私たちが施工をしている「空気がうまい家®︎」は、新建材(ビニルクロス・合板など…)を用いていません。
最近では、ローコスト住宅が流行ってきていますが、私たちが、建材にまでこだわるのは、せっかく新居を建てて引っ越したにも関わらず、「頭が痛くで住めない。」「赤ちゃんの肌がボロボロになってしまった。」というケースをたくさん見てきたためです。
そうした方が、空気がうまい家®︎で生活を始めると、これまで困っていた問題が解決されたという実例は、全国にたくさんあります。
ですから、住まいに使う材料は、とことんこだわっているのですが、先日、次の様な質問をいただきました。
空気がうまい家®︎に使われている、音響熟成木材は素晴らしいものだと体感して分かりました。ただ、幻の漆喰について1点気になるところがあります。
それは、「光熱触媒の力で漆喰がもっている力を最大限に出す」という部分です。本来、自然のもので作られた漆喰に、光熱触媒液を加えてしまうと、自然の漆喰とは言えなくなるのではないでしょうか。
私の子どもも新築に引っ越しをしてから、肌が悲惨な状態になってしまったので、もう一度、住まいについて学び直したいと思います。
光・熱の触媒液を漆喰に混ぜるなんて聞くと、確かに超化学的なイメージをうけますね。
そこで、ここでは、
をテーマに話を進めていきましょう。
この記事の内容は、こちらの動画にもまとめています。
触媒の技術はどんなところに使われているの?
日本触媒という会社がありますが、そちらのページを見ると、上記の様なところに製品が使われていることが分かります。
一言でまとめると、何にでも使えるものということになりそうです。
一体、触媒とは何なのか?
では、触媒とは一体なんなのでしょうか。
辞典によると次の様に書かれています。
化学反応においてそのもの自身は変化しないが、反応速度を変化させる物質
歴史的に見ると、ドイツの科学者が白金(プラチナ)に水素を吹き付けると点火することを発見し、不思議なことに白金(プラチナ)が燃えて減少しなかったという発見が、触媒の原点だと言われています。
つまり、白金(プラチナ)が燃料となった訳ではなく、白金が存在することで、水素と酸素が反応するということを突き止めました。
白金がいることで、水素と酸素が反応できたということで、白金は仲裁役をしたようなイメージで理解するといいと思います。
他にも、小・中学校の時に誰もが触媒の働きを目にしています。
オキシドールに二酸化マンガンを入れて気体を発生させる
こんな話をすると難しく感じられるかもしれませんが、難しい話はさておき、確かにそんな実験したような気がするなぁ…と思い出していただくだけで十分です。
上の図の様に、オキシドール(過酸化水素水)と二酸化マンガンを混ぜて、気体を発生させたことがあなたもあるはずです。
酸素が発生することになるのですが、この時、二酸化マンガンが減ってしまうことはありません。
二酸化マンガンはまた別のクラスの実験でも使うから回収ね。
きっと先生もこの様なことを言われ、理科室特有の容器の中に二酸化マンガンを戻した記憶がある方も多いのではないでしょうか。
つまり、二酸化マンガン自体は一切変化していないけれども、その周りのオキシドール(過酸化水素水)が変化しました。
この時、二酸化マンガンは、触媒として働いたと言えます。
じゃあ、ものすごい怖い先生の前だとヤンチャな子どももピシっとする現象と似てるね。
この時、ものすごい怖い先生は触媒として働いた訳だよね。
そうそう。
怖い先生は何もしていないよね。
側にいただけで、ヤンチャな子どもの態度が変わったなら、先生は立派な触媒だよね。
これで、触媒についてのイメージは十分できたのではないでしょうか。
自然の中にも触媒は見られる
こうして見ると、触媒って化学的なイメージになりますが、自然の中には、様々な触媒が存在していることが分かります。
例えば、「葉緑素」は、立派な触媒です。
葉は光合成をして、植物の成長に必要な栄養を作ります。
この時に、葉緑素が活躍していますが、葉緑素の一部を栄養に変換させている訳でありません。
超簡単に言うと、光のエネルギーと二酸化炭素を使って、自分に必要な栄養素を作りますが、葉緑素そのものが変化しているわけではありません。
つまり、葉緑素も触媒として捉えてもいいのではないでしょうか。
さらに、「発酵」もとても身近な触媒反応の一つです。
例えば、パンを作る時にイースト菌を混ぜます。
この時、イースト菌は、パン生地に含まれる砂糖を分解し、エタノールと二酸化炭素を作るために、生地がフワッと膨れ上がります。
かと言って、イースト菌自体が何か違うものに変化するわけではありません。
つまり、イースト菌は触媒として機能したと言えるのです。
幻の漆喰®︎に混ぜられているものは、自然の中から取り出したもの
こうして見ると、触媒の技術は様々なところで活用されるのも十分理解できたのではないでしょうか。
最も特徴的な部分は、触媒となるもの自体が変化をしないという点だと思います。
変化をしないということは、ずっと触媒としての働きを維持することができるということになります。
もちろん、この触媒の技術は化学の力を活用しながら進歩して行っている側面もありますが、まだまだ自然の力の方が優れていると言っていい状況です。
そして、冒頭に触れたように私たちが施工する空気がうまい家®︎は、本来人がずっと過ごしても心地いい空間を目指して、材料にもとことんこだわっています。
ですから、空気がうまい家®︎に使われる「幻の漆喰®︎」の光・熱触媒液も100%自然にあるものを使用しています。
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まとめ
少し化学の話になってしまいましたが、触媒の性質を分かっていただけたのではないでしょうか。
- 触媒の技術は現在も研究されており、あらゆるところで活用されている。
- 触媒はそのもの自体が変化しないために、半永久的に役割を担ってくれる。
- 触媒は人工的にも作られるが、自然の中に見られるものもたくさんある。
- 幻の漆喰®︎に用いている光熱触媒液も100%自然のものである。
こうしたご質問をいただくことで、同じような疑問を持たれていた方の参考にもなると信じています。
そして、何より、私たちの発信を通して、「住まいは快適な箱」というイメージから、「住まいと一緒に生きる」という考えが広まることを願っています。
もしあなたも、住まいに関するご質問などありましたら、施工の有無に関わらず、お気軽に下のリンクからメッセージをお送りください。