目も立ってホッとしたのを思い出します。
まとめ
- 一般に珪藻土は、漆喰より調湿効果が高い。
- 漆喰には、殺菌作用・防カビ性がある。
- 珪藻土や漆喰にも化学物質が含まれているものが多いために、健康を考えて塗り壁を選択するのであれば、原材料の入念な確認をしよう。
- 幻の漆喰®は一切、化学物質を含まない。また、空気清浄機のような役割を果たす。
- 幻の漆喰®︎には、鳥インフルエンザの感染価を100万分の1にし、花粉症の原因物質を98%も低減・抑制する力がある。
珪藻土・漆喰、いずれにしても調湿効果はあるものの実生活でこの機能が存分に活きるほどの効果があるかどうかは、明確ではないために私は、珪藻土や漆喰の特徴として捉えていません。
長々と最後までお読みいただきありがとうございます。
いろいろとお伝えしてきましたが、どんな住まいがあなたの希望にあうのかは、最終は理屈よりもあなたの体感が全てだと思っています。
どのハウスメーカーさんも工務店も質問をされたり、体感を希望されるというのはとても嬉しいことですから、将来的にマイホームをもちたいという方は、様々な会社を訪問されるといいと思います。
もちろん、私たちもお問い合わせやご相談などお待ちしております。
私たちは京都府の(株)ハウス工房ですが、全国的に対応することも可能です。
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