ついついスマホを触ってしまい勉強できない【脱!作業興奮の支配】

【読み物】自然の営み
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住まいと人の成長は深い関わりがあるのか?そんなことを追求する。住まいとアレルギーやアトピー、学力との関係にも注目している。現在、国内外の子ども達と関わりながら、住まいに関する書籍や冊子などの連載も行っている。要するに住まいのオタクである。

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中学生でも、スマホを持つことがほぼ当然の社会になりました。

モバイル社会研究所によると、

中学生で7〜8割程度の子どもがスマホを持っているようです。

と同時に、

  • スマホばかり触って全然勉強をしない
  • 最近はオンラインゲームで夜も友達と遊んでばかりで困る

スマホがある程度普及してから、ずっとこの言葉を聞いてきました。

実は、スマホは

作業興奮の性質を見事に利用した道具

なのです。

作業興奮とは何か?これを理解すると、

  • スマホが勉強の邪魔になるという問題も軽減できる。
  • 時間を有効に活用できるようになります

以前に4人の子どもに協力をしてもらった時の感想も踏まえながら詳しく解説します。

なぜ、スマホはここまで広く普及したのか?

スマホには、新しい機能をどんどん追加することもできる上に、どこでも利用できるから広まった…と考えられますが、実はそれだけではありません。

スマホが日本に上陸したころは、批判的な声も多かった!

実は、iphoneが日本に上陸する前にApple社は、Newtonという端末をリリースしていました(電話としての機能はまだついていません)。

その後、2000年にJ-PHONEがカメラ付きの携帯電話を発売。

今、携帯電話で撮影した写真をメールに添付して送るという文化が生まれました。

その後、日本では2008年にiphoneが上陸。

格好いいという評価もありましたが、次の点が問題だという声もありました。

  • キーボードがないから押しにくい
  • ワンセグ通信が使えない
  • 赤外線通信が使えない

ところが、これらの問題をクリアせずに、スマートフォンが普及していきました。

なぜでしょう?

アプリ追加の自由度が高い

従来、使われてきた携帯電話よりもスマートフォンの方が圧倒的にアプリ追加の自由度が高いのも利点です。

ここにTwitterやFacebookなども入り、人が人を呼ぶスパイラルが誕生しました。

ここで考えてみたいのは、

便利な機能が充実していて、次々に機能を追加できれば、人は道具を使うのだろうか?

ということです。

そこで、次のようなことを試したことがあります。

便利な機能+「作業興奮しやすい設計」だから最強!

子ども達が大好きなゲーム機を次の3つの方法で準備したとしましょう。

  1. プロジェクターを使った大画面でゲームをする
  2. 家庭用テレビでゲームをする
  3. ポータブルタイプ(NintendoDS・PSP)でゲームをする

最初は、プロジェクターを使った大画面でのゲームに喜びますが、数日もすれば、ポータブルタイプのゲーム機を使用する頻度が高まりました。

理由は簡単です。

プロジェクターを使ってゲームをするのはいいけれど、次のステップを踏まないとゲームができません。

  • ゲーム機の電源を入れる
  • プロジェクターの電源を入れる
  • ステレオアンプの電源を入れる

たった、3つの機械の電源を入れるだけですが、これが面倒なのです。

ポータブルタイプのゲーム機の場合、好きな場所に座り、ゲーム機の電源を入れるだけでゲームが楽しめるので、圧倒的に便利だと言っていました。

つまり、

何かをやりはじめる時に最初の一歩が最も大きなハードルとなる

人は、誰でもこんな習性をもっています。

反対にこの最初のハードルを乗り越えると、人はそのまま行動をし続けるものです。

大して興味がないことであってもやっているうちに集中力が高まり、作業を継続する作用のことを「作業興奮」と言います。

スマホは見事に最初の一歩のハードルを下げて、「作業興奮」の状態に入りやすいように設計されているのです。

YouTubeで次々と動画を見てしまうのも同じ状態です。

もう少し、作業興奮について詳しくみてみましょう。

作業興奮の具体的な仕組み

空気がうまい家

スマホに限らず、生活をしている様々なところで「作業興奮」状態に入ります。

  • 部屋の片付けを始めたらとことんやりたくなった
  • 庭の草抜きを始めたらなかなか辞められない
  • 本を読み始めたら夢中になってしまった

作業を開始すると、脳の側坐核(そくざかく)からドーパミンが分泌され、それを感覚的に認識するのに5分程度の時間を要すると言われています。

ドーパミンとは?
神経伝達物質で、運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習などに関わる。注意欠陥多動性障害 (ADHD) においてもドーパミン機能が影響しているのではないかと言われている

だから、作業を開始さえしてしまえば、案外夢中になるものです。

昔から「とりあえずやってみなさい!」と言われるのは、こんな性質をなんとなく誰もが理解していたからかもしれません。

ただ、ここで

「そうは言っても、物理の勉強なんかは5分頑張ってやってもつまらない。」

ということも十分に考えられます。

実は、作業興奮状態に入りやすいものをそうでないものがあります。

作業興奮状態に入りやすいもの

先に例として挙げたものを見ても分かる通り、次のような行動が作業興奮に入りやすいと言えます。

  • 単純な作業(片付け・掃除・ウォーキング)
  • 少し考えるとクリアできそうな問題(パズル・クイズなど)
  • 楽しく気楽に読める本を読む

こうしてみると、テレビのクイズ番組などはとても良くできた構成になっていることが分かります。

作業興奮状態に入りにくいもの

一方、残念ながら、いくら5分間頑張っても作業興奮状態になりにくいものもあります。

  • 理解が難しい専門書を読む
  • 創造的な仕事・提案を作るなど

これらについても、誰もが経験したことがあるはずです。

ただ、これらについては、気分や体調が良く、作業興奮状態に入りやすいものから行動をしていくことで、難しいことも作業興奮(集中)しやすくなります

その他、いろいろ気になることがあって気分がスッキリしない!
という方はこちらの記事も参考にしてください。
疲れを感じたら近くで森林浴をしよう【少し歩くだけで効果は絶大】

作業興奮を自分でコントロールすれば豊かに生きることができる

空気がうまい家

スマホから得られる情報(メール・LINE・SNSの投稿・YouTubeなど)は、深く考える必要がないものが多いために、ちょっとしたきっかけで作業興奮に入りやすいです。

つまり、スマホ側に引っ張られやすいために「スマホばっかり触っていて全然勉強しない」ということが起きてしまいます。

現代は、スマホが手元にあるのが当然の社会になりましたが、スマホがあることで作業興奮状態を維持することが難しくなったということも理解しておきたいものです。

集中して何かに取り組みたい時には、

  • スマホの電源を切る
  • PCのメールソフトも終了させる

ことが、必要です。

時代が便利になればなるほど、作業興奮は貴重なものになるために、重要なところでは敢えて時代と逆行する要素も取り入れることが豊かに生きる秘訣だと言えそうです。

家づくりにも「作業興奮」は活かせる

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住まいをリフォームしたり、新築をしたりする時に様々なニーズはありますが、形のニーズよりも、暮らし方のニーズを大切にするようにしています。

間取りなどの具体的なご希望を聞くことも大切ですが、もっと重要なことは次の様な理想を語っていただくことです。

例えば、

  • 本が好きな子どもになって欲しい
  • 片付けや整理整頓ができる様に育って欲しい

日々の生活で、少しできたらいいなぁと思うことは、案外単調な作業なために「作業興奮」の要素と組み合わせることで、より快適なプランができるようになります。

住まいを作る上で、新しい技術に注目することも大切です。

それと同時に、いつの時代も変わらない人と自然の動向をしっかりと理解することも大切だと考えています。

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